鴨着く島

大隅の風土と歴史を紹介していきます

神川大滝(錦江町神川)

2022-05-03 18:36:12 | おおすみの風景
昼過ぎ、錦江町の友人と会うために神川の鳥浜海岸に行った。

まだ時間に余裕があったので、ここの内陸にある「神川大滝」まで足を伸ばした。

神川を走る国道269号から4キロほど内陸に行った所にある神川大滝は、大根占最大の川「神之川」の中流から下流に移行するところを高さ20メートル余りで落ちている滝で、そのフォルムの美しさは大隅半島では随一だろう。


高さ約20メートル、滝の幅は25メートル、周りに小さな滝をいくつも控えている凝灰岩を穿った滝ならではの滝つぼである。

遊歩道があるので誰でも滝つぼのすぐ際まで行けるが、こんなアプローチの簡単な滝はそう多くあるまい。

大隅で滝と言えば、南大隅町の「雄川の滝」が有名で、「大隅の旅」というような番組がもしあったとしたら、まず100%雄川の滝を選んで紹介するに違いない滝である。

ところが雄川の滝は、高さ40メートルはあるのだが、滝の落ち口で大部分の水が発電用に取られてしまうため、余程の大雨で水量が増して余剰があるような時にしか見られないのである。

しかも大雨の時は雄川の滝への遊歩道は通行止めになるので、その時は見ることができない。また遊歩道が歩けるような天気の良い時は、川の水量が少なくなるので発電用に大部分の水が取られてしまう。結局、一般的には「滝の雄姿」は拝めないのである。

そのことが「稀有な滝だ」「神秘な滝だ」と逆にアピールポイントになっているらしい。

それに比べると神川大滝は、訪れる者を裏切らないまっとうな滝である。

滝を空中から見下ろす人道橋があり、右岸から左岸へと一周すると一キロはある結構なハイキングだ。しかも標高差は50メートルはある。

また子供用の遊具も設置されているので親子で楽しめる。

川のせせらぎと滝の音が、周囲の凝灰岩によってできた屏風岩に反響して心地よい響きをたてる。

清流を眺めていると誰しも心が洗われるだろう。