昼過ぎ、南側の畑でエンジンの音が大きく聞こえて来たので、庭に出てみると、トラクターによるダイコンの収穫が始まっていた。
最近はこの手の機械による収穫が多くなっている。
トラクターの後ろに取り付けた「ダイコン掘り取り機」で、向かって右手の畝から大根を掘り取り、葉っぱの部分をチェーンで挟み、それをぶら下げながら左側へ移動させて落として行く。
トラクターの後ろから見ると、おおむね50センチくらいの細身のダイコンの列がぶら下がっている。まるでダイコンすだれだ。
手前に一本のダイコンが転がっているが、あれはチェーンから外れて落ちたのだろう。
以前の収穫は人の手でやっていたのだが、中腰になって抜き取らなければならず、農業者の高齢化もあって体への負担が大きくなっていた。
そこでこの機械掘りが主流になりつつある。ゴボウなどでも似たような機械掘りが普及している。
ここのダイコンは漬物用と思われるが、今の時期は煮物・おでんに無くてはならない野菜である。
そもそもダイコンを日常的に人間が食べる習慣は日本だけのものだ。韓国などではキムチ的な漬物があったように思うが、煮てまるごと食べるのは日本人だけだろう。
おでんを含む和食は受け入れられつつあるが、他人(他国人)は知らず、一番おいしく感じるのは、この時期何と言っても私はよく味のしみ込んだダイコンである。
ダイコンはアブラナ科だから寒さにはめっぽう強い作物で、当地では漬物用のダイコンが主流なのだが、高温期に盛んに作られるサツマイモが最近「基ぐされ病」なる細菌性の疫病に悩まされているのに比べ、ダイコンに関してはそうした病害を聞かない。
我が家のダイコンも先日の初物よりは一回り大きくなった。
同じアブラナ科のブロッコリーもだいぶ大きくなったので、ダイコンと一緒に収穫してみた。
ダイコンは30センチサイズ、ブロッコリーは直径が15センチほどになった。湯がくと鮮やかなグリーンになるのがブロッコリーの良いところだ。今晩はこれで一杯。