kamekutobu

ザスパクサツ群馬の応援、スローライフ、終活日誌、趣味、旅行

遊・華・実・願 「キリム遊牧民作家の手織りもの」

2020-01-19 05:38:09 | 美術



葉書文をそのまま引用しました。

「遊」ぶ、「華」やかに。その「実」現を「願」う

『遊』 
移動の民、遊牧民の敷物・キリムには、不思議な魅力があります。
図面や納期の指定もなく、織子さんの自由な発想から産み出される”遊び心”のある織物なのです。
ふさ(フリンジ)は、多くの種類があり、結び目を変えてそれぞれの個性が出せる部分でした。

『華』
砂漠の続く、物の少ない地域で織られたキリム。
それなのに、なぜか作品は華やかです。
織子さんはデザインを決め、糸を配色していきます。その想像力が華麗なキリムを生みます。
本体は”床に敷く絵画”と評価され、それを織る人々は”遊牧民作家”と呼ばれています。

『実』
軽くて、薄いキリムは現代社会にも”ピッタリ”の敷物です。
移動が日常化した遊牧民はいわば”旅上手”な人々でした。
軽いキリムは、お部屋間の移動ができ、メンテナンスが容易です。
また、湿気を抜き、温度調整に優れ、毛足もないため清潔にお部屋を保ちます。
長い歴史に裏付けられたキリムは現代でも実用的な敷物です。

『願』
キリムにはそれぞれのストーリー(物語)があります。
独特の文様には、部族や村単位で意味があり、産地が特定できます。
多くは”家族の幸福”を願ったものであり、世界中で共通するものです。
少し曲がったりしていても、手作り感のある素朴なキリムは不思議と落ち着く雰囲気をもつ敷物です。


展示室内











作家の自己主張

イスラム教徒の女性は家族以外に顔を見せない地域も残っている。外出もままならないらしい。トルコはかなり西欧化が進んでいる。

左側のキリム。
中央柄の一番下だけ赤。作家なりの遊び、自己主張らしい。イスラム教徒の女性は保守的と思われるのに意外です。

右側のキリム。
非常に素朴な印象。華やかなキリムの中で目立ちました。アフガニスタン製。オールド品? 
自家用に織ったのでしょうか。本来の実用品としてのキリムらしさが色濃い。

キリムの商品化が進む中、デザイン中心の豪華なものが増えているようです。


木綿生地にピエロのプリント

発想がモダン

キリムは壁に縦長に展示されています。その場合は縦位置で撮影しました。
画像は90度反転させなければならないのですが、表示スペースの関係もあり、横向きのままのものが多く含まれています。予めご承知下さい。














一番上に置かれているのが、唯一の絹製キリム






木綿生地に刺繍


木綿生地に刺繍


会場にあった生花 オトメツバキ スイレン ガーベラ

一週間に一度、顧客がボランティアで活けてくれているようです。
















黒字の絹地に刺繍のお洒落なワンピース

何と男性用。イスラム教徒服。身の丈に合わせてオーダー品 非売品。
会場のアクセントして、二つ飾ってありました。

キリムより衣装に目が行ってしまいました。自分と同じような方が多いそうです。
もし、買うとしたら幾らと不躾な質問をしたら、意外に安価なのに驚きました。
異教徒・無神論者が興味本位で着るのは許されないでしょう。諦めました。



買い付けに行った時の記念写真 中央が浦田浩之さん

イスラム教徒服を着ている。その割に現地の知人は西洋ナイズされた服。3人の中で一番現地人らしい。
買い付け先は政情不安、治安の悪い地域。犯罪に巻き込まれないように、現地に溶け込むことが一番重要。
さぞ、大変かと訊いたら、「こんな楽しいことはない」そうです。


自分もクッション用を購入しました。お手軽価格、消費税込み7,800円


羽毛袋をいれた状態


何も入れなければ、椅子、ソファーの敷物として


ソファーの背もたれとして利用した例

Gallery O-TWOにある椅子マットはクリムです。常時展示しているようなものです。



敷物と書きましたが、使い方は自由で良い。
カーペットと比較し、軽くカジュアルなので、テーブルセンターにも、壁掛けにもなります。
場所を選ばない。日本間にも合いそうです。

是非、会場にお越しいただき、見て楽しみ、直接、手で触れて下さい。

*自分用メモ
「キリム」は「平織』の意味。薄く軽い。『敷物の元祖』と言われている。

絨毯は厚みがあり、収納時は巻く。嵩張ります。
キリムは畳めるのでコンパクト。放牧移動民にとって必然の敷物だった。

産地はパキスタン、アフガニスタン、トルコ、イランのイスラム教諸国
地域、宗教色(スンニ派、シーア派)、部族によって、特色がある。見る人が見れば一目瞭然らしい。
作家個々の自己主張を感じるものが多い。
従来の手法を忠実に守っているのはアフガニスタン。

家内手工業的、農閑期の副業的色彩が強く、一枚織るのに数ヶ月を要するものも多い。
同じものは二つとない。できないのである。

現地買い付けでは、いつも新しい発見がある。

商取引は信義を重んじる傾向が強い。良さを知る人に売る。

織りを密にすれば、しっかりとした重いものになる。
織の密度を変えることにより、その用途に応じたキリムが可能。
実用的なものもあれば、装飾向けのものもある。

糸はウール・木綿・絹の3種類があり、ウール製が多い。
会場の絹製キリムは一つしかありませんでした。
絹製はその光沢から一目で分かりますが、ウール、木綿の区別は難しい。
触ってみると直ぐに分かる。ウール製は暖かい。木綿製はヒンヤリする。
糸の間の空気層で熱の伝わり方が違うからだ。

木床に敷き、スリッパなしで生活するなら、冬はウール製、夏は木綿製が好ましいと感じました。

糸の染色は村・単位で集中的に行う。化学染料を使用している。

日本の「草木染め」は世界では特殊な表現。
自然素材以外の染料を使うも含め、手作業で行う染色をナチュラル・ダイ(自然染色)と言う。
草木染めはその中の一つの手法と言うことになるようです。







◯展示会案内


キリムと呼ばれる敷物展

会場:Gallery O-TWO 群馬県前橋市荒牧町2−15−10 ☎︎027−235ー1331
日時:2020年1月9日(木)〜1月19日(日) 10:30〜19:00(最終日16:00まで)
定休日:1月14日(火)

なお、展示会開催期間中は常にブログの先頭になるよう調整します。

ジャンル・分類は、過去投稿との整合性を図るため、「スローライフ」から「美術品」に変更しました。
中身は「スローライフ」そのものです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿