◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

3月11日~20日

2019-03-12 21:34:52 | Weblog

3月20日(5名)

小口泰與
淡月や若き二人の観覧車★★★
分校の宿直室や竹の秋★★★★
雛菊や白球追える小学生★★★

多田有花
囀りの日ごと増えゆく山路かな★★★
よく晴れし彼岸の入りの山歩く★★★
さくらんぼのなる木だよと初花に★★★

廣田洋一
太き息吐くごと咲きし喇叭水仙★★★★
喇叭水仙ブラスバンドの近づけり★★★
喇叭水仙重たき花を括られる★★★

桑本栄太郎
きらきらと綺羅の水面や風光る★★★
倒木の透けて見えをり春の池★★★
春風や急き立てらるる散歩犬★★★★

古田敬二
沈丁花馨はどこから来るのやら★★★
種芋を植えし畝の曲がりおり★★★★
木蓮の蕾太りて夕暮れる★★★★

3月19日(5名)

多田有花
雉鳴くを聞きつつ朝の干し物を★★★
陽を受けてただひたすらに白き梅★★★★
初蝶や日当たりのよき頂に★★★

古田敬二
芽吹き待つ大樹の下書を読む老独り★★★
寄りあいて春蘭蕾咲くを待つ★★★
春の潮老いの歩幅のリズムかな★★★★

廣田洋一
古き巣の近くに群れる百千鳥★★★
幼子も共に声上げ百千鳥★★★★
百千鳥川の流れは変わらずに★★★

小口泰與
ばらの芽の血流の色雨の中★★★
白梅や昇る朝日と鳥の声★★★★
激つ瀬の岸辺に鳥や桑芽吹く★★★

桑本栄太郎
開け放つ白壁民家や里の春★★★★
水入りのボトル並びぬ春の庭★★★
春動く時に名句の生れけり★★★

3月18日(5名)

多田有花
春浅き尼寺にクリスマスローズ★★★
馬酔木咲く豪雨禍伝える碑の横に★★★
春霰去れば沖合いくっきりと★★★

小口泰與
落葉松の芽吹く山道風の道★★★
万蕾と雫や雨のしだれ梅★★★
春林や丸太小屋よりジャズ流る★★★★

古田敬二
空映す爆弾跡の春の水★★★
鳥動きひとひらひらり梅の花★★★
天の雲早く流れて冴え返る★★★★

廣田洋一
空の色未だ吸ひ足らぬ犬ふぐり★★★
何者か一つ零せり犬ふぐり★★★
犬ふぐり道を外れて坐してをり★★★

桑本栄太郎
ゆつたりと風に柳の春意かな★★★
柔らかき草に落ちたり薮つばき★★★★
街道の弁柄門や風光る★★★

3月17日(5名)

廣田洋一
春光や名も知らぬ草目覚めさせ★★★
せせらぎや春光絡めきらめきぬ★★★★
春光を口開けて呑む鯉の群れ★★★

小口泰與
万蕾の梅や朝の雨しずく★★★
あえかなるあかきばらのめあさのあめ★★★★
祖父からの万年筆や櫻の芽★★★★

多田有花
滝ひとすじ春寒のなかへ落ちてくる★★★★
豪雨禍のまだ生々し春の山★★★
春山の頂に座す文殊かな★★★

桑本栄太郎
畦青む車窓つづくよ阪急線★★★★
眼の覚めるような畦なり犬ふぐり★★★
北山の嶺の見えざり春の雨★★★

古田敬二
山茱萸の満開伊吹遠景に★★★★
山茱萸の満開伊吹夕暮れる★★★
山茱萸の八十路の我にある力★★★

3月16日(5名)

小口泰與
語り部の女将や宿の夜の梅★★★
好日のいよよ濃きかな黄水仙★★★★
火の山は靄の中なり梅真白★★★

廣田洋一
早々と一輪光る桜かな★★★★
紫の花を積み上げ風信子★★★★
春暁や星の瞬き二つ三つ★★★

多田有花
白梅といえど蕾は紅を持つ★★★★
舞妓さんが土俵見つめる浪花場所★★★
春嵐終日ダイヤ乱れたり★★★

桑本栄太郎
薺咲く白き田面や休耕田★★★
さざ波の田水となりぬ春の風★★★★
池の面の風に波打つ木の芽かな★★★

3月15日(5名)

古田敬二
啓蟄やジャム瓶蓋の固きこと★★★
啓蟄や虫の動きの目覚めけり★★★
啓蟄に島中猫の動きだす★★★

多田有花
いぬふぐり地上の星はそこにあり★★★
老夫婦梅を見上げつお弁当★★★
梅林の上に残りし飛行機雲★★★★

小口泰與
山茱萸の万朶の花と雨雫★★★★
段畑の風の鳶の輪麦青む★★★
万蕾の梅や雀のとまり木よ★★★

廣田洋一
採れたての分葱を配る文化センター★★★
お土産の煎餅かじり暖かし★★★
暖かし花芽の少し色付きて★★★★

桑本栄太郎
バザーなる看板幹に落椿★★★
青ざめて木蓮楚々と開きけり★★★
春耕の土の香りやトラクター★★★★

3月14日(5名)

小口泰與
一斉に山茱萸咲くや風の谷★★★
沈丁や朝刊とりに門扉まで★★★★
成り行きのままに生きたし柳の芽★★★

廣田洋一
同じ模様鉢を覆ひしパンジーかな★★★
新しきタカラジェンヌやすみれ咲く★★★
パンジーや猫にも見ゆる貌のあり★★★

古田敬二
三月や朝の陽ざしの高くなる★★★
登りきるそこから始まる木蓮道★★★

登りきるそこから続く白木蓮(原句)
切れは、そこで切ってしまうのでなく、次の句と不即不離の関係をつくります。「登り切る」では、切れすぎです。
登りきりそこから続く白木蓮★★★★(正子添削)

多田有花
銭湯にひとり浸かりし春の夜★★★
山裾の古刹の庭にふきのとう★★★★
のどけしや地蔵そろいのよだれかけ★★★

桑本栄太郎
池の辺の風に波打つ木の芽吹く★★★

春北風やゲートボールの着込み居り(原句)
春北風やゲートボールの人ら着込み★★★(正子添削)

山茱萸の枝の張り出す川辺かな★★★★

3月13日(4名)

古田敬二
思い出の母と山畑麦を踏む★★★
母と踏む小さき山の麦畑★★★★
春光の届く水底魚影光る★★★

小口泰與
紅梅や天へゆったり観覧車★★★★
大鏧を打つや境内落椿★★★
おもむろに振り向く我に落椿★★★

桑本栄太郎
ブランコの風を纏いぬ子供達★★★★
春風や大根ぬつと背伸びせり★★★
土手上の畑の一面花菜風★★★

廣田洋一
八重の花鈴なりに咲く椿かな(原句)
花は八重鈴なりに咲く椿かな★★★★(正子添削)
水温む釣人来たる池の端★★★
池を出で身寄りを探す蛙かな★★★

3月12日(4名)

小口泰與
街の蝶はや遁走の構えかな★★★
蜂の巣を燃やすおさなの奇声かな★★★
釣人へまつわる虻や日の高き★★★★

多田有花
春の川渡れば熊本駅に着く★★★
うららかやバス待つ人と歓談す★★★
熊本の名物もらう春日和★★★

廣田洋一
雛納め見慣れし人の去りしごと★★★
小さくも雛の在りし場寂しけり★★★★
顔を撫で着物を払ひ雛納★★★

桑本栄太郎
鈴なりの房となりたり馬酔木咲く★★★
堰水の楽となり居り春の川★★★★
浮雲の嶺のおちこち春日さす★★★

3月11日(3名)

小口泰與 
ほつほつと大地割たるつくつくし★★★
木蓮やアンテナの向き皆おなじ★★★★
初蝶と連れそう子等の帰り道★★★

多田有花
肥後椿咲く路地抜けて川に出る★★★★
白川の河原に群れし春の鴨★★★
川沿いの道ゆっくりと春の朝★★★

廣田洋一
3月11日半旗に向かひ合掌せり★★★
津波から掘り出されたる内裏雛★★★★
3月やあの人の声聞く海辺★★★

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自由な投句箱/3月1日~10日

2019-03-03 22:11:52 | Weblog

※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之


◆俳句添削教室◆
http://www.21style.jp/bbs/kakan02
◆俳句日記/高橋正子◆
http://blog.goo.ne.jp/kakan02

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今日の秀句/3月1日~10日

2019-03-03 22:11:08 | Weblog

3月10日(1句)

★もくれんの開き初めたりうすみどり/桑本栄太郎
この木蓮は、白木蓮であろう。開くと純白の白さが眼に染みるが、開き初めは、うすみどりがかっている。ういういしさがある。(高橋マアコ)

3月9日(句)

★さへずりの梢見上ぐや青き空/桑本栄太郎
さえずりが降ってくる梢を見上げると、空は真っ青。晴れた空に、小鳥の囀り。うららかな春の日がたのしい。(高橋正子)

3月8日(1句)

★引鴨を追ふかに堰を落つる水/廣田洋一
引鴨を追い立てるように、堰を水が急ぎ落ちる。去るものをさらに追うあわれさるが、それだけ季節が早く移っていく。(高橋正子)

3月7日(1句)

★乙訓の風に流さる揚ひばり/桑本栄太郎
乙訓の風景のなかに、高く揚がるひばり。歴史ある乙訓の地名に様々な思いが重なる。(高橋正子)

3月6日(1句)

<水前寺公園>
★阿蘇よりの伏流水に春の鴨/多田有花
雄大な阿蘇山からの伏流水と、知っている鴨であろうか。それとは知らず、ゆっくりと春を楽しんでいるように思える。私は、高校の九州一周の修学旅行で水前寺公園にもいきました。(高橋正子)

3月5日(1句)

★地を割って光はじくやクロッカス/小口泰與
クロッカスは「光はじく」と表現されるのが、ぴったり。地面すれすれに開く花は地に降る光を弾き、反射させるのだ。(高橋正子)、

3月4日(1句)

★花こぶし獣駆けたる杣の道/小口泰與
辛夷はもともと山の木であろう。獣が駆けていく杣の道に咲いている。四国に住んでいた時、辛夷は植木でしか見なかった。ところが、横浜に暮らすようになって、山にある辛夷、丘に咲く辛夷、庭の辛夷をよく見るようになった。杣の辛夷は、うすき緑を帯びているように思える。(高橋正子)

3月3日(2句)

★梅東風の石段数へ金比羅宮/廣田洋一
金毘羅宮の石段の数の多さは知られるところだが、石段を上ってゆくほど、日や風を身にうけることになる。梅東風を受けながらの金毘羅宮からの眺めが想像できる。(高橋正子)

★立子忌やお菜に悩む妻の留守/桑本栄太郎
星野立子の「まゝ事の飯もおさいも土筆かな」の句が下敷きにある。この句をよく覚えているので、一人居のときのおさいを何にしようかと困ったとき、この句が浮かんだ。この句のように周りの春のものがおさいにできたらと思ったのかも。(高橋正子)

3月2日(3句)

★砂浴びの雀や梅のふふみける/小口泰與
梅の蕾が膨らむ庭。雀が砂浴びしている。可愛らしい雀に寄せる。梅ふふむ日のうららかな思い。(高橋正子)

★オフィス街ランチバッグに春ショール/川名ますみ
オフィス街にも春がきた。オフィスで働く女性たちは、ランチバッグを手に軽やかなショールを巻いて、公昼時を歩いている。ベンチや公園の芝生でランチをするのだろうか。(高橋正子)

★囀りを残して揺るる小枝かな/多田有花
枝で囀っていた小鳥が飛び立った。今飛び立ったばかりで、小枝が揺れて、そこにまだ囀りが残っているように思える。(高橋正子)

3月1日(3句)

★山焼きや勢子の湧き出る点火場所/廣田洋一
山焼きをするとき、点火する場所にそれぞれ勢子が待機している。いざ火をつける時、勢子たちは勢いよくあちこちから湧き出る。山焼きの現場を見るような臨場感がある句。(高橋正子)

★来てみれば水面鎮まり鳥帰る/桑本栄太郎
ある日来てみると、にぎやかに水鳥たちがいた水面が鎮まっている。意外だ。渡り鳥はすでに帰って、静守る水面となっている。「鎮まり」に作者の思いがある。(高橋正子)

★航跡の真白に砕け春の水脈/古田敬二
船の航跡が真っ白に砕ける。春を感じさせる航跡の「真白さ」だ。心晴れやかな句。(高橋正子)
コメント (7)
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3月1日~10日

2019-03-03 21:50:08 | Weblog

3月10日(4名)

多田有花
春風のなかで待ちおり臨時バス★★★
アイスショーへ長き列成す日永かな★★★
カート押し宿へと向かう春の闇★★★★

小口泰與
猫柳河川工事の昼休み★★★★
江戸の味伝う公魚諏訪の味★★★
傘寿過ぎあっと言う間や鳥曇★★★

廣田洋一
東風吹くや並木の枝を見上げたり★★★
朝東風に足を速める丸の内★★★
何がなし浮き立つ気分朝の東風★★★★

桑本栄太郎)
底せせる鴨のつがいや春の川★★★
茫洋と今朝の鞍馬は霞立つ★★★
もくれんの開き初めたりうすみどり★★★★

3月9日(4名)

廣田洋一
子供らの夢を語りし桃の花★★★
桃の花一輪咲きて売られけり★★★
源平桃村に落人の伝説★★★★

多田有花
<水前寺公園三句>
能楽殿春の雅楽の準備中★★★
春の陽に松整然と影を成す★★★
つくばいの湛えし春の空青し★★★★

小口泰與
餌くわえつつつと走る親雀★★★
子雀の嘴よりこぼる滴かな★★★★
針金を咥え飛びけり鴉の巣★★★

桑本栄太郎
堰水の楽を奏づる春の川★★★
川風の料峭なりぬ土堤を行く★★★
さへずりの梢見上ぐや青き空★★★★

3月8日(4名)

多田有花
<水前寺公園三句>
狛犬が逆立ちをする春日和★★★
梅しだれ神社の幟まっすぐに★★★
満開の梅が寄り添う藩主像★★★

廣田洋一
引鴨や跡を残さぬ池之端★★★
引鴨を追ふかに堰を落つる水★★★★
鴨帰りあたりに光る青き草★★★

小口泰與
さざ波にゆるる残照残る鴨★★★
木道の野末や春の雨の雲★★★★
うららかや土偶の尻の豊かなり★★★

桑本栄太郎
<確定申告提出へ>
春光の日差しまぶしき今朝のバス★★★
菜の花や河川畑の花盛り★★★★
年金の暮らしに倦むや納税期★★★

3月7日(4名)

小口泰與
せりせりと波を被りし山葵かな★★★★
借景に赤城鍋割山(なべわり)雪柳★★★
烈風にはや遁走の雀の子★★★

多田有花
<水前寺公園三句>
古りし松春の日差しを存分に★★★
水温む鯉ゆったりと旋回す★★★
手水舎に軽き音たて春の水★★★

廣田洋一
池の面白く光りて水草生ふ★★★
幼子の手を伸ばす池水草生ふ★★★
すいすいと魚影進みて水草生ふ★★★

桑本栄太郎
乙訓の風に流さる揚ひばり★★★★
さみどりのU・F・O見たり土佐みづき★★★
黒々と天に眼や豆の花★★★

3月6日(4名)

小口泰與
まんさくや村の誉れの大学生★★★★
梅咲くや何時もの朝の散歩道★★★
一つ脱ぎ朝の散歩や揚ひばり★★★

多田有花
<水前寺公園三句>
阿蘇よりの伏流水に春の鴨★★★★
春昼や鳥居の奥の稲荷神★★★
春の日の神苑の富士を愛で巡る★★★

廣田洋一
雨上がり啓蟄の庭覗きけり★★★
啓蟄や砂場の山の崩さるる★★★
啓蟄や首伸ばしたる亀二匹★★★

桑本栄太郎
菜の花やはるか山には高速道★★★
堰水の音を聞きつつ春の土堤★★★
どの畦も星の降りたり犬ふぐり★★★★

3月5日(4名)

小口泰與
地を割って光はじくやクロッカス★★★★
引鴨や夕映えの山風を生み★★★
小魚の瓶の淵へと雀の子★★★

多田有花
采配をとる清正公春動く★★★
火の国の名物を食ぶ春の昼★★★
水前寺公園まったき藪椿★★★★

桑本栄太郎
青空の降りそそぐかに揚ひばり★★★★
つんつんと芽ぐむ満天星つつじかな★★★
夢のみな畦に降り立つ犬ふぐり★★★

廣田洋一
水平線うつすら霞む岬かな★★★
黒潮に釣り糸垂れる春岬★★★★
空海像白く光りて遍路道★★★

3月4日(4名)

小口泰與
砂浴びの雀の穴や猫柳★★★

花こぶし獣駆けたる杣の道★★★★
辛夷はもともと山の木であろう。獣が駆けていく杣の道に咲いている。四国に住んでいた時、辛夷は植木でしか見なかった。ところが、横浜に暮らすようになって、山にある辛夷、丘に咲く辛夷、庭の辛夷をよく見るようになった。杣の辛夷は、うすき緑を帯びているように思える。(高橋正子)

鳥声や浅間南面雪解見ゆ★★★

多田有花
<熊本城三句>
鉄骨が支える石垣春淡し★★★★
ゆるゆると長塀下を春の水★★★
内堀に烏水浴びうららけし★★★

桑本栄太郎
木蓮の毛衣ゆるみ芽吹きけり★★★
背の低くすでに支柱や豆の花★★★★
青空を被いて居たり揚ひばり★★★

廣田洋一
水平線白く光れる春の海★★★
菅笠に青き衣の遍路かな★★★
白波に浮かぶ灯台風光る★★★★

3月3日(4名)

小口泰與
桃の日のたおやかなりし赤城山★★★★
雛の日の波たおやかや山上湖★★★
揚ひばり空掻き分けて天心へ★★★

廣田洋一
さざれ石平成の春苔加へけり★★★
梅東風の石段数へ金比羅宮★★★★
山椿高々と咲く坂の道★★★★

桑本栄太郎
立子忌やお菜に悩む妻の留守★★★★
下萌の地道歩めり水の音★★★
嶺の端のほのと明るき春しぐれ★★★

多田有花
<熊本城三句>
異国語に囲まれ春の熊本城★★★
崩れ落ちし石垣の上の春の空★★★★
清正の反り春昼の石垣に★★★

3月2日(6名)

小口泰與
砂浴びの雀や梅のふふみける★★★★
蛇行せる辰之の川揚雲雀★★★★
※辰之=高野辰之(文省唱歌「故郷」の作詞者)(正子注)

残照の浅間や畦の揚ひばり★★★

古田敬二
鍬先に触れる石くれ春耕す★★★★
春昼やメタセコイアのまっすぐ伸び★★★★
春の旅メンバー独り欠けしまま★★★

廣田洋一
春の雨上がるかに見えて降りやまず★★★★

店先の花とりどりに春の雨(原句)
店先の花はとりどり春の雨★★★(正子添削)
もとの句は間違いではありませんが、添削のような句にもなります。

春の雨熱きお茶を頂きぬ★★★

桑本栄太郎
芽柳の天を掃きたる川辺かな★★★
堰水の音を聞きつつ春の川★★★

下萌や川辺を歩む堰と音(原句)
下萌えや川辺歩めば堰の音★★★★(正子添削)

川名ますみ
春霞遠くの富士の浮かびおり★★★
水仙の蕾ほっそり葉のかげに★★★
オフィス街ランチバッグに春ショール★★★★

多田有花
囀を残して揺れし小枝かな(原句)
囀りを残して揺るる小枝かな★★★★(正子添削)

落ちてなおしばし端麗藪椿★★★★
播磨灘穏やかにあり夕霞★★★

3月1日(5名)

多田有花
春の雨あがりし頂に座しぬ★★★
水滴が梅の蕾にひとつずつ★★★★
パグと会う雨のあがりし梅林で★★★

小口泰與
晩酌は切子の盃や遠蛙★★★★
囀りや釣具選びの友と居り★★★
うぐいすや燃ゆる浅間山(あさま)は彼方にて★★★★

廣田洋一
山焼きの煙を見つつ宿に着く★★★★
山焼きや勢子の湧き出る点火場所★★★★
山焼きの炎の揺れて風生まれ★★★★

桑本栄太郎
三月と思う日差しを歩みけり★★★★
来てみれば水面鎮まり鳥帰る★★★★
春日さす崩れ土塀や山の里★★★

古田敬二
真白に砕けて広がる春の水脈(原句)
航跡の真白に砕け春の水脈★★★★(正子添削)

老人の歩幅は小さく初音聞く(原句)
老人の歩幅小さし初音聞く★★★★(正子添削)

春落暉地球の動く速さかな★★★

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