ガトゥ・ハロゥ

八犬伝と特撮と山田風太郎をこよなく愛する花夜のブログ。

口の悪い戯作者の先生 ~【みをつくし料理帖】~

2012年10月18日 00時36分41秒 | 八犬伝いろいろ
物語の中に登場する料理のまとめ本を読むのが好きです。

または、料理描写が美味しそうな小説とか。
そして、その小説の文章を読みながら想像しながら、
作れそうなものを実際に作ってみたりとか。

今度、映画になる【大草原の小さな家】のローラ・インガルスの
シリーズに出てくるアメリカ開拓時代の料理とか、雪をフライパンに
敷きつめて熱いメープルシロップを垂らしてクリスマス用キャンディとか
(シロップは無かったのでベッコウアメで代用)、ブタ丸ごと解体して
余すところ無く料理するシーンとか(しっぽのあぶり焼きで真似したく
なった人も多いハズ)。

【アイスクリン強し】(畠中恵 著)はお菓子だけれど、最初のエピソードの
「チヨコレイト甘し」であり合わせでパーティ料理フルコースを作るシーン
が凄く美味しそうで。明治期にはまだシーチキンもマヨネーズも無くて
主人公ミナ(皆川真次郎)がいろいろと奮闘するのですが、「なるほど...!」
と今の時代にもちゃんと使えそうな手法なのが嬉しい。

で、今読んでいる真っ最中なのが江戸期を舞台とした時代劇小説
【みをつくし料理帖】(高田都 著)シリーズ。女性が男性と
同じような職人として生きるにはまだまだ難しい時代。
“料理人”として「つる家」で働く少女・澪を中心とした人情時代劇。
作者が女性ということもあって文章の雰囲気や登場人物、出てくる料理が
ほんわりと優しい。“とろとろ茶碗蒸し”、“酒粕汁”、“ふきご飯”.......
ちょっと作ってみようかな、と思わせる“美味しそう感”が半端ない(笑)

そしてまたもう一つ気になったのが、2冊目から登場する、口の悪い戯作家。
清右衛門さん。口が悪いというより毒舌家な感じで最初は、筒井康隆さんイメージで
読んでいたんですが、

(あ、これ馬琴先生?)

と感じさせるような描写があり、すっかりこのシリーズでは
筒井康隆=馬琴先生なイメージに。
まだ2冊なので続きを読むのが楽しみなのです。


いよいよ明後日が公開日。【伏】
別冊文藝春秋の【伏外伝】についてはまた明日。