◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

7月11日~7月20日

2024-07-11 19:07:48 | Weblog
7月20日(4名)

多田有花
白シャツや土用太郎の風はらむ★★★★
電線へ等間隔に夏つばめ★★★
ヘッドフォン越しに聞こえし蝉の声★★★

小口泰與
山道の石清水にて口濯ぐ★★★
夏桑や日の出と共に摘みにける★★★
この川の鮎をみざるや口惜しき★★★

廣田洋一
うなぎ屋のうの字のはねて土用かな★★★
熱きコーヒーゆっくりと飲む土用入★★★
自転車の補助輪取れて夕晩夏★★★

桑本栄太郎
茅舎忌の明の東雲うすあかね★★★
風あれど溽暑の午後となりにけり★★★
かなかなや赤く染まりし西の天★★★

7月19日(5名)

小口泰與
燕の子赤城の風に口を開け★★★
ばら咲くや黄色の葉っぱ風の中★★★
蝦蟇ふた声鳴いてそれっきり★★★

多田有花
涼しさや風通る部屋で書き物を★★★
夏鶯盛んに鳴ける日の出かな★★★★
土用入真昼の街路を救急車★★★

廣田洋一
鷺草のなおつつましく法の池★★★
土用の入り風心地良き法の庭★★★
山門を潜りて拭う玉の汗★★★

桑本栄太郎
暁闇にかなかな鳴きて目覚めけり★★★★
じわじわと日毎姦し蝉しぐれ★★★
夏草や廃墟の庭にいきおいて★★★

弓削和人
大西日犬にホースの水しぶき★★★★
夏のごみ朝一番の清掃車★★★
ブルーベリー青藍色に口を染め★★★

7月18日(3名)

小口泰與
八十年浅間を仰ぎ竹落葉★★★★
山風にくつがえりたる青葉かな★★★
くちなはに子ら集まりて囃しける★★★

多田有花
捨てるべきものを捨てたり梅雨晴間★★★
押し入れを吹き抜けてゆく夏の風★★★
熱中症アラート放送土用前★★★

桑本栄太郎
山鉾のごつとん揺るる辻回し★★★
さらさらとお歯黒蜻蛉苔上に★★★
黒蟻の直ぐ歩み居り雨上がり ★★★

7月17日(3名)

小口泰與
百本の薔薇に夕日のさしにけり★★★
三山の横たう里や麦の秋★★★
弓なりに草を弾ます川蜻蛉★★★★

多田有花
たっぷりのもぎたてトマトをいただきぬ★★★
汗ぬぐいつつすっきりと片付ける★★★
南北の窓吹き抜ける夏の風★★★

桑本栄太郎
バスの行く並木通りや青葉闇★★★
山鉾の巡行日和や雨上がる★★★
バス道の分離帯とや草茂る★★★

7月16日(3名)

多田有花
夏暖簾揺れる古民家ステーキ屋★★★
生ハムに千切りキャベツ添えらるる★★★
海の日の海は雨なりステーキ食ぶ★★★

弓削和人
てんとむし壁に並びて飛びいづる★★★
親つばめ開けたる嘴を探し分け★★★
蟻の道夏の匂いを辿りけり★★★

桑本栄太郎
緑蔭の窓辺に座して推敲す★★★★
古すだれ越しの戸外の青葉かな★★★
梅雨闇や窓より風の通りゆく★★★

7月15日(3名)

小口泰與
朝日差す合歓咲く木木を紅に染め★★★
朝日差し合歓咲く木木をあかあかと(正子添削例)
「紅に染め」を感じた「感覚」を大切して詠むと、読む人に共感してもらいやすくなります。(髙橋正子)

ぽこぽこと芝生に落し杏子かな★★★
翡翠のしかと授かる沼の魚★★★

多田有花
入れ替わり首を出しおり燕の子★★★
ほととぎす細かき雨の降る夜明け★★★★
梅雨深し耳になじみし雨の音★★★

桑本栄太郎
朝方の家事手伝いの溽暑かな★★★
じゅりじゅりと子燕鳴きぬ嬉しさに ★★★
宵山の四条通の小雨かな★★★★

7月14日(2名)

小口泰與
くちなしを見しよりしばし足止まり
「くちなし」は、「くちなわ」の間違いですか。(髙橋正子)

青空をくつかえりつつ夏燕★★★
あけぼのの沼を震わす蝦蟇の声★★★

桑本栄太郎
駅中のホームに祇園囃子かな★★★
梅雨荒れやはるか鞍馬の雲の中(原句)
一読して、「の」より「は」のほうが分かりやすのでは、と思います。(髙橋正子)
梅雨荒れやはるか鞍馬は雲の中(正子添削)

鴨川の濁る早瀬や梅雨深し★★★

7月13日(4名)

桑本栄太郎
街中を歩み行くほど蝉しぐれ★★★
塊りの撓り揺れ居りさるすべり★★★★
吾が足の丈に長きや半ズボン★★★

小口泰與
歳時記の夏のくだりや不如帰★★★
鮎釣りの懸命に行く上流へ★★★★
忽然と水輪を残す蝦蟇二匹★★★

多田有花
青鷺の静かに佇む夕の川★★★
「暑いですね」あいさつ交わし別れおり★★★
青あらし川面を白く波立たす★★★

廣田洋一
草を食む羊散らばる夏野かな★★★
草刈るや地肌の見ゆる野原かな★★★
夕焼けや野の中天赤く染め ★★★

7月12日(3名)
小口泰與
大空を映す大沼おおでまり★★★
利根川の径くさぐさや山女釣★★★
老翁のくさぎる畑や夏の鴨★★★

多田有花
七月の淀川河口を渡りおり★★★
坂上り青蔦豊かな病院へ★★★
ナイターに行く人数多阪神電車★★★★

桑本栄太郎
ベランダの手すりの滴梅雨荒るる★★★
初蝉の三日前のみそれつきり★★★
”えっちらこ”とみみずを運ぶ蟻の列★★★

7月11日(3名)

小口泰與
ギヤマンの桶に揺らゆら夏の夜★★★
ぎいぎいと湖畔の木木や夏の雲★★★
忽然と雨にみまわる夏の鳥★★★

多田有花
ため池を囲み揺れおり青田波★★★
海峡と大橋望み夾竹桃★★★★
大橋を抜ければ梅雨の大阪湾★★★

桑本栄太郎
驟雨来る音に目覚むや朝まだき★★★

子烏の居付きというは愛しけり(原句)
子烏の居付きというは愛しかり(正子添削)
「愛し」は形容詞です。また「けり」は連用形に接続します。
したがって「けり」を使うなら「愛しかりけり」となります。
※「愛し」は古文では、いわゆる「カリ活用」をします。現代語では「シク活用」です。以下の活用表をご覧ください。(髙橋正子)
活用形語幹活用語尾(ク)活用語尾(カリ)識別方法
未然形からずを付ける
連用形かりてを付ける
終止形ーーー。を付ける
連体形かる物を付ける
已然形ーーーければを付ける
命令形ーーーかれ!を付ける

サングラス取れば優しきパパの顔★★★

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自由な投句箱/7月1日~7月10日

2024-07-01 18:45:03 | Weblog
※当季雑詠3句(夏の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。

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今日の秀句/7月1日~7月10日

2024-07-01 18:43:53 | Weblog
7月10日(1句)

★谷川の流れの綺羅や翡翠よ/小口泰與
きれいな谷川の流れに、宝石のような鳥の翡翠を見た喜びに、思わず、「~よ~よ」と感嘆の気持ちがあらわれた。きれいなものを俳句に詠むことは、実はむずかしい。素直に喜びを述べたのがいい。(髙橋正子)

7月9日(2句)
★風さわわ鈴なりのミニトマトかな/廣田洋一
「さわわ」と言う言葉は、そよぎを感じさせる。そよぐ風が菜園に吹いて、ミニトマトは鈴なりに熟れている。たのしい菜園である。(髙橋正子)

★星涼し遠くの犬の静まりぬ /弓削和人
星が涼しく感じられる夜、遠くで鳴いていた犬の声も聞こえなくなり、静かな涼しい夜となった。星空のもとの広い静けさ、涼しさがいい。(髙橋正子)

7月8日(1句)

★白日傘のたたまれてあり喫茶店/廣田洋一
喫茶店に入ると白日傘がたたまれ、立てかけられている。日盛りを白い日傘をさしてきた女性がいることは間違いない。喫茶店で憩う女性の姿は見えないが、白日傘にほんのりと涼し気な女性の姿がイメージされる。(髙橋正子)

7月7日(1句)

★地下広場七夕笹に華やげり/廣田洋一
昔は七夕笹は家庭で飾られたが、最近は商店街などに飾られ、街行く人に涼を醸してくれている。地下広場の七夕笹に出会い、気持ちも華やぐというもの。(髙橋正子)

7月6日(1句)

★ボールペン使い切ったる小暑なり/多田有花
「小暑」は二十四節季の一つで今年は、7月6日が小暑となった。梅雨の開けるころで、また、蓮の花が初めて咲くころでもある。小暑と大暑をくるめて暑中となるので、夏もいよいよ本格的になる。なかなか使い切れないボールペンを使い切った小さいことながらの区切り、さっぱりした感じは小暑と言う区切りと重なりいいものだ。(髙橋正子)

7月5日

※該当句無し

7月4日(2句)

★朝日浴び赤く染まりし合歓の花/小口泰與
合歓の花は夕方から咲く。朝日を浴びると、毛羽だったような花が赤く染まって目覚めている姿が、かわいらしい。「赤く染まり」に夏の朝らしい、清々しさが見て取れる。(髙橋正子)

★川の鯉大口開けて夏盛ん/廣田洋一
夏真っ盛り。里川の景色だろうか。川を覗くと鯉が口を大きく開けていたむろしている。元気に泳ぐ鯉は見るからに涼しそうだ。(髙橋正子)

7月3日(1句)

★手花火の命果つなりぷいと落つ/桑本栄太郎
線香花火では特にそうだが、最期は火の雫となって「ぷいと落つ」のだ。「ぷいと命が果てる」感覚を覚えたのだ。(髙橋正子)

7月2日(1句)

★目の前を小魚過ぎる箱眼鏡/廣田洋一
「箱眼鏡」は箱の底にガラスを張って、水中を透視するもので、浅い海などで岩陰に潜む魚など突いて獲るのが目的。ガラスの底に小魚が元気よく過ぎるのが見えたりするので楽しく面白い。(髙橋正子)

7月1日(1句)

★子燕の店番となり道の駅/弓削和人
道の駅の高いところに燕の巣が掛けられ、親燕が餌を探しに出ている間、子燕が残される。その子燕が元気よく並んで、店番をしている格好になっている。人と燕の暮らしが密着していて、楽しそう。(髙橋正子)

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7月1日~7月10日

2024-07-01 18:38:59 | Weblog
7月10日(4日)
小口泰與
川蝉に興じ帰宅を忘れたり★★★
翡翠の羽の美しきや沼の上★★★
谷川の流れの綺羅や翡翠よ★★★★

桑本栄太郎
初蝉の一瞬のみに鳴きやみぬ★★★
パソコンの雷雨予報や窓を閉ず★★★
いやいやと言いつつ我に扇風機★★★

廣田洋一
日は西に大向日葵は東向き★★★
水替えてぴちぴち跳ねる金魚かな★★★
夕張の青空見せるメロンかな★★★★

多田有花
ピリオドは一個人として鷗外忌★★★
終日を吹き通してや青あらし★★★
山川を光らせ渡る青あらし★★★

7月9日(5名)

小口泰與
紫陽花や四花寄木細工の箱根山★★★
源流の岸辺にぎわす四葩かな★★★
天霧らう杣道細し四十雀★★★

多田有花
七夕や酷暑なれども珈琲は熱く★★★
裏窓に風を通して梅雨晴間★★★
晴嵐に身をあずけおる燕かな★★★

桑本栄太郎
日射し無く風さえなきや油照★★★
風死すや木々の枝葉のひつそりと★★★
目覚むれば既に止み居る驟雨かな★★★

廣田洋一
風さわわ鈴なりのミニトマトかな★★★★
青々と水気たっぷりメロンかな★★★
プールにてひたすら歩く病み上り★★★

川名ますみ
焼酎やつるむらさきに柚子胡椒★★★
生え際をハンカチの縁一周す★★★
富士現る夕焼雲を押し上げて★★★★

弓削和人
滴りの表面張力くさの珠★★★
炎天や銀のカフスの外しおり(原句)
「カフスの」の「の」の使い方が文法的に違っています。(髙橋正子)
炎天や銀のカフスの外れおり(正子添削)
炎天や銀のカフスを外しおり(正子添削)

星涼し遠くの犬の静まりぬ ★★★★

7月8日(4名)
小口泰與
何し負う世界の滝を見てみたし★★★
日を受けて岸辺彩る葵かな★★★
紫陽花や篠突く雨の薄明かり★★★

多田有花
七夕の城は真夏の陽の中に★★★
七夕のランチを食す盛夏の街★★★
七月のデザートはチョコレートムース★★★

廣田洋一
熱気満つる街より帰り昆布茶かな★★★
しっかりと網目の包むメロンかな★★★
白日傘日傘たたまれ喫茶店(原句)
白日傘のたたまれてあり喫茶店(正子添削)

桑本栄太郎
炎天の木蔭つたいや朝歩き★★★
外つ人の男日傘や京の街★★★
待合の長くなり居り昼寝かな★★★

7月7日(3名)

多田有花
七夕や今宵は梅雨の晴間かな★★★
明易し活動早し朝燕★★★
大輪の百合よその名はソルボンヌ★★★

廣田洋一
地下広場七夕笹に華やげり★★★★
老楽や二人で食べる鰻めし★★★★
好天の散歩を終えて昆布茶飲む★★★

桑本栄太郎
想い出は夢の中とや蛍の夜★★★
蜘蛛の子の生れて散りじり糸千本★★★★
長屋門出でて小川や蛍狩り★★★

7月6日(5名)

小口泰與
翡翠の水より出し羽の色★★★★
川蝉の羽音厳しく枝を発つ★★★
翡翠の嘴の切っ先魚の居り★★★

廣田洋一
松葉牡丹花弁ごとに光りおり★★★★
生ハムの紅光るメロンかな★★★
ビルの陰過ぎれば日傘開きけり★★★

多田有花
ボールペン使い切ったる小暑なり★★★★
まだ眠る町へ小暑の朝日差す★★★
小暑の週末押入れを片付ける★★★

弓削和人
山小屋に停まるオートバイ合歓の花★★★
泳ぎ子を見守る飼犬湖の浜★★★
さんさんと陽にこうこうと月の百合★★★

7月5日(4名)

小口泰與
花合歓の中より出し野鳥かな★★★
丘の沼静寂を破る蝦蟇★★★
あけぼのの池を挟みて蝦蟇★★★

多田有花
短パンに素足で過ごす今朝からは★★★
「短パンに素足」はいいのですが、「過ごす今朝からは」は、説明になっています。(髙橋正子)
紫陽花の名残の色が足元に★★★
「紫陽花の名残りの色」はいいですが、「足元に」がわかりにくいです。(髙橋正子)
丁寧に支えを受けしグラジオラス★★★

廣田洋一
UVの数字を競う日傘かな★★★
男子用日傘の売場広がりぬ★★★
お見舞いにアンデスメロン買いにけり★★★

桑本栄太郎
次々と洗いもの増え梅雨晴間★★★
心地よき風に託すや青あらし★★★

<故郷の夕映えの想い出より>
夕映えの帯の耀く日本海
「夕映え」は季語ではありません。ただし、角川季寄せでは「夕焼け」の傍題として「夕映え」があるそうです。その例句をお知らせいただければ幸いです。(髙橋正子)
 
「夕映え」の言葉がある例句:
冬泉夕映えうつすことながし/柴田白葉女
夕映えの一村囲む桑若葉/桂信子
檐近き夕映空や鳥帰る/寺田寅彦
雄阿寒に長き夕映え洗鯉/奈良文夫
鹽竃は夕立すらん沖夕映/寺田寅彦
かいつぶり人は夕映着て帰る/林翔
夕映えの遠き焚火は地の吐息/林翔
夏山の萱の刈あと夕映えぬ/瀧春一
夕映に何の水輪や冬紅葉/渡辺水巴
金色の夕映え鶴を呼びもどす/原裕
夕映えや茂みの漏るる川の跡/丈草
豆畑に吸筒ぬるみ夕映す/寺田寅彦
夕映の蚊柱の胴緊めがたし/澁谷道
豊年や夕映に新聞を読み/加畑吉男
箒木の茫々として夕映えぬ/杉山岳陽
秋夕映の海より来たり鮃の死/森澄雄
麦枯れて鮎の水上夕映えぬ/石原舟月
山々の夕映のくるスキー場/京極杞陽
寒林讃根元根元で濃き夕映/香西照雄
夕映のしばらく倚るは冬襖/角川源義
花明り夕映の黄が退りつつ/香西照雄

7月4日(4名)

小口泰與
夏川に声を鍛えし応援団★★★
川蝉の長き嘴よりあめんぼう★★★
朝日浴び赤く染まりし合歓の花★★★★

多田有花
雨上がり霧の流れる夏の朝★★★
よく降りて一息つきぬ梅雨の空★★★
巣作りには遅くないのか夏つばめ★★★

桑本栄太郎
お使いの日射し無けれど溽暑かな★★★
戻り来て背ナに噴き出す汗しずく★★★
午後よりの雨の催いや梅雨の闇★★★

廣田洋一
高く低く乱れ飛びたる真夏の蝶★★★
川の鯉大口開けて夏盛ん★★★★
鳥の声高く続きて梅雨晴間★★★

7月3日(4名)
小口泰與
川蝉をカメラに収め帰宅かな★★★
翡翠や気散じの歩を岸辺まで★★★
川蝉の声を競いて水面へ★★★

多田有花
まだ低く咲くや庭木の山法師★★★
風に乗り百合の香不意に流れ来る★★★
紫陽花の色の長靴梅雨の午後★★★

桑本栄太郎
雨雲の峡にとどまる梅雨深し★★★
でで虫の葉蔭に殻の雨上がる★★★
手花火の命果つかにぷいと落つ(原句)
手花火の命果つなりぷいと落つ(正子添削)

廣田洋一
楸邨忌霊気透けたる九品仏★★★
木々の葉を騒がす風の涼しかり★★★
真夏の蝶扇ぐがごとく飛び来たる★★★

7月2日(5名)

小口泰與
合歓咲くや曇り天より鳥の声★★★
芝の中捩花つんと背伸びせり★★★
捩花の咲き競いたる芝庭へ★★★

桑本栄太郎
捩花や雨のしずくの捩じれ居り★★★
窓よりの雨の匂いや梅雨深し★★★
バスの出るたびに揺れ居り金糸梅★★★

多田有花
七月の激しき雨のなかにいる★★★
しばらくは梅雨空となる予報かな★★★
雲きれて白百合へ陽の差し初めし★★★

廣田洋一
目の前を小魚過ぎる箱眼鏡★★★★
首根っこつかまえたろか子かまきり★★★
友来たり昆布をあてに酒を酌む★★★

弓削和人
祭笛夜空へ放ち星のなか(原句)
「放ち」の主語が問題です。もう一つも問題は、祭笛に対して、「放ち(つ)」と言う感じ方に多少違和感を感じます。(髙橋正子)
祭笛夜空へ放たれ星のなか(正子添削)

夏山の木立は風にすこし揺れ★★★
睡蓮の水の張りつつ安かりき(原句)
睡蓮の水の張りつつ安らけし(正子添削)

7月1日(5名)

小口泰與
川蝉の声聞き分ける山の森★★★
早朝の沼へ翡翠声かすか★★★
川蝉の声の機嫌や山の沼★★★

多田有花
ミーティング終えて遅めの午睡とる★★★
半夏生エンディングノート書き始む★★★
珈琲にJ.C.バッハ半夏雨★★★

廣田洋一
弱火にて昆布だし作る昼餉時★★★
老若を総動員の昆布干し★★★
電車降り眼鏡拭きたる夏の昼★★★

桑本栄太郎
赤児泣く朝の静寂や梅雨寒し★★★★
今日よりは水無月と云う七月に★★★
雨雲の峡にとどまり梅雨晴間★★★

弓削和人
梅雨晴間野路に沿いたる鳥の声★★★
子燕の店番となり道の駅★★★★
陽の去りてしずかに梅雨ははじまりぬ★★★
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