サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

電動車椅子サッカー日本代表 今大会初勝利

2023年10月18日 | 電動車椅子サッカー

第4回電動車椅子サッカーW杯4日目、日本代表は第1試合で北アイルランドと対戦。
北アイルランドは現在9位のチーム、勝点3が絶対的に求められる試合。
日本のスターティングメンバーは、GK池田恵助、平西一斗、塩入新也、中山環。
山田貴大と宮川大輝はこの試合もベンチに入っておらず、PF1の塩入、中山はフル出場しなくてはならない。

日本は序盤からスペースを使いボールを大きく動かす。
2分の自陣キックインでは、塩入、池田、平西、中山とつなぎ、最後は塩入がシュート、ゴールにはならないが連動した攻撃を見せる。

3分の左サイドの平西のキックインはファーで待つ中山へつながるが、枠に蹴り込めない。
ここは次戦に向けての反省材料だろう。
しかし直後の4分、ゴール前でFK のチャンスを得ると、ディスカバリーの平西、池田コンビがポスト脇で待つ中山につないで 中山がゴール。 
中山環には、W杯、そして日本代表の公式戦での嬉しい初ゴールとなった。

日本はその後もスペースを使いボールを動かすサッカーを体現していく。16分には中山からスペースへ走りこむ塩入へのスルーパスからGKと1対1になる場面も見られた。
17分には、池田、平西に代えて三上勇輝,、内海恭平が出場。
前半を1-0で折り返す。

後半のスタートは試合開始時と同じメンバー。
35分には平西のFKを、中山がゴールに蹴り込んで2-0。
36分には、池田、平西に代えて三上、内海が出場。塩入はゴールエリアに下がり、PF1塩入の負担を軽くしようという意図もあったかもしれない。

40分には三上がインターセプトし中山へ、中山は逆サイドの内海へ、内海がきっちりと蹴り込んで3点目が入った。
全て1タッチでつながり連動した得点。
内海の今大会初ゴールでもあった。

日本は3-0で完勝、今大会の初勝利となった。
前日、池田が「流れを引き寄せるために、1-0というきわどい拮抗した試合ではなく、これが日本だという点数の取り方をしてそこからつなげていきたい」と語った通りに試合となった。

しかし総合力で劣る北アイルランドだからこそできたという側面もあるだろう。
この良い流れを次戦のアルゼンチン戦にもつなげていってほしい。

アルゼンチン戦も、絶対に勝ち点3が求められる試合だ。

現在、日本は1勝3分2敗 勝ち点6 得失点差 -6

(追記)
6試合終わった時点で、実質的に4位争いをしているチームの順位は以下。

4位 デンマーク   勝ち点10 得失点差 -1
5位 アルゼンチン  勝ち点7 得失点差 -4
6位 ウルグアイ   勝ち点6 得失点差 -1
7位 日本      勝ち点6 得失点差 -6
8位 オーストラリア 勝ち点6 得失点差 -9

混戦模様です。
しかしフランス、アメリカ、イングランドとの対戦を残しているチームも多く、
仮に各国が3強には負ける前提で考えると、日本はアルゼンチン、デンマークの直接対決を制すれば、
デンマーク、アルゼンチン、ウルグアイの上にいくことができます。
ただオーストラリアとは得失点差の争いになるかもしれません。


電動車椅子サッカー日本代表 アイルランド戦も引き分け

2023年10月16日 | 電動車椅子サッカー

電動車椅子サッカーW杯2日目、日本代表の第2試合はアイルランドと対戦。
前回大会では順位決定戦で1-1、PK戦で勝利している。
日本は、キャプテン内海恭平、三上勇輝、塩入新也、宮川大輝が先発。第1戦終了時と同じメンバーである。
宮川がエリア内に構え、GKユニフォームの内海が上がり(いわゆるセンタービブ、中盤の底センターの選手がGKを兼ねる日本ではポピュラーな形。他国ではあまり見られない)、日本は立ち上がりからアイルランド陣内に押し込み先制点を狙いにいく。

日本は意図的にCKやキックインを狙い、セットプレーからの得点を目論むがゴールが遠い。
アイルランドの7番Donogherも日本の前に立ちはだかる。
前半は日本が押し込み続けたが得点が奪えず、勝負は後半に持ち越される。

後半に入っても日本が押しこみ、24分には三上からのパスを内海がシュート、わずかにゴール右に外れる場面もあった。
31分にはイエローカードをもらった三上に代え、フィールドプレイヤーの青いユニフォームを身に纏った池田恵助が入る。
34分には内海の左CKをニアで塩入が合わせるがゴールならず。

日本は終始押し込みながらもスコアレス、0-0の引き分けに終わった。

日本にとってはかなり痛い引き分けとなったが、幸いオーストラリアもウルグアイに引き分けて勝ち点は現在4。
勝ち点2の日本がオーストラリアに勝利すれば、日本がその時点で上回ることができる。

オーストラリアは前回大会準々決勝で1-2と逆転負けを喫した相手でもある。開催国オーストラリアを撃破しなければ、ベスト4は見えてこない。

明日17日(火)11:00(日本時間)からは、今大会の予選リーグ最大の大一番のオーストラリア 戦。
https://www.youtube.com/@OfficialFIPFA

2日目各チーム3試合を終えての順位(中村の個人的な集計)
1位 フランス    勝ち点9 得失点差+15
2位 イングランド  勝ち点9 得失点差+7
3位 アメリカ    勝ち点6 得失点差+6
4位 デンマーク   勝ち点6 得失点差+1
5位 オーストラリア 勝ち点4 得失点差-4
6位 ウルグアイ   勝ち点3 得失点差+-0
7位 日本      勝ち点2 得失点差-7
8位 北アイルランド 勝ち点1 得失点差-4
9位 アイルランド  勝ち点1 得失点差-6
10位 アルゼンチン  勝ち点0 得失点差-8


電動車椅子サッカー日本代表、土壇場でウルグアイに引き分け

2023年10月16日 | 電動車椅子サッカー

第4回電動車椅子サッカーW杯2日目、日本代表は第1試合でウルグアイと対戦。
日本のスターティングメンバーは、GK池田恵助、平西一斗のPF2コンビがエリア内で守り、前線には塩入新也と宮川大輝。
序盤はなかなか押し込めない展開が続く。
8分には塩入に代わり中山環が出場、積極的にシュートを放つ。しかしゴールをこじ開けることはできない。
14分には宮川に代えて、再び塩入がコートに戻る。
前半は両チームスコアレスでハーフタイムをむかえた。

後半スタートのメンバーは、キャプテン内海恭平、三上勇輝、山田貴大、塩入と、経験豊富な選手たちで固められた。
じりじりとした展開が続くが、両チーム点が入らない。
12分には山田に代え宮川が投入される。

そして36分、内海の右CKをニアの塩入がすらして、ファーで待つ三上がゴールに蹴り込み待望の先制点!
今大会の初得点でもあった。
しかしその直後の37分、ウルグアイにFKから同点に追いつかれる。三上がクリアしたこぼれ球を7番Medinaに押しこまれた。

ここで日本はエリア内に宮川が下がり、GKユニフォームの内海が上がり点を奪いに行く。
しかし40分、ウルグアイの右サイドキックインからつないだシュートがポストに当たり、こぼれ球を9番Wildに押し込まれ、日本は逆転を許してしまう。

残された時間はアディショナルタイムのみ。
この試合で敗れると、その痛手は大き過ぎる。
そしてむかえた右CKのチャンス。
内海の強烈なキックがウルグアイのオウンゴールを誘い、日本は土壇場で同点に追いつき、なんとか引き分けに持ち込んだ。
おそらく内海はオウンゴールを狙ったものだと思われる。

引き分けと負けでは大違い、日本はベスト4進出に向け踏みとどまった。
次戦は本日14時キックオフのアイルランド戦。
是非とも今大会の初勝利が求められる。

またこの試合はハーフタイムが6分半ほどしかなかった。10分とれないほどスケジュールが詰まっているのだろうか。


電動車椅子サッカーW杯開幕 日本代表は初戦フランスに敗れるも想定内

2023年10月15日 | 電動車椅子サッカー

10月15日、第4回電動車椅子サッカーW杯がオーストラリア・シドニーで開幕。
日本代表初戦の相手は前回大会優勝のフランス。
フランスは前回大会決勝と同じメンバー、日本のスターティングメンバーは、キャプテン内海恭平、三上勇輝、塩入新也、山田貴大。

日本のキックオフで始まった試合、最初のシュートは山田。しかし、その後はフランスに押し込まれる展開が続く。フランスはGKがハーフウエイラインまで押し上げて8番(Weiss)が底に、10番(Ghelami 前回大会MVP)は相変わらずの細かなドリブル、12番(Beller)との自在なパス交換でゴールを狙う。
日本はエリア内の内海、三上がなんとかゴールを死守していたが、7分、フランス10番Ghelami のキープから逆サイドに折り返し、上がってきた8番Weissが前付きで押し込んで先制。日本は2on1の反則だったが審判はアドバンテージをみていた。
その後もフランスは16分、17分、18分にも加点。フランスをコートを大きく使うパスの展開、左右に揺さぶってのゴールを積み重ね、前半は4-0で折り返した。

後半に入ると、日本は大きなチャンスを迎える。前半19分に交代で入った宮川大輝の左サイドからのクロスに三上が飛び込む。ミートしていれば、決定的な場面だった。

その後、配信が中断(!)、しかし時間表示と得点経過は映し出されており、その間にフランスに5点目が入った。配信復活後、34、35分にも得点を許し、日本は0-7でフランスに敗れた。
尚、後半には中山環、平西一斗、池田恵助も出場し、全員が試合経験を積んだ。
フランスの強さは大会前から予想されたこと、やってくることもわかってはいるがやられてしまったという印象。
ただこの敗戦は想定内でもあるだろうし、ある意味、負けてもいい試合だった。

だが明日の2試合は、“絶対に負けてはならない試合”。
11時 ウルグアイ   https://www.youtube.com/@OfficialFIPFA
14時 アイルランド   https://www.youtube.com/@FIPFAPowerchairWorldCup2023
時間はいずれも日本時間。

ウルグアイは前回大会ではグループリーグで2-1で勝利しているが若手中心のチームで、その後の成長が予想される。
アイルランドは順位決定戦で1-1、PK戦で勝利している相手である。
両試合とも競った緊迫した試合が予想される。
絶対に勝ってほしい。

尚、フランス戦では、観客席から家族の方を中心とした応援の声が聞こえてきた。合宿での応援練習ではあまり声が出ていなかったが、本番ではよく声が出ていた。明日以降の応援も頑張ってください。
また日本をバックグラウンドに持つ子どもたちで構成されたチアリーダーズのメンバーたちも応援に駆け付けた。

大会初日、前回大会準優勝のアメリカは開催国オーストラリアに5-0で勝利、3位のイングランドはアルゼンチンに2-1で勝利している。