5~6月のこの時期は、中学生なら春の「修学旅行」の季節だね。
小学6年生は、秋に行くことが多いかな。
子どもたちにとって、修学旅行は特別な時間。
普段、学校に行けなくても、
できることなら修学旅行は参加したいと思っている子どもがたくさんいます。
スクールカウンセラーの立場から言うと、
修学旅行に参加したいと思うことや、思えるようになっただけでもすごいことだから、
「修学旅行だけ参加してもかまわない」と思うんだけど、
きっときみは、
「普段学校に行っていないのに、修学旅行だけ参加するのは、他の子や先生からずるいと思われるんじゃないか」とか、
「その前にあるいろいろな学習や班活動に参加しないと、みんなに迷惑をかけてしまう」と思って、
春なら始業式から、秋なら9月の夏休み明けから、がんばって登校を始めようとするんじゃないかな。
ところが、
以前も書いたように(不登校のきみへの⑤を見てね)、
心のエネルギーが30%のきみが、
朝から他の子どもたちと同じように登校して、放課後までいるのは相当大変なこと。
しばらく休んでいて、エネルギーが70%くらいに回復していたとしていても、
毎日登校を続ければ、確実にエネルギーは減っていく。
それを、「修学旅行にみんなと行きたい」という思いだけで引っ張っているんだから、
当然、修学旅行後、目標を達成した後は、エネルギーは10%? いや5%位以下になってしまっている。
だから、修学旅行から帰ってきたときには、
「明日もみんなと一緒に登校しよう」と思っていても、
家に着いたとたん、気力も体力も底をついてしまい、
動くことすらできなくなってしまうんだ。
でもね、エネルギーを使い切ってしまうということが分かっていれば、これは想定内のこと。
だから、カウンセリングで会えている子どもたちには、
「修学旅行後のことを考えて、エネルギーを温存しながら登校するように」とアドバイスをしているんだよ。
それは、どうやってやるかというと、
学校に行っても半日で帰ってきたり、週3日登校2日は休むなど、「登校調整」をするんだ。
周りがきみの気持ちを理解してくれて、支えてくれれば
環境へのコントロール感を取り戻すことができるから、
ストレスもぐっと減って、身体は疲れても気持ちが楽になっていくんだよ。
一番大事なのは、環境を自分がコントロールできているかどうかなんだ。
「怖い」「不安」「つらい」と思ったときに安心できる場所があったり、
安心できる人がそばにいてくれることが、心の回復には何より大切なんだよ。
修学旅行から帰ってきた後、もしエネルギーを使い切っているようだったら、
まずはゆっくり休んで、エネルギーを貯めよう。
不安があるかもしれないけど大丈夫、
元気が出てきたら、また動けるようになるからね。(^^)
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