最近よく耳にする言葉や概念にIoT(アイオーティ)がある。英語ではInternet of Thingsである。一種の情報通信技術の概念を指しているが、パソコンやサーバー、プリンターなどのIT関連機器が接続しているインターネットに、それ以外の様々な機器や装置をつなげる技術である。特に目新しいわけではないが、すそ野が広がったというか、人工知能やビッグデーター処理と結合した次世代の通信応用技術ともいえるものである。あらゆるものに組み込まれた情報端末を一元管理することによって、今までの分散化していた情報を管理でき、ビジネス等のインフラを根底から変えることが期待されている技術である。
身の回りのものにコンピュータが組み込まれ、ネットワークが構築される考え方自体はユビキタスとして、存じている方も多いと思われる。IoTはもっと広く、幅広い活用を含むもので、実現可能性も期待できるといわれている。服につけるウエアラブルデバイス、自動車のスマートカー、居住空間のスマートハウスなどの言葉が誕生している。人が介在せずに、直接機器同士の情報のやり取りで、従来行っていた管理が大幅に単純化できる要素などは、生まれるべくして登場したともいえよう。
今回、少し掘り下げて実態等を概観できればと思っている。詳細に触れる前に頭に浮かぶことを率直に述べることをお許しいただいた上での思い付きであるが、人間の能力を超えた情報のやり取りが目に見えない操作による怖さや危険性もはらんでいて、先ずはそのフレームワークというか、人間の尊厳の厳守や、今まで構築してきたルールとの違いを明確にすべきと思われる。独り歩きしないような制限がどこまで可能なのか、機械の暴走を止めることができるのか等慎重な考察も十分行ったうえでの展開が期待されているように思うのであるが・・・。政府も取り組む姿勢を明らかにしている。今後の民間の動きも注視したいところであり、一部紙面に載ったので、紹介したい。
デンソーはIoTの技術を本格導入する。2020年までに国内外にある約130の全工場をネットでつなぎ、生産を効率化する。OKIも主力のプリンター事業で内外4工場にIoTを取り入れた。この分野はドイツや米国の企業が先行しているとされている。日本の製造業でもIoTでの国内外の生産拠点をつなぎ、有効活用しようとする動きが広がってきた。以下省略(日経新聞1月18日朝刊13版)