かっぱらぱ編集室 つれづれ

かっぱら編集長がつづる日常のあれこれ。

不登校の子どもたちへの対応

2015-02-05 19:45:58 | つれづれ

学校でスクールカウンセラーの仕事をしていると、
不登校の子どもたちへの関わりが多くあります。

長い間不登校になっていた子が、
先日やっと学校に行くことができました。

本人は学校に行きたいと思っていても、
体が不安に反応してしまい、
いざ行くとなると腹痛や頭痛が起きてきてしまい断念することが続いてました。

生徒のいない放課後を選んでみたり、
お母さんといっしょに行くことを選んでみたりしましたが、
なかなか踏ん切りがつかず、一歩が出ませんでした。

それでも学校に行きたいという気持ちが強かったので、
「それなら授業のある時間に思い切って私が家まで迎えに行って、
学校に連れてきてしまおう」と本人と話しをしました。

これは行動療法の中のフラッディング法(暴露法)といわれている方法で、
不安を感じる場面に長時間直面させることで、
恐れていることはおきないと学習させる方法です。
リスクも高いのですが、
本人の動機が高く、また環境にきちんと配慮できる場合に行うことができ、
うまくいけば治療効果が高いとされています。

そうは言ったものの、迎えに行く車の中では、
家で待っている本人同様、私の心臓もドキドキです。
玄関を出ることができるのか、
学校に行く途中で気持ちが悪くなって引き返すこともあるだろう、
ショック症状が出てくるかも知れない…など、
不安なことを考えるときりがありませんが、
とりあえずがんばってみようと子どもの家に向かいました。

本人は、腹痛や頭痛がありながらもその時を待っていてくれて、
すぐに車に乗り込んできてくれました。
緊張しないように音楽をかけ、軽い話しをしながら、
もし調子が悪くなったらすぐに声をかけるように話し、
学校へ向かいました。

相談室の一番近くの玄関から学校に入り、
相談室へ直行。
そこには誰も来ないように学校が配慮してくれていました。
先生たちも会いたくてもがまんしてくれていました。

その後、休み時間には、仲の良い友だちが訪ねてきてくれて、
嬉しそうに話しをしていました。
体と心を慣らすために、しばらくそこにいる必要があるので、
いっしょにトランプをして過ごしました。

時間になり、家まで送っていく途中、
すっかり緊張から開放されて、いい顔をしていました。
そして、次の登校計画をいっしょに立てて別れました。
よくがんばったな~と思います。

学校へ戻り先生たちに報告すると、
みんながとても喜んでくれました。
その日まで、その子をどのように学校に迎えるか
何度も何度も先生たちと話し合いをしていました。
先生たちは、そっとしておいてくれることでその子を支えてくれていたのです。

学校と家庭の体制が整い、本人が登校したいと強く思ったとき、
子どもは再登校を始めまることができるのだと思います。
焦らずその時を待ってあげること、そしてその時を見極めていくことが
大切なことだと思っています。

コメント
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