孫とウシの乳搾りに挑戦
かれこれ10年以上も前のある夏休みに、
水族館のイベントのアルバイトをしていたことがありました。
(若い頃は、水族館の飼育係をしていたので。(^^))
それは、子供用のビニールプールを大きくした中に、
大人しいサメやエイが十数匹入っていて、
その中に足までつかり、サメを触る…というものでした。
私はサメの入っているプールの中で待ち、
やりたい子どもがいたら(もちろん大人でも良いのですが)その手を取って、
中へ誘導し、触る手助けをしてあげる…という役割でした。
多くの親は、子どもだけを体験させ、自分は外から見ていました。
子どもの中には、怖がる子もたくさんいました。
大丈夫だといったって、やはり相手はサメです。
小さい子どもにとってみれば、
噛むか噛まないかの区別などつくわけもありません。
子どもは恐くて嫌がっているのに、
「大丈夫、大丈夫」と親は言うばかりで、
無理矢理プールに入れようとします。
スタッフの一人としてそこにいるのですが、
何だかそんな光景を見ると子どもがかわいそうに思えてきました。
そんな中で、あるおばあさんが孫を数人連れてやってきました。
優しそうな感じの方でしたが、まずは自分からサメを触り、
孫たちに「大丈夫だよ。やってごらん」と声をかけました。
孫たちは恐る恐る手を伸ばしサメを触ります。
そのようすをにこにこ見ながら、
一緒に「ざらざらしているね」と話していました。
そのようすを見ていて、
「あ~私は絶対こんなおばあさんになろう」とその時心に決めました。
それから月日が経ち、おばあさんになった今、実践です。
大人がまずやって見せあげて、子どもを安心させて、
それからやらせてあげる…ということは、とても大切なことのように思います。
誰だって初めは恐いのですから…。
初めての体験は、その時の感情をも記憶に留めます。
安心できる体験を積むことで、
チャレンジする気持ちがおきてくるのではないでしょうか。