鴨着く島

大隅の風土と歴史を紹介していきます

小中高一斉休校要請の余波(2)

2020-03-03 11:10:53 | 日記
昨日の午後1時過ぎに我が家の近くの県道に出て、一段高くなった歩道と道路との境界に生えている草に除草剤を撒いていると、自転車に乗った帰宅途中の女子中学生が二人通りかかったので手を休め、そのうちのひとりに訊いてみた。

――明日から2週間、学校は休みなんだね。部活なんかも中止なの?

「はい。・・・卒業式も在校生は参加しないで、親も一人だけしか参列できないんです。」

――へえ。それは大変だ。でも、別の意味で想い出に残るかもナ。

女子中学生は3年生だった。こっちの質問に、はきはき答えたが、最後の冗談めいた言葉には
含み笑いだけで去って行った。

間近に迫った公立高校の入学試験は通常通り行われるようで、中学3年生にとっては学習上の問題は何もないが、それ以下の学年では2週間かひょっとしたらこのまま春休みまでの休校となると、学習面で遅れが出るはずだ。

しかしそれよりも何よりも心配なのが、共働きの核家族世帯の子供たちだろう。

母親がパートだったり、近くに祖父母がいるのなら何とかやり繰りがつくだろうが、フルタイム勤務だとそうは行くまい。

小学校高学年や中学生にもなれば、昼間家庭に母親がいなくても自分のことは自分でできるからいいが、低学年では無理な話だ。

政府は学童クラブで対応させたいらしいが、学童クラブの定員から考えるとこれも無理な話。

第一、学童クラブでも多くの子供たちが群れるわけで、クラスタ―感染の危険性は学校と変わるまい。

そうなると安倍首相が力説するように、小学校低学年の子を持つ共働き世帯の母親に勤務を停止して家にいてもらい、その分「休業補償」をするという線になる。

だがそれも勤務先の理解(公務員が一番早いだろう)と、企業なら業務上の損失補填が必要となるはずで、それやこれやを果たして予備費2700億円で賄えるのだろうか・・・。

(※これは仄聞だが、かのダイヤモンドプリンセス号に乗り合わせて感染して亡くなったアメリカ人の遺族からは政府に対して数億円規模の莫大な補償が要求されるだろう――という。)

休業補償と企業の損失補填と言えば、あの1100万都市武漢はどうなんだろうか?

武漢では1月23日に「封鎖」されて以来もう1か月半近く、学校も企業活動も停止したままだ。

日本の会社が大中小併せて160社あるというが、すべて活動は停止しているし、もちろん在地の企業や商店もほとんどが休業に追い込まれている。

あと何週間、何か月かかるか分からないが、無事「終息宣言」が出されて封鎖が解除になった暁には、いったいどれほどの休業補償と損失補填がなされるのだろうか。

この新型コロナウイルス感染の発端はどうであれ、武漢だけでは当然賄いきれず中国政府自身が面倒を見るはずだが、想像を絶する巨額になることは間違いあるまい。