○VICTOR XP-DA999
DAコンバータ(以下DAC) 96khz、20ビット 現在の水準(192khz、24ビット)から見れば極々内輪の数値です。発売されたのは1997年。K2プロセッシングと言うアップサンプリング機能を持った画期的な製品でした。入力端子は通常のRCAの他、光、同軸BNC、バランス、出力端子はRCA、バランスと豊富な入出力と、豊富な入出力端子を持ち、デジタルセンターと呼ばれていました。民生用としては珍しく、CDトランスポートと同期を図るクロック入出力を持っていました。
マランツ プロジェクト D1 との競争を勝ち抜き、現在でもESOTERIC P-0の相棒として、我が家の中心DACです。
当時の国内オーディオメーカーは今とは比較にならない位に元気で、切磋琢磨し、名品と呼ばれる高品位の機器を競作していました。
○VICTOR XL-Z999
ビクター自慢のK2プロセッシング搭載のCDプレイヤー(以下、CDP)です。当時の高級機?はCD読み取りメカの上にCDを置き、スタビライザー(重し)を載せるタイプが流行っていました。シンプルイズベストと言う考えに立てば、理解できない訳ではありません。そのスタビライザーを交換することによって、音も変わる?とか、遊べる要素はあったのです。この機種は外部光の影響を受け易いとかの理由で、まもなく、この後継機のXL-Z999EXに変わりました。両者の大きな違いはないと思います。
XL-Z999EXのDAC部分を独立させ、DACとして練り上げたのがXP-DA999です。
クロック入力がありますので、XP-DA999と同期運転が可能です。DAコンバータとしての使用も可能です。
XP-DA999とXL-Z999の2つの機器に共通しているのはずしりと重いこと。はケースがしっかりしている、電源部(トランス)が充実している、メカ(CD読み取り装置等)がしっかりできている証拠です。
音楽CDの規格、44.1khz、16ビットと言う今の技術水準から見れば物足りない規格です。この規格を超えようとして、アップサンプリングして来たのがこれまでのデジタルオーディオの歴史です。
CD専用機種と言う範疇なら、XL-Z999は今でも現役として十分通用するでしょう。
○ESOTERIC P-0
CDトランスポート(以下、CDT)です。CDの読み取りメカと言えば、フィリップスがスイングアームの生産を止めてからは、高級品と言えば、TEACのVRDSメカでした。
WADIAも高級品はVRDS、普及品はパイオニアのメカと使い分けていたようです。VRDSメカは何機種か聴いています。ESOTERICは元々TEACの高級?オーディオブランドです。
スイングアームが柔とすれば、剛のVRDSとでも言えるでしょう。
P-0は元々製品として企画されたものではなく、研究用、開発用に試作されたと聞いたことがあります。駆動メカもミクロン単位で制御され、CDの中心軸を揃えるほか、CDの状態に合わせて、細かく調整できるようになっています。
電源は本体への干渉を防ぐために別個体。共には鉄の固まりのようにも重い。移動する時には、腰を痛めるないように注意しなければなりません。
CDのより好みが激しく、メカニカルノイズが気になることも多く、気むずかしい機器です。
メカの調整、CDのピックアップ部の交換を兼ねて、2度入院していますが、現在も完調とは言い難い状態です。もっとも、ESOTERICもこの辺のことは十分、承知していたようで、改良型、バージョンアップを繰り返しました。
家のはメンテナンスはしていますがオリジナルのままです。今後も音楽CD再生原器としての位置づけは変わらないでしょう。
なお、Pー0シリーズは輸出されませんでした。海外ではメンテナンスができないからと聞いたことがあります。
CDTですので、DACと組み合わせなければ、音は出ません。相棒はVICTOR XP-DA999が務めていました。
バランスケーブルを繋ぎ、クロックを合わせての同期運転です。
その後、外部クロックを導入して、よりジッターの低減を図ったのですが・・・・・・
これについては、別の項とする予定です。