久しぶりに休暇を楽しんでいます。
四連休の二日目、家人と美術館巡りを企画しました。
本日は、秋晴れ、多少寒いですが、お出かけ日よりです。
目的地は東京上野、国立博物館と東京芸術大学美術館です。
実は、家人は科学博物館のチョコレート展も見たかったようですが、時間的に無理にて、諦めました。
まず、東京博物館特別展「出雲展」へ出発。
上野公園はすでに紅葉は過ぎていましたが、秋晴れの青い空と黄色の銀杏と緑が映える日和でした。
出雲展はNHKで放映された内容を踏まえて、古代日本の源流を見ておきたいとの思いで出かけました。
三本束ねて一本の通し柱にした古代巨大建築の事物を拝見。
10分一のミニチュアが館内に建築されていました。
できれば復元して欲しいものですね。
これだけの柱になる巨大樹がいまでは存在しないのでしょうか、コンクリート柱では興ざめでしょうし。
多くの方々が金曜日の昼下がりでも訪れていました。
神殿裏の銅剣出土や約350本の銅剣の一部が展示されて、出雲の歴史を感じます。
出雲といえば、九州邪馬台国?と近畿邪馬台国の狭間に有り、鍵となる文明ですが、多くが謎に包まれています。
九州の邪馬台国衰退の原因は九州航路から出雲朝鮮・ぼっ海航路が開けたことで、貿易の流れが変わったとの指摘もあります。出雲文明は遠く秋田まで開けており、日本海側文明として栄えた可能性も指摘されます。
未だ謎が多い古代史ですが、大きなロマンを禁じえません。
また、神話の時代でもあり、神々の時代としての魅力もあります。
これからも多くの学説が出てくるでしょう。
楽しみです。
(九州邪馬台国説に基づき、記載してます。)
次に、東京芸術大学美術館を訪れました。
こちら、中島千波先生の退官記念展です。
我が家に飾られている「桜」ではなく、違う一面を感じました。「桜」がモチーフのイメージですが、どうやら本日は、古代の人々がイメージかなと。
先に見た出雲展の影響でしょうか。(笑)
さらに、併設展として、(こちらが目的ですが、)「尊厳の芸術展」に足を運びました。
NHKの放映で展覧されることを知りました。
大戦中の捕虜生活の中で、物資が欠乏する中での芸術活動を是非、現物として目に焼き付けたいと考えました。
高名な先生方の作品ではないのですが、市井捕虜が作り出した日本の心を感じたいと願い、家人と出かけた次第です。
多くの作が素敵でしたが、私家感動した俳句がありました。
こちらを紹介して末尾にします。
「血の誇りしかと抱いて待つ明日」
過酷な環境下で、
不自由な捕虜生活下で、
あすの身の上も不明な下で、
彼らが「心の内」に抱いた決意、
それが、武士道の精神と相まって、
上記の一分ができたと考えます。
「血の誇りしかと抱いて」とは、まさに日本人としての誇りを失うことなく、真っ直ぐに前を見つめて生きることを決意しているようです。
作品の中にも、彼らの誇りが見て取れます。
明日の我が身の対処も定かでな人々、
いつは樽でもない捕虜生活の中で、
かれらが、精神と調和を安定させた芸術。
芸術の素晴しさを痛感しながら帰路につきました。
日本人でよかった。
我がご同胞よ。
ご先祖様よ(どこかでつながりがあろう)。
ありがとう。
そして、私たちにもできるだろうか。
多くの鑑賞者を見ながら、
いや、まだまだ捨てたものでもない。
そう感じながら。
平成24年11月16日 川越芋太郎