サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

電動車椅子サッカー日本代表、W杯出場権獲得

2019年10月25日 | 電動車椅子サッカー

電動車椅子サッカー日本代表にとって「絶対に負けらない戦い」となったAPOカップ最終日のニュージーランド戦、引き分け以上でW杯出場が決まる試合。優勝するためには勝つ必要がある。

先発は、初日のニュージーランド戦と同じ内海恭平、三上優輝、井上純、永岡真理。GKの位置に永岡が入り、GKユニフォームは内海が着用。
序盤から内海が果敢にドリブルで持ち上がる。キャプテン内海の気合が伝わってくる。しかし9分にはイエローカードをもらう場面もあった。
12
分、左サイドのキックインの流れから三上が前方の内海へパス、内海が角度のないところからシュート! 惜しくもゴールにはならない。
優勢に試合を進める日本。15分には内海が左サイドのキックインから直接ゴールニアを狙ったシュートを放つ。

終了間際にはヒヤリとする場面もあったが、日本は攻勢のまま前半を折り返す。

 

後半、日本は布陣を変更。永岡真理が上がり、内海がGKの位置に下がる。

終始相手陣内に攻め込んだ形で時間が流れていく。立て続けにセットプレーのチャンスも得る。

16分、永岡真理の左サイドのキックインがファーの井上に通るが、惜しくも相手ディフェンダーの好守に阻まれる。

その後、ニュージーランドに退場者が出て、日本は4人対3人に数的有利な状況となった。W杯出場権獲得のためには引き分けでも良いが、優勝のためには勝たなくてはならない。なんとしてでも1点がほしい。

その直後のフリーキック、三上からの強いパスに永岡は惜しくも触ることが出来ない。

試合終了間際、内海がこの試合2枚目のイエローカードをもらい退場。日本も3人となってしまう。

試合はそのままスコアレスドローで終了。日本代表はW杯出場を決めた。

 

この大会はまず何よりもW杯の出場権を得ることがミッションだった。限られたメンバーのなかで、成しえたことを称えたい。近藤監督の采配も終始、理にかなったものだった。選手も与えられた役割を果たしていた。

選手、スタッフ、ご家族の皆様、お疲れ様でした。

ただ、全国から日本代表選手を選出しておけば、これほどはらはらすることはなかった。大会後の新生ジャパンにも期待したい。
昨年の全国大会優勝、準優勝チームから選出したことで、112日~3日開催の全国大会にはつなげやすくはなった。ラグビー日本代表がアイルランドを撃破したエコパスタジアム横の体育館で全国大会が開催される。オーストラリアで活躍した選手、これから日本代表に選ばれるべき選手たちも静岡に集結。是非、そのプレーの数々を生で見てほしい。

APOカップの優勝は逃したが、まだオーストラリア戦が残っている。W杯出場権獲得という重圧から解き放された日本代表。最終戦で思う存分、躍動してくれ。

退場になったキャプテン内海は出場できないのだろうか。

ともかくW杯カップ出場権獲得おめでとう。W杯には必ず行きます!

オーストラリアに遠征した選手団は全額自己負担、その負担をわずかでも軽減しようと、電動車椅子サッカー協会では、渡航費支援のクラウドファンディングを行っている。https://readyfor.jp/projects/jpfa
是非、ご支援を。


電動車椅子サッカー日本代表、W杯出場権獲得へ王手

2019年10月24日 | 電動車椅子サッカー

電動車椅子サッカーAPOカップ。日本代表第4戦は、U21オーストラリア代表との再戦。
この試合は大会のレギュレーションとしては、エキシビションマッチ扱いということで順位には関係ないそうだ。

日本の先発は、内海恭平、井上純、浅原康佑のレッドイーグルス兵庫の選手達、GKには横浜クラッカーズの清水猛留が入る。

試合が動いたのは8分過ぎ、左サイドのキックイン。内海からファーで待つ井上に、狭いところを通す絶妙なパスが通る。井上が難なく決めて日本が先制。浅原も相手ディフェンダーをうまく牽制する動きを見せた。

12分には浅原に代わって三上が入る。三上はGKの位置へ、清水が上がる。

追加点は18分。相手ゴールキックに井上が前線から詰めて、こぼれたところを内海がハーフウェイライン付近から、狙いすましたロングシュート。2-0と差を広げる。

 
後半は、永岡真理、三上優輝、石井俊也、清水猛留の横浜クラッカーズのメンバー。
32分には石井に代わって浅原が入った。

34分には永岡のキックインがファーに通るといった場面もあったが追加点は奪えない。
GK清水は堅実な守備を見せ相手に得点を与えず、2-0で日本代表が勝利した。

 
日本代表の2日目終了時点での戦績は3勝1敗。U21オーストラリア代表との試合はエキシビション扱いということなので、公式記録としては1勝1敗で勝ち点3、得失点差+−0ということになる。2日目が終わった時点での他国の戦績は以下。

オーストラリア     3勝0敗 勝ち点9 得失点差+4
ニュージーランドは 0勝3敗 勝ち点0   得失点差は-4

 この結果、日本は明日のニュージーランド戦に勝つか引き分けると、W杯出場権を得ることができる。
日本とニュージーランドは、3ヶ国の2回総当たりの結果、上位にいるチームがW杯出場権獲得できるということだと思うのだが、仮に負けてしまうと、最終戦のオーストラリア戦に持ち越されることになる。
(もし大会結果よりも当該チーム同士の 対戦成績が最優先されるのならその限りに非ず)

明日の日程は以下。
25日(金)
9:30 – 10:30  日本 vs ニュージーランド
12:30 – 13:30  オーストラリア vs 日本

(時間はいずれも日本時間)
Facebookを通じてのライブ配信がある。
https://www.facebook.com/apopfa


電動車椅子サッカー日本代表、地元豪州に敗れる

2019年10月24日 | 映画「蹴る」

オーストラリア・シドニーで開催中の電動車椅子サッカーAPOカップ。日本代表第3戦の対戦相手は、2017年アメリカW杯でも相まみえたオーストラリア。

 日本の先発は、1戦目2戦目と同じ、三上優輝、永岡真理、内海恭平、井上純の4名。キャプテンの内海がGKの位置に入る。オーストラリアはW杯対戦時にも出場していた、アフロヘア―のデミトリー、足で車椅子を操作するカリム、ジョシーが先発。日本でその試合に出場していたのは三上選手のみ。

 試合は序盤から一進一退の展開。日本は高い位置でのセットプレーのチャンスはあるものの得点にまでは結び付けられない。一方、オーストラリアの高い位置のセットプレーに対しては、内海と三上がゴールエリア内で安定した守備を見せる。

 そして10分、オーストラリアの左サイドからのキックイン。三上がゴールエリア内で反則をとられPKを与えてしまう。ジョシーが決めて、オーストラリアが先制。

三上はイエローカードをもらってしまい累積2枚目。1試合出場停止になるのだろうか??(このあたりはどうなっているかわからないので、わかったら追記します。)

前半はそのままのスコアで折り返した後半3分(23分)、オーストラリアが右サイド、デミトリーのキックインからファーのカリミへパス、カリミが蹴り込み追加をあげる。

 まずは1点を取りたい日本はなかなか得点の糸口がつかめない。こういった手詰まり感がある時は選手交代で流れを変えたいところだが、選手層の薄さもあり、戦術的な交代が出来ない。この大会は前年全国大会の優勝、準優勝チームから選抜された日本代表なので、どうしてもそういった面も出てくる。

 36分のFKをきっかけに、GKの位置に入っていた内海が前線へ上がり、永岡が下がる。

 しかし試合はそのまま終了。日本は0-2で敗れた。

 代表選手たちは、切り替えてその後の試合にのぞんでほしい。
この試合で出場機会のなかった選手たちは、次戦のU21オーストラリア代表戦で、昨日以上に躍動する姿を見せてほしい。


参加4チームのうち、U21オーストラリアとの対戦はエキシビション扱いということのようなので、残り3チーム同士の2試合を終えた時点の戦績は以下。

オーストラリア 2勝0敗 勝ち点6 得失点差 +3
日本 1勝1敗 勝ち点3 得失点差 +-0
ニュージーランド 0勝2敗 勝ち点0 得失点差 -3

 W杯予選を兼ねたこの大会、日本はとにかくニュージーランドより上にいることが重要だ。

 
日本の残り試合
24日(木)
13:30 – 14:30  オーストラリア U-21 vs 日本(エキシビション扱い)
25日(金)
9:30 – 10:30  日本 vs ニュージーランド
12:30 – 13:30  オーストラリア vs 日本
(時間はいずれも日本時間)

Facebookを通じてのライブ配信がある。 https://www.facebook.com/apopfa

 

追記 その後に試合でニュージーランドがオーストラリアに敗れ、0勝3敗。 日本は明日25日ののニュージーランド戦に引き分け以上でW杯の出場権を得る、はず。 レギュレーションがいまいちわからないのですが、3チームの順位としても、当該チーム同士の戦績優先にしても、引き分け以上で日本がニュージーランドを上回るため。

電動車椅子サッカー日本代表 ニュージーランドの直接対決第1戦を制する

2019年10月23日 | 電動車椅子サッカー

オーストラリア・シドニーで開催中の電動車椅子サッカーAPOカップ。日本代表第2戦の対戦相手は、W杯(2021年シドニーで開催)の出場権を争うニュージーランド代表。

 日本の先発は、初戦のU21オーストラリア戦と同じメンバー、三上優輝、永岡真理、内海恭平、井上純の4名。ただし選手の配置は異なり、三上、内海が中盤を構成し、井上の1トップ、永岡はGKGKユニフォームは内海が着用。セットプレー時等のゴールエリア内の守備は、その内海と三上。

 ニュージーランドは前線7番の女性選手サンドラと5番の選手のあたりが強く、10番が攻守の要として深い位置にポジションを取る。オーストラリア戦でも当たりの強いアフロヘア―のデミトリー、足で操作するカリムにも当たり負けせず押し込んでいる局面も多かった。そのあたりの対策もあり、PF2(比較的障害が軽い)の三上、内海を前目で起用。永岡が下がったのかと思われる。

 その狙いが功を奏し、日本が押し込む展開となった。
日本が攻め込まれた際には永岡が縦への推進力を見せ、ドリブルで押し上げる。

 この試合は実況がなく、監督や日本の応援団(選手の両親やドクター等のベンチに入れなかった関係者)の声も良く聞こえた。今回のコールリーダーである清水選手のお父様も、気持ちのこもった激を飛ばす。

 そしてむかえた10分、日本は敵陣深い位置、ゴールライン近くでFKを得る。キッカーは内海。内海のキックを、エリア内で相手ディフェンダーの間に割って入っていた三上が合わせて待望の先制点をあげた。

19分には内海が左サイドのキックインから、うまくコーナーキックをゲット。内海のコーナーキックが相手に当たり、こぼれたところを三上がニアに押し込み、追加点をあげる。

 
前半は2-0で折り返し、後半、両チームともに選手交代はなく、日本は前半の戦い方を踏襲。

そして28分、内海が右サイドを強引に持ち上がり、GKとディフェンダーの間を割って入りファーの井上へパス。井上が確実に流し込んでニュージーランドを突き放した。

 その後、ニュージーランドに退場が出て相手は3人に。しかしその3人に1点を返されたが、終わってみれば3-1の勝利。
日本代表は貴重な勝ち点3を手にして、初日を勝ち点6で終えた。
W杯予選ということで言えば、絶対に負けられない相手だったニュージーランドに勝てたのはとても大きい。

大会は明日、明後日と続く。
明日のオーストラリア戦は、負けないことが重要。U21の試合は主力を休ませながら、勝ち点3をとることも必要だ。
三上選手はイエローカードを1枚もらったが、明後日の試合で出場停止にならないように気を付けなければならない。
もっとも重要な試合は明後日25日のニュージーランド戦だが、大会3日間を通しての戦い方もとても大切だ。

この大会は個々の活躍より、W杯カップの出場権を得ることが最優先。そのために選手、スタッフ一丸となって明日、明後日の試合に臨んでほしい。
そうすればその先にあるAPOカップの優勝も見えてくるだろう。 

明日以降の試合日程
24
日(木)
9:30 – 10:30  
オーストラリア vs 日本
13:30 – 14:30  
オーストラリア U-21 vs 日本
25
日(金)
9:30 – 10:30  
日本 vs ニュージーランド
12:30 – 13:30  
オーストラリア vs 日本
(時間はいずれも日本時間) 

Facebookを通じてのライブ配信があります。
https://www.facebook.com/apopfa


尚、この大会の渡航費支援のためのクラウドファンディングが進行中です。
皆様ご支援を!

https://readyfor.jp/projects/jpfa

(追記)U21との試合はエキシビション扱いのようです。
APOカップの成績が直接W杯予選に反映するのか、W杯予選としては日本とニュージーランドの直接対決だけが関係するのかよくわかわからないのですが、明後日25日のニュージーランド戦に勝てば、日本、ニュージーランド、オーストラリアの3チームのリーグ戦としても、日本がニュージーランドを上回ることになります。
その場合、日本は勝ち点6以上、ニュージーランドは最大で勝ち点3となり、日本がW杯出場権を手にします。

簡単に言えば、次戦ニュージーランド戦に勝てばOK。

明日ニュージーランドがオーストラリアに負けるか引き分ける、あるいはニュージーランドの成績に関係なく日本がオーストラリアに勝つか引き分けると、明後日の日本とニュージーランド戦は引き分けでも日本がW杯出場権を手にすることになります。

電動車椅子サッカーAPOカップ 日本代表初戦勝利でスタート

2019年10月23日 | 電動車椅子サッカー

電動車椅子サッカーAPOカップがオーストラリアシドニーで開幕、日本代表は初戦でU21オーストラリア代表に7-1と快勝、幸先良いスタートを切った。

日本の先発は、三上優輝、永岡真理、内海恭平、井上純、現状のベストメンバーだろう。
GKに内海が下がり、センターに三上、左に永岡、右の上がり目に井上。

試合は自力に勝る日本が序盤から押し込む展開に。高い位置でのセットプレーがほしいと思われた前半6分、日本は中央でフリーキックのチャンスを得る。三上のフリーキックを井上が折り返し、永岡真理が先制ゴール。永岡はエリア内で上手くポジション取りをしていた。

9分には連係ミスからヒヤリとする部分もあったが、10分、三上のフリーキックを今度は永岡が折り返し井上が前突きでゴール。井上にとっては国際大会での初得点。

14分くらいからは、今後の試合も見据えて永岡がGKに下がり内海が上がる。
17分、左サイドからのキックインから三上がシュート、こぼれ球に詰めていた井上が押し込み日本は3-1と前半を折り返した。


後半は、内海、井上に代わり、石井俊也と清水猛留が投入される。
左に永岡、センターに三上、右に石井、GKに清水というオール横浜クラッカーズのメンバーへ。

今大会は昨年日本選手権10km部門で優勝したレッドイーグルス兵庫と準優勝の横浜クラッカーズの2チームから選抜されるという変則的な日本代表となっている。
10月27日に帰国、翌週の11月2日3日には全国大会が控えていることを考えると単独チームでのチャレンジも重要になってくる。

22分には三上のキックインをファーに詰めていた石井が押し込み、嬉しい初ゴール。4-0と得点差を広げる。
しかし23分にはキックインから一瞬の隙をつかれ失点。GKの清水にとっては貴重な経験。

29分、三上の右コーナーキックを永岡がニアでそらせて5-1と突き放す。永岡はこの試合、2得点目。
その直後、永岡はロングシュートと見せかけて右サイドに走り込む三上へスルーパス。合わなかったが可能性を感じさせるプレー。
32分、右サイド三上のキックインを石井がファーに流し込み6-1。
その後、永岡、三上、石井が退き、内海、井上、浅原が入る。GK清水以外はレッドイーグルス兵庫。

内海のフリーキックを井上が折り返した浅原のシュートは惜しくもゴールならず。
終了間際には内海の右サイドキックインを井上が決め、ハットトリック達成。

 試合はそのまま7-1で終了。結果としては申し分のないスタートをきった。

次戦は本日23日13時30分よりニュージーランドとの対戦。この大会はW杯(2021年オーストラリアで開催)予選を兼ねており、出場権の一枠を争うニュージーランドとの試合はとても重要な一戦となる。

Facebookを通じてのライブ配信もある。
https://www.facebook.com/apopfa
 

今後の日本代表の試合日程は以下。時間はいずれも日本時間。
24日(水)
13:30 – 14.30  ニュージーランド vs 日本
24日(木)
9:30 – 10:30  オーストラリア vs 日本
13:30 – 14:30  オーストラリア U-21 vs 日本
25
日(金)
9:30 – 10:30  日本 vs ニュージーランド
12:30 – 13:30  オーストラリア vs 日本