サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

電動車椅子サッカードキュメンタリー映画完成~ハリルホジッチ監督解任

2018年04月14日 | サッカー

 2か月半程、ブログの更新が滞っていました。
 この間、電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画編集が大詰めで、その他のことは何もできない時期が続いていました。日本代表ハリルホジッチ監督電撃解任の引き金となった3月末のヨーロッパでの2連戦も、目を開けて見ているのが精いっぱいという体たらく。内容がどうのこうのではなく、こちらの忙しさや余裕の問題です。
 そんなこんなで6年半撮影していた電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画はやっと完成しました。撮影でお世話になった方々、本当にありがとうございました。タイトルはいろいろ迷って、最後は究極のシンプルなタイトルで「蹴る」に決めました。
 上映に関しては、まだまだこれからということになります。映画「蹴る」に関しては順次、更新していきます。

 
 ということでハリルホジッチ監督解任です。
 ハリルホジッチ監督の存在を知ったのはブラジルワールドカップの時でした。4年前のブラジルW杯で最も印象に残った試合、胸が熱くなった試合は、間違いなくアルジェリアvsドイツの試合でした。そう、ハリルホジッチ監督がアルジェリアを指揮しドイツを追い詰めた試合。
 グループリーグ惨敗に終わった日本代表と比べて、とてもとても羨ましく思ったことを、鮮烈に覚えています。そのハリルホジッチ監督が日本代表に就任した時は、期待感に充ち溢れました。

  ザッケローニ監督率いる日本代表にも相当な期待感を抱いていましたが、結果としては惨敗。コンディショニングに失敗したとしか思えなかったことと意思統一が出来ているようには見えなかったことは、ショックでした。

 その後思ったのは、いくらアジア予選やテストマッチで良い試合をしても、W杯本番で結果が出なかったら、あるいは内容がともなわなかったら、水泡に帰してしまうこと。とにかくW杯本大会で納得のいくサッカーを見せてさえくれれば、W杯にいたるまでは面白いサッカーを見せてくれる必要はない。アジア予選は結果とW杯につながるものが見えさえすれば良い。テストマッチは勝とうが負けようがどうでも良い、思いっきりテストしてW杯につながっていけば良いと思っていました。少なくともロシアワールドカップまでは。

 ザックジャパンの時はアジア相手に大量得点差勝利をあげたり、ヨーロッパの強豪相手に良い試合したりという流れでしたがW杯で惨敗。逆のほうがいいや、ということです。

 で実際ハリルジャパンは、そんな感じて進んできていました。アジア予選では、Away&Homeのオーストラリア戦、 AwayのUAE戦など、監督の戦術がはまった試合もありました。テストマッチは痛快なまでのテストの連続。韓国戦はテスト以外のことをやって勝とうという気が感じられませんでした。私は別にいいやと思いましたが、許せなかった人たちも多かったでしょう。

  もちろんテストがうまくいってないという側面もあったでしょうが、とにもかくにもテストを繰り返し、やっと本番が見られると思ったところでの解任劇、ショックでした。

  W杯では各試合ごとに戦術を綿密にたて、ターンオーバー制も駆使した戦いを観たかった。いわば選手をコマのように当てはめるやり方でしょうから、面白くないと思う人にとっては面白くないでしょうが、日本サッカーの将来を考えるうえで重要な戦いになるのではないかと思っていました。針を振り切った方が次の段階に行けるのではないかということです。その前にチームが〝壊れる〟と判断されたのでしょうか。

  ブラジルワールドカップが終わった後、一つのやり方に固執する「サムライブルー」より、かろやかに姿を変える「商人(あきんど)ブルー」や「町人ブルー」を観たいというようなことをブログに書き込みました。そういった意味でカメレオンのような戦いが観られるのではないかと期待していました。走り負けしないカメレオンです。

 もちろん戦術が全くはまらず、試合中の修正も効かず敗れてしまうこともあったかもしれませんが、何をしようとしてダメだったのかは可視化されたかと思います。
 そういった意味でとても残念でした。

  解任の理由は正直よくわかりません。もちろん監督が代わっても応援しますが、今は気持ちの切り替えがなかなかうまくいきません。

 「日本サッカー」という言葉が飛び交っていますが、「そのサッカー」をやりきってくれれば負けても納得がいく「サッカー」。そういったサッカーが「日本のサッカー」になっていくのかと思いますが、まだワールドカップで観たことはありません。
 歴史の積み重ねだけが「日本のサッカー」を形作っていくことだけは、間違いないですね。