川越芋太郎の世界(Bar”夢”)

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読書推薦:政治と歴史に興味がある方へ

2012-07-22 21:00:03 | 本を読む
政治の歴史の世界で推薦したい本がある。
読書推薦7月度(1)


以下の本は、私自身が皆様へ推薦する書である。
値段はまちまちであるが、誤った世界観や意識
を見事なまでに打ち砕いてくれる。
まずは、手に取り、お読みください。


1、
徳川幕府 懸治要略
徳川(江戸)幕府は、明治このかた本当の歴史
的評価を受けていない。
私がこう感じたのは、江戸の治水対策(上下水
道)や都市計画を除いてみて感じたことである。
なぜ、こんなに優れた政治が出来たのであるか。
私が幼い頃から受け付けられた江戸時代という
暗黒時代(武士が刀を振り回して、庶民を苛め
てきたというステレオタイプの評価)のイメー
ジとまったく受け入れがたい。
さらに、美の壺を初めとした美術芸術作品に思
い致すほど、江戸の芸術の偉大さを感じる。
明治開国後のパリ万博での評価は、想像以上に
いまだ縮小されている。
本当は、「驚き」よりも「圧倒的な驚異」とし
て西欧社会を揺さぶったのではないか。

だらか、あの印象派という訳のわからない言葉
で人くくりされる欧米の先端的人々の心を虜に
したのであろう。
単なる美術上の驚きでもない。
単なる細密描写でもない。
文化と政治とその国民の豊かさ・自由に、西欧
は打ちひしがれ、憧れた。
これが真実であろう。

そして、いま一冊の本が生まれた。
徳川時代のイメージをまた一つ、正確に私たち
に届けてくれる。
私たちが開国後、失った世界がここにある。
立ち返るべき理想国家があるような気がする。

もう薩長の捏造歴史には飽きました。
本当の徳川(江戸)を押してく欲しい。
そんな方にお高いが貴重な一冊です。

平成24年7月22日 川越芋太郎



すべての労働者へ贈る推薦書:それをお金で買いますか

2012-07-22 16:43:26 | 知恵庫先生の講座
それをお金で買いますか


川越芋太郎はすべてのサラリーマンや労働者の方々に本書を推薦する。
経済学の難しい本ではなく、私たち市井の人間が読み、理解するに十分な内容である。

最近の新聞記事にこんな事件がある。

「京大大学院辻本元教授、一企業との癒着発覚」

記事の内容は日常にありふれた内容である。
またかとうんざりするような記事である。

京大大学院教授(元とは発覚後退職したからか)
日本を代表する知的エリートです。
その彼がなした行為がなんとつまらぬ金権癒着です。
研究室を提供する見返りに、京大薬学部物品受注を一手に一企業へ引き受けさせていた。

無論、元教授側からの反論もあるだろう。
しかし、どう弁明しようとも本質は変わらない。
金権体質を必要悪として再認識するだけのことである。

重要なことは、「お金」が社会の至るところまで侵入し、もはや「お金」が万能の世界と成り果てようとしている。
世の中で「お金」で解決できないものはない。
そう豪語する輩が高らかに笑う声すらするだろう。

元京大教授は氷山の一角です。
かれには罪悪感が喪失していたのです。
理由は、「世の中そんなものだ。」とう声が聞こえてきそうです。

本当にそうでしょうか。
残念ながら、市場経済というモンスターでさえ、いまや商品経済という魔物にのっとられてしまった。
贈与経済も協業共同経済も姿をほとんど見かけなくなっている。
なげき悲しむ経済金融関係者はいないものか。

そんなことを考えていた矢先、先の一冊が紹介された。

本書紹介文から引用する。

現代の経済学はもはや経済現象だけを扱う学問ではなくなっている。
結婚や犯罪などの人間行動全般に及び、社会学や法学の領域まで入り込んでいる。
(お金がすべてと言い切れる状態まで悪化してしまった。:芋太郎)

人間行動の背後にあるメカニズムをより厳密に解明しようという試みへ発展しているという。
(なんてことはない、拝金教に毒された人々の心のうちを科学することではないか。:芋太郎)

サンデル教授は、次のように主張している。
「市場取引にふさわしくないものが経済的効率性の名の下、”金”でやり取りされている。人間行動の本来の価値が変質し、腐敗するとサンデル教授は考える。」
(同感)

こういうことを言うとすぐ反論する輩もいる。
腐敗は必ずしも市場を通して起こるものではない。
そうだろうか。
おそらく、「お金」に困っていない者がいうセリフである。
あるいは、市場以外のものの悪行を挙げてごまかそうとする。
家庭内暴力や施設内虐待などは、金銭的インセンティブとは関わりない。閉じた世界に生じたものだと。

本当だろうか。
実は、家庭内暴力の多くが元は金銭を原因としている。
金銭を稼ぐ力を崇拝し、させようとすることから発生する。
そこに気が付かない。
気が付きたくもないか。
先の汚職などは、その一例であろう。


市場には、3つの要素がある。
芋太郎として次のように考えている。
バランスよく3つが発展することが不可欠である。
贈与経済の復活と共同経済の拡張である。

無料で援助する活動が東日本大震災後息を吹き返した。
次は共同で物事を運ぶ経済の復活である。
道は遠いがはじめようではないか。


平成24年7月2日 誕生日前日 川越芋太郎


それをお金で買いますか――市場主義の限界
クリエーター情報なし
早川書房