トシ[老化]をとらない漢方薬 藤平健 渡辺武 より
- 六味丸は子どもの薬
六味丸の出典は『小児直訣』という小児科領域の薬方三十六種と症例四十八を集録した本の中にありますが、小児は陽が盛んで陽虚証を呈することが少ないので、桂枝を去り生活力が一般に旺盛で、陰虚証を現わすこともないので、附子を除いた六味丸が選用されたと考えられます。
江戸時代に八味丸とともに六味丸が庶民の間で流行したのも、その使用目的が老化によるインポよりも、専ら若夫婦の性生活に愛用された事実を考えますと、六味丸適応者が多かったこと、特殊な用例であることに気づきます。
八味丸と六味丸の相違点を質的・量的に判別する一方法として、次のように、レーダーグラフによる図形化を試みました。六味丸
構成漢薬を気剤・血剤・水剤・脾胃剤に分類して、それらの百分率を算出し、さらに構成生薬の薬味薬性から寒熱の数計化をはかり、その総和を百分率で示しますと、各方剤の組成が、気・血・水・脾胃の四要因と寒熱比の二要因の合わせて六要因が、すべて数計的に算出図示できます。
図に見られるように、気剤(気毒症)は上方に、血剤(血毒症)は左上、水剤(水毒症)は右上、脾胃剤(脾胃症)は気剤に対して下方、寒剤(血症・熱症)は血剤と略し正比例しますから右下方、温熱剤(寒冷症・水毒症)は水剤と略し正比例しますから、左下方に図示することにします。
方証一致という漢方の原則から、この方剤構成のパターンから逆探知して、適応する病像が発掘できます。
漢薬の特性である寒熱は、その所属する薬味によって差違があるべきですから、甘平を基準にして±で表記し、次表(下部)のとおりの寒熱比を設定して、算定することにしました。
八味丸
このレーダーグラフによれば、証と薬物の質、病像病症の質の情報を除いて、漢方薬の漢方選定法のすべてを包含していますから、方技の基礎知識を前提として解読しますと、同傾向相似パターンの図型にも、自ら薬方とそれに対する病症の相違が理解できます。
八味丸蜂蜜酒
六味丸酒服
上図(本の図は実線)は煉蜜で丸剤として酒服のときの構成パターンで、
六味丸
八味丸
上図(本の図は点線)はエキス剤(煎剤)蜂蜜酒服のないときのパターンです。
レーダーグラフは日中医薬研究会のK先生が作った物を私がアレンジしました。
図はパソコンを撮したものです。
漢薬の薬味薬性と寒熱比 本より
第2類医薬品
こんな症状でお困りの方に!
- 排尿困難●頻尿…などの症状の方に。
処方解説
- 「六味丸」は、漢方の古典といわれる中国の医書『小児薬証直訣[ショウニヤクショウジケツ]』に収載されている薬方です。
- 排尿困難、頻尿、むくみ、かゆみに効果があります。
成分
成人1日の服用量3包(1包1.5g)中
六味丸料エキス粉末・・・2,100mg
〔ジオウ2.5g、サンヤク・サンシュユ・ボタンピ・ブクリョウ・タクシャ各1.5gより抽出。〕
添加物として、ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖、ステアリン酸Mgを含有する。
効能
体力中等度以下で、疲れやすくて尿量減少又は多尿で、ときに手足のほてり、口渇があるものの次の諸症:排尿困難、残尿感、頻尿、むくみ、かゆみ、夜尿症、しびれ
用法・用量
1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用。
成人(15才以上)・・・1回1包
15才未満7才以上・・・ 1回2/3包
7才未満4才以上・・・・1回1/2包
4才未満・・・服用しないこと
※ この医薬品の使用上の注意をよく読んで正しくお使い下さい。
90包 6,600円 税込価格