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p56これが私の〝健康十二則〟――健康診断の物差し

2012-04-15 09:28:06 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

薬学博士渡辺武著『漢方が救う人体危機』

 

現代医療の誤りを正す

 

第1章 漢方薬はなぜ効くか

 

現代医学の盲点を救う

 

p56これが私の〝健康十二則〟――健康診断の物差し

 

札幌の医師会で「漢方薬の考え方」という講演をしたときのことです。

若いお医者さんが手をあげて「先生は今日のお話のなかで〝治る〟ということを三度いわれたが、われわれ医者はいったん壊れたものは〝治る〟ことはないと考えているんですが・・・・」と質問しました。

 その若いお医者さんたちの意見は、人間の体はガラスのコップと同じで、一度壊れたものはもとには戻らない。漢方では治りもしないのに治るといって患者を騙しているんじゃないか、というわけです。

 答えは常識的なこと、人間は無機物の〝物〟ではない、有機物であること、三ヵ月に一度細胞は変わっていること、傷痕が残っていないことは治るということではないか、胃潰瘍だってレントゲンや胃カメラで診て影が無ければ治ったことです、と順序立てて説明しました。

 そのときに私がいくぶん驚いたのは、彼らが人間を物質と同一と考え、医術を人間の部品修理とみていること、医薬よりも人間の自然治癒力に任せてなんとかごまかしていること、西洋医学が正しくて東洋医学はだめだと思い込んでいることでした。

 大学の医学の学問から、医は仁術といわれた仁――病人と医師・薬師との対話と対決――が抜けていることを思い知らされたわけです。

近代科学というのは人間の体験してきたことを非常に軽くみて、動物実験などを重くみるという非科学性があります。

 

 人間が経験したり体得した集積は、どんな他の実験よりもすぐれているのです。

漢方は神秘的現象ではありません。

何億人という人間が歴史をとおして割り出してきた、人間の自然に調和させる医術です。

 

 近代薬学では作用薬を決めるために、この薬は中枢神経に働く薬とか、各器官臓器に働く薬とか、大腸を調整する薬であるとか、病名や作用によって十二に分類しています。

解熱剤や鎮静剤や催眠剤は中枢神経の薬です。

コンピューターでわかるように、1、2、3、4という番号を付して、11と書いた薬は中枢神経の薬、12と書いた薬は末梢神経用薬であるとか、123は自律神経剤になるとか、三連番号で表わしています。

 近代医薬の適応薬の方式に、日本の薬学界がつくった11は中枢神経薬、12は末梢神経薬、21は循環器官用薬という分類十二項があると書きましたが、これをたんなる作用薬でなく、漢方的に気剤・血剤・水剤で解釈しなおしてみると、前ページの表のようになります。

これを私は漢方の〝健康十二則〟として健康診断の物差しとしています。

 

 まず、11の中枢神経薬というのは、簡単で常識的な言葉にすると、平常心である気は確かだということです。

12の末梢神経がやられている病気だと快眠できないことですし、13は飲みすぎ、食べすぎなども感覚器官は臓器に無関心であるかということなのです。

22は吐いている息は安息であるか、ため息とかあくびなど湿った息は出ないか、この四項の異常を調整するのが漢方の気剤といわれる薬です。

 血剤は、脈、大便、よく食べられて排便しているか。

頭寒足熱というのは、よく「頭を冷やしてこい」といわれますが、頭が冷静で下半身が安定している状態が健康であるということなのです。

 水剤で調整できるのは、まず、男性は精力があるか、女性は生理が異常ではないかで診ます。

排便、排尿が不調ではないか、呼吸している皮膚は乾燥していないか、皮膚からおしっこを出さなければならないほどの状態だと湿ってくるのです。

 胃腸は何もたまっていない状態か。

健康の証拠は、おへその上の長寿線(しわの線)が横に一本通っているか、ということにあります。

この〝健康十二則〟が正常であれば体全体が健康であるという証拠なのです。この十二の物差しは、人間の体を四方から診ればわかります。前、後、横から診てまっすぐかということが診断の基本です。

その診た結果は、病位の六つの表・裏・半表半裏のパターンで病状を知る手だてにもなるわけです。 

 漢方が救う人体危機西洋医学一辺倒からの脱出

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