鴨着く島

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瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず

2020-05-16 09:31:59 | 日記
中国漢代の詩の一節に『瓜田不納履 李下不正冠』というのがあるが、これは、疑わしいことをするな、という戒めである。

ウリのごろごろ生った畑に入ったり、たわわに実ったスモモの木の下で冠の紐を結び直したりすると、見ていた人から盗人と間違われるからよしなさい――ということだ。

今話題になっている「検察庁法改正問題」はまさにそれに当たる。

1月に検察庁高官の定年延長を「閣議決定」したのは、間もなく定年を迎える東京高検の黒川検事長の地位をそのまま延長するためと言われても仕方があるまい。

なぜ一検事長の定年延長に関して、これまでに前例のなかった閣議決定をするのかは明らかだろう。安倍首相にとって都合がよいからだ。

総理就任後に起きた一連の疑惑、加計学園問題(口利き疑惑)、森友学園問題(金銭疑惑と公文書改ざん疑惑)そして「桜を見る会」問題(後援会資金疑惑)、もう一つ付け加えるならば参議院選挙広島選挙区問題(政敵を落選させるための肩入れ疑惑)を有利に乗り切るためだろう。

中でも最大の疑惑は森友学園問題で、財務省では公文書改ざんしてまで金銭疑惑隠しに走り、ついに職員の自死を招いている。

安倍首相はこれらすべてで「自身は全く関与していない」と主張しているが、言い逃れも甚だしい。

いつからこんな厚顔無恥な人物になってしまったのだろう。

その手法はアメリカのトランプ大統領に見習ったのか。ロシア疑惑でも何でも「それはフェイクだ」と一蹴して「我存ぜぬ」を決め込むトランプのやり方に染まってしまったのか。

対アメリカとなると口を開けば「日米同盟のさらなる強化」の一点張りだが、たまには「日米同盟無しでもやって行ける日本にする」とかなんとか大見得を切って欲しいものだが、そこまでのまっとうな「厚顔」を期待するのが無理というものか。

自民党総裁(=総理)としての任期があと1年半を切り、一年延期になったとはいえ東京オリンピックまでは何としても総理でいたい本心からすれば、その前に森友問題で検察に呼び出されては元も子もない。そこで自身にとって都合の良い黒川検事長を検事総長へ格上げし、訴追をさせないという腹なのだ。

可哀相なのは森法務大臣だ。「バカ殿」の御執心に付き合わされて、答弁もしどろもどろだ。「もう無理!こんな内閣に付き合っていられない!」と辞表を出してさっさと身を引いた方がよい。


振り返って思えば、自民党政権時には2008年のリーマンショックがあり、そして今回の新型コロナショックがあり、どちらも国民への給付金や企業救済で多額の金を融通することになった。

その一方で1995年の阪神淡路大震災と2011年の東日本大震災の時は非自民党政権(村山首相と菅首相)であり、こちらは自衛隊派遣問題や福島第一原発の炉心融解問題で右往左往することになった。

新型コロナショックも災害の一つだが、より直接的な大災害である巨大地震の時に限って旧野党の革新政権だったのには何かしら天の配剤を感じるのは自分だけか。革新政党の傾きがちな「理論・理屈」を天が懲らしめたような気がしてならない。

自分は「アメリカべったり」を除外すれば、国保にしろ年金にしろ旧自民党政権はよくやって来たと考えるので、保守系なのだが、今のアベノマリオにはもううんざりしている。

それはそうと「アベノマスク」はいつ来るんだ?

(※市中にかなり出回るようになったり、手製の布マスクがあるのでもう必要ないが。今さら届いても「あとのマスク」だよ。)

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