サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

デフサッカー男子日本代表 VS 品川CCのエキジビションマッチ 

2024年10月12日 | ろう者サッカー
 
 
本日10月12日、デフサッカー男子日本代表 VS 品川CCのエキシビジョンマッチ生観戦へと行って来た。
試合の模様をざっと備忘録として書き記しておきます。
(時間等はアバウトです)
 
デフサッカー男子日本代表のスタメンは、GK則末遼斗、DFは右から奥元伶哉、中尾悠人、仲井健人、名村昌矩。ボランチに堀井聡太、星河真一郎。2列目右に林滉大、中央に古島啓太、左に西大輔、1トップに岡田拓也の、4・2・3・1(だと思う)。
植松監督の元で戦った昨年のW杯も4・2・3・1だったし、今年5月に就任した元Jリーガー吉田匡良監督に代わっても踏襲し、新たな選手を試しているという感じだろうか。
一方、元サッカー日本代表槙野智章さんが監督を務める品川CCは、4・3・3(だと思う)。
 
デフ日本代表はラインを高く保ちコンパクトに戦うことを意識しているようで ラインコントロールはCBの仲井。
品川CCは、GKがビルドアップに加わり、かなり上がり目にポジションをとる。
そこを意識したのか、11分(くらい)名村が左サイドからロングシュートを放つと、GKの頭上を越え、デフ日本代表が先制点をあげた。
 
その後は林が起点となり、デフ日本代表はチャンスを作り出す。
右サイドからの林の左足でのミドルシュートはゴール左に外れる。
31分にはその林が右サイドからペナルティエリアにドリブルで侵入すると、倒されて、PKのチャンスを得る。
しかし岡田拓也のシュートは品川のGKの好守に阻まれ、追加点はならず。
2分後、右サイド林から左サイド西へパスが渡ると、西がカットインして右足シュート。惜しくもゴール左に外れるが、いい形を作り出す。
前半終了間際には危ない局面もあったがGK則末の好守で、1点リードのまま前半を終えた。
 
デフ日本代表のDFラインの裏には広大なスペースがあったが、品川CCがつなぎを意識したチームなのか、ロングボールを使う局面はあまり見られなかった。
デフリンピック本番では、そこをついてくるチームも多いと思うし、そのあたりの対応は今後の課題になってくるのかもしれない。
 
後半6分、品川CCは右からのクロスを坂東篤が蹴り込み、デフ日本代表は同点に追いつかれる。
しかし16分、デフ日本代表はCKからのカウンターでチャンスを作り出す。
右サイド、林がドリブルで持ち上がり星河へ。
星河はアーリークロスをゴール前へ、相手GKが飛び出せないスペースへの絶妙なクロス。
抜け出た西大輔が押しこんでゴールネットを揺らし、勝ち越し点かと思われたがオフサイドの判定。
わずかに出ていたか?
とても切れ味の鋭いカウンター、いいクロスだった。
 
その後は疲れも出てきたか、ややオープンな展開にもなった。
品川はサイドチェンジやロングボールも使ってゆさぶり、デフ日本代表はシュートを打たれる場面も増えてくるが、
GK則末の好守などもあって追加点は許さない。
試合はそのまま1-1で終了、引き分けた。
 
後半、以下の交代があった。
後半21分 星河→瀧澤諒斗 ボランチの交代
25分 中尾→杉本大地  CBの交代
34分 西→原田優哉 2列目左の交代
42分 古島→渡辺亮平 (渡辺がCBに入り、杉本はボランチに、瀧澤がトップ下に上がる)
 
尚、試合前には森澤恭子品川区長などの挨拶もあり、品川区は「デフリンピック認知度120%を目指す」そうです。
思えば、私が最初にデフリンピックを知った18年前は認知度3%にも満たないと言われていた。
どんどん認知度も上がっていってほしいものです。
 
試合終了後はデフサッカー日本代表選手と地元サッカー少年たちとの交流会が開かれた。
子どもたちが質問、選手たちが手話や口話で答えていた。
チームの目標は、「来年のデフリンピックで世界一を取ること」と松元卓巳キャプテン。
「サッカーで一番大切なことは?」の問いには、岡田拓也が「気持ちです」と熱い返答。
子どもたちもいろんな質問をしていたが、聞こえに関する質問はなかった。
 
サッカー日本代表そっくりさんの「ものまねジャパン」もデフサッカー日本代表の応援に駆け付けていた。
 
*GK則末遼斗選手の名前と、オフサイドにはなったもののゴールネットを揺らした選手名を間違えていました。
ご指摘があり訂正しました。
大変失礼しました。

デフフットサル女子日本代表 W杯世界一!!!

2023年11月19日 | ろう者サッカー

デフフットサルW杯の女子決勝は、日本とブラジルの対戦。
前回大会で日本は準々決勝でブラジルに敗れ、5位に甘んじた。そのブラジルに勝ち、世界一になるために築き上げてきた4年間の集大成。

日本の先発はピヴォに中井香那、アラは岩渕亜依、阿部菜摘、フィクソに酒井藍莉。ゴレイロには國島佳純が入った。

ブラジルは予選リーグでの対戦とはさすがに異なり守備への集中力が高く、両チームの寄せも速く息詰まる試合状況が続く。
ブラジルのシュートにゴレイロ國島飛びだしゴールを防ぐが、どこか痛めたのか代わりに芹澤育代が入る。
どちらが出ても松原君守ゴレイロコーチは自信を持って送り出しているだろう。

ブラジルゴレイロVanezaは自陣ゴール前からでもロングボールでピヴォに当ててきたり、あるいはシュートも放つ。
しかし芹澤も体を張ってゴールを守り抜く。

前半残り時間の少ないなか、中央で岩渕からのパスを受けた阿部が左足を振り抜き日本が先制!
阿部は今大会初ゴール!
前半はそのまま終了、1-0で折り返した。
観客席からはニッポンコールの声も聞こえてきた。試合を終えた男子選手やスタッフが声を出しているようだ。

後半5分くらいだろうか、ブラジルは左CKからファーに浮き球のパスを送ると8番Cassiaのボレーシュートが決まり、同点に追いつかれる。

2分後、今度はブラジル右サイドから11番Stefanyのシュートでニアをぶち抜かれ、逆転を許してしまう。
しかしまだ時間は充分にある。
その後は球際の激しい攻防が続く。

日本は自陣から中井、酒井、岩渕と1タッチでパスをつなぎ、素早く駆け上がって4対2の状況を作り出し、最後は左サイドから酒井が決め2-2の同点に追いつく。
完璧な崩しだった。
酒井にとっては今大会、嬉しい初ゴール。初戦は体調不良で欠場したが、決勝では絶好調だ。

しかしブラジルは右サイドでボールを奪うと中央へ折り返し、7番Suzanaがゴールを決め再びブラジルがリードする。
残り時間の少なくなるなか、日本はパワープレーに出るかと思ったが通常の布陣で攻め続ける。
時計表示もなく、会場内の時計も写り込まないので、地球の裏側からはやきもきしながら祈るしかない。

そして左サイドで酒井がピヴォの中井にあてポストプレーから抜け出し、この試合2点目のゴールで日本が3-3の同点に追いつく。

試合はそのまま延長戦へ。
ブラジルがボール奪取、ループ気味のシュートは芹澤が止める。
その後ブラジルに第2PKが与えられたところで芹澤に代わって國島が入り、ゴレイロVanezaのキックに圧をかけシュートは枠を外れる。

延長後半ブラジルが再び第2PKを得ると、今度はVanezaが決めブラジルが勝ち越す。
残り時間はさほどないはずだ。
しかしあきらめている選手は一人もいない。
中井がボールを奪いロングシュートが決まり値千金のゴールで魂をふるわす。
まさに死闘。
土壇場で追いついて世界一になったなでしこジャパンを思い出し、勝利を勝手に確信する。

そして試合はPK戦へ。
先行はブラジル、8番Cassiaが決める。日本も阿部が決める。
そしてブラジルの2人目ゴレイロVanezaを國島が止めた! 
中島梨栄もきっりち決め、3人目の11番Stefanyも國島が止めた!
ブラジルはゴレイロが1番Fernanndaに交代、酒井は止められるが、7番Suzanaも外し、最後はキャプテン岩渕が決めて日本が世界一に輝いた!

嬉しさは半端ないが、驚きは何もない。世界一を獲るための4年間だったのだから。
もっと言えば山本典城監督就任以来、10年余りの歳月をかけて勝ち取った世界一だ。

デフフットサル女子日本代表選手、スタッフのみなさん。おめでとうございます。お疲れ様です。
誇らしいです。
ブラジルで世界一の瞬間に立ち会えなかったのだけは、とてもとても残念です。

追記
山本監督は最優秀監督賞を受賞。


W杯史上最高の3位 デフフットサル男子日本代表 最終戦を勝利で飾る

2023年11月19日 | ろう者サッカー

ブラジルで開催中のデフフットサルW杯、男子日本代表は3位決定戦でタイと対戦した。
先発はゴレイロは折橋正紀、フィールドプレイヤーはファーストセットのピヴォ野寺風吹、アラは土屋祐輝、宗澤麟太郎、キャプテンの東海林直広がフィクソに入る。
セカンドセットは、ピヴォ本多将起、アラは鎌塚剛史、設楽武秀、フィクソに坂本大起。
この大会、基本的には2つのセットが交互に出場。3位決定戦では別の組み合わせもみられた。

序盤、タイは準決勝のスウェーデンより力が落ちるような印象で、勝てるのではないかと思いつつ映像を見ていたが、途中から通信状況が悪く何が起こっているのかわからない状態に…。

やっと映像が戻り、日本はシュートを打たれる場面もあったが、折橋の好守でゴールを許さない。
そして前半終了間際、右CKのチャンス得る。キッカーは東海林、ゴール前の野寺と設楽が入れ替わると、ニアの設楽にマークが2人付き、ファーでフリーになった野寺に東海林からドンピシャのボール、野寺がダイレクトで合わせて日本が先制!
前半を1-0で折り返した。

後半に入ると、ハーフタイムで意思統一があったのか、前からボールを奪おうという動きが目立ってくる。
東海林と野寺がボールを奪い左サイド設楽へ、設楽からファーに詰めた野寺へ、日本がいい形を作り出す。
今度は野寺が左45度でボールを奪うと、強烈なシュートがゴールネットを突き刺し、2点のリード。

タイはゴレイロが左コーナーに上がる形のパワープレーを仕掛けてくる。
狙い通り、そのゴレイロが縦パスをそのままゴール前に折り返し、タイが1点を返す。

タイはそのままパワープレーを続けるが、東海林がボールを奪って鎌塚がゴールに蹴り込み、3-1と再び2点のリード。
しかし粘るタイは再びゴールを挙げ、3-2と1点差に迫る。
タイのシュートがポストを直撃する場面などもあり、勝負の行方はわからなくなる。

日本は、タイのゴレイロを上げさせずパワープレーに持ち込ませないように、前線から猛烈なプレスをかける。

そしてホイッスルとともにフラッグが振られ、試合終了。
日本はタイを3-2で下し、史上最高位の3位で大会を終えた。

選手、スタッフの皆さま、お疲れさまでした。

追記
ゴレイロの折橋選手はベストGKに選ばれました。おめでとうございます。


デフフットサル男子日本代表 スウェーデンに敗れ3位決定戦へ

2023年11月18日 | ろう者サッカー

デフフットサルW杯、男子日本代表は準決勝でスウェーデンと対戦、先発はピヴォに野寺風吹、アラは土屋祐輝、宗澤麟太郎、東海林直広がフィクソに入り、ゴレイロは折橋正紀。

先制はスウェーデン、開始35秒程、前線の6番がキープしている間に2人の選手が素早く上がり、7番が6番からのパスを直接決めた。
さらにスウェーデンは5分経たないうちに、自陣からの浮き球のパスを10番が競り勝ってゴールし、2点目。

その後、日本は設楽武秀のシュートがポストを叩く場面もあったが、スウェーデンはボールを奪ってからの素早い攻撃で3点目を決める。

日本は野寺が前線からプレスをかけ坂本大起がパスカット、坂本からのパスを鎌塚剛史がシュートするもスウェーデンのゴレイロがブロック、再び鎌塚がシュートするがゴール前のフィールドプレイヤーがヘディングでクリア、惜しくも得点にはならない。

ゴレイロ折橋も好守を見せ追加点は許さない。
前半終了間際には鎌塚が入りパワープレーを仕掛けるが、前半は0-3で折り返す。

後半、1st セット、 2ndセット(本多将起、坂本、鎌塚、設楽)、再び1st セットに戻ったところで鎌塚がゴレイロユニを着てパワープレーに出る。
しかしスウェーデンのパワープレー返しで4点目を奪われる。

その後、日本はなかなか攻撃の糸口がつかめず、逆に終了間際にはスウェーデンに追加点を決められる。
日本代表は0-5で敗れ、3位決定戦に回ることとなった。

スウェーデンは、トランジションも寄せも速く、球際も強く、懐も深く、チームの一体感も感じられ、いいチームだった。

3位決定戦の相手はタイ。日本時間の18日土曜24時30分(19日0時30分)キックオフ。
最終戦は是非とも勝利で締めくくってほしい!


W杯決勝進出!デフフットサル女子日本代表!!

2023年11月17日 | ろう者サッカー

デフフットサル女子日本代表、ブラジルを7-1で破りW杯決勝進出決定!

2位を争うイングランドは、アイルランドに3-2で勝利。
その結果、日本は予選リーグ最終戦でブラジルに引き分け以上で決勝進出が決まる。

日本の先発、フィールドプレイヤーの4名はアイルランド戦と同じくピヴォに中井香那、アラは岩渕亜依、阿部菜摘、フィクソに酒井藍莉。ゴレイロには芹澤育代が入る。

日本は試合開始早々からブラジル陣内に攻め込む。
最初のシュートも日本だ。まずは阿部のクロスに中井がうまく合わせるが惜しくもゴールにはならない。

日本の選手たちからは、ネットの画面越しにも「勝つぞ」という気持ちが伝わってくる。
前半7分くらいだろうか?
左サイドからのキックインを川畑菜奈がチョンと出し、中島梨栄が左足を振り抜いて先制!
ブラジルはその後、ゴレイロが上がり5人攻撃を仕掛かけてくる。

しかしゴールを奪ったのはまたしても日本、岩渕が右サイド阿部からのクロスに合わせて2点目。
さらには宮田夏実が右45度からゴールを決め、3-0 !

ブラジルにPKを決められ1点を失ったものの、今度は岩渕の自陣から狙いすました強烈なパワープレー返しのロングシュートがゴールネットを揺らす。
なんと前半を4-1のリードで終えた。

日本はトランジションも寄せも速く、気持ち的にもブラジルをはるかに凌駕(しているように見える)。
ブラジルは負けても1位通過は決まっており、気持ちが切れてしまっているのか、それとも日本のフットサルが凄いのか。

後半、どうなるかと思ったが、日本の勢いは止まらない。
芹澤は痛んでしまい國島佳純がゴレイロに入ったが、その國島がゴール前から放ったシュートが相手ゴールネットに吸い込まれていく。
「ゴラッソ!」
ブラジル人実況も絶叫していた。
さらには桐生玲奈、そして宮田もゴールを決め、終わってみれば7-1の完勝。
決勝進出を決めた。

デフフットッサル女子日本代表は前回大会が終わってから、本気で世界一を目指してきた。
そしてやっとその挑戦権を得ることができた。
決勝は日本時間の11月19日日曜午前7時15分キックオフ。

決勝で再び相まみえるブラジルは、今日とは全く別のチームだろう。
だが、きっとデフフットッサル女子日本代表は世界一を勝ち取ってくれるだろう。
そのためにみんな、個人練習、各々のチームでの練習、試合、代表合宿と頑張ってきたのだから。

世界一を獲る瞬間に立ち会えないのが、本当に本当に残念だ。
地球の裏から応援しています。