ここ1年の日本のロケット打ち上げは失敗続きだった。
去年の10月に内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられたイプシロンロケットは姿勢制御がままならず「指令破壊」された。
明けて2023年の3月には鳴り物入りの新型ロケット「H3」が種子島宇宙センターから打ち上げられたが、2段目の切り離しに失敗し、やはり「指令破壊」された。
(※同じ3月に打ち上げられた鹿児島発の超小型ロケットも上空2キロまで到達予定だったのがわずか75mしか上がらず、砂浜に落下した。)
この夏の7月には、秋田県の打ち上げ試験場で「イプシロン2」のエンジンの燃焼実験の最中に爆発を起こした。
うわ、また失敗したのか!――というのがテレビで放映された爆発の瞬間を見た時の驚き、というよりあきれてしまった。
日本のロケット技術はこんなものだったのか、という思いがどんどん膨らんで行った。
そしていよいよ今日、旧型機だが成功率の高い「H2A」ロケット47番機が種子島から打ち上げられた。
午前8時42分に種子島の宇宙センターから発射されるというので、デジカメを持って庭の南側に行ってその時を待った。
スマホでは実況中継が行われているユーチューブがあったので、その画面で発射を確認した。
すると約3秒後くらいに、上の写真のほぼど真ん中のぽつんと浮かんだ白雲(逆L字型の長い雲のすぐ上の雲)から、白い軌跡が飛び出した(残念ながらそれは写真では見えない)。
おお、とカメラを向けて撮ったのがこの写真だが、白い軌跡を描いたロケットはさらに上空の広いうろこ雲の中に消えた。その間2秒から3秒だった。
午後からの報道各社によれば、H2Aロケットは月面探査機SLIMを搭載しているカプセルを軌道に投入することに成功したようだ。
もう一つアメリカと共同開発した宇宙観測器Xrismも無事に投入されたという。
これで4度目の失敗にはならなかったことになり、宇宙にはさしたる興味を持ちあわせない自分でも、やれやれと安堵した。
旧型のH2型のロケットの世界に誇る信頼性は、再びゆるぎないものとなったのだ。
JAXAはいたずらにH3型に移行せずとも、2A型のままで改良を重ねて続行すればよいと思うのだが・・・、素人判断だろうが。