サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

電動車椅子サッカー日本代表合宿~関東大会、そして全国大会

2015年09月30日 | 電動車椅子サッカー

先週のシルバーウイークは19~21日が神戸での電動車椅子サッカー日本代表合宿、翌22日~ 23日が横浜で電動車椅子サッカーの関東大会に行き、電動車椅子サッカーにどっぷりと漬かった日々となった。
 
 日本代表合宿は昨年11月以来、久しぶりの開催。元々の予定では1月にオーストラリアなどが来日し『APOカップ』という国際大会が開催される予定だったが、残念ながら中止。理由は電動車椅子サッカー協会のHPを参照。
 その後7月に合宿が行われたが世界大会の開催時期がまだ正式に決まっていないということもあり、若手選手や最近招集されていなかった選手などを中心としたものであった。そいういった意味では今年初めての日本代表合宿となった。
 世界大会は元々今年の秋にブラジルで開催される予定であったが、昨年の時点でブラジルではおこなわないことが決まりいったん延期。現時点で来年開催されるのではないかという噂もあるようだが、正式決定には至っていない。今年は日本国内のブロック選抜大会も中止。ブロック選抜大会はクラブチーム間の大会ではなく、例えば関東ブロックや関西ブロックの代表選手たちが勝敗を競い合う、国際ルールの電動車椅子の制限スピード10kmで行われる大会である。
 
 つまり今年は3つの大会が中止あるいは延期となったわけである。
 電動車椅子サッカー界、受難の年である。

 その電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画を撮り続けている立場から言うならば、42.195kmのフルマラソンを走っていて30km地点にさしかかりなんとか先が見えてきたかなと思っていたところ「ゴールは42.195kmではありません。ゴールはその先のどこか?50kmあたりっすかねえ?? でももっと先かもね?」なんて言われた感じで大ショック!! 世界大会まで撮影を続けてまとめる予定だったからだ。
 しかし選手はもっとショックだったはずで、自分自身も何とか走ることをやめずに走り続けるしかない。 

 そんな流れのなかでの代表合宿には、7月の合宿で見出された選手たちや、久しぶりに召集された選手などを含む17名が集まった。選手たちは4チーム、あるいは3チームに分けられ、ゲーム形式中心で合宿が進んでいく。個々の能力が高い選手たちばかりなので、正直言って「オモシロイ!」
 しかし、連動してうまくいくチームがある反面、どうもうまくいかないチームもあったりとチームスポーツの難しさを感じる合宿でもあった。強烈にアピールできた選手、あるいは自分の持ち味を選手同士で引き出し合い楽しくプレーが出来ていた選手もいる反面、なかなか思うようにいかずもどかしさを感じている選手が多い合宿でもあった。また一度完成したチームの形を構築しなおさなくてはならない事情もあり、チームの輪郭が見えてくるのはもう少し先のことになりそうだ。

 2泊3日の神戸合宿が終わり翌日は関東大会が開催された。代表合宿に参加していたYokohama Crackers、レインボーソルジャーの6名の選手たちには、相当にハードな日程だった。というか私も疲れた。
 そしてその2チームが午前中の1回戦から激突! 全国大会の決勝でも不思議ではない対戦カードなのに!しかも 関東大会は日本代表合宿と違い日本独自のルールである制限速度6kmで行われるため、選手にとってはアジャストするのがとても大変だ。日本代表合宿は国際ルールの電動車椅子の制限速度10kmでおこなわれている。
 試合は永岡選手のキックインからのパスを紺野選手が見事に決めてYokohama Crackersが1-0と勝利。決勝戦では、YOKOHAMA Bay Dreamを3-0と撃破しディビジョン1の優勝を飾った。紺野選手はMVPも受賞。日本代表候補に選ばれてもなんの不思議もないほどに成長してきた。

 今年の関東大会は初日がディビジョン1、2日目がディビジョン2という開催方式。身も蓋もない言い方で2つの違いを語るとするならば、ディビジョン1はレベルが高く、2が低い。そういったこともあり以前はディビジョン2を見ていてもあまり〝面白く〟はなかったのだが、今大会はついつい見入ってしまう内容の濃さがあるような気がした。きちんとパスをつないで崩そうという意図が感じられたり。意図は感じるけどうまくいかなかったりするのでかえって応援したくなる気持ちになるというか、そんな感じで試合が繰り広げられた感じ。
 つまりスポーツそのものというか、底辺のレベルが上がったというか。もちろん前述したYokohama Crackersやレインボーソルジャーと試合をしたら全く試合にならないことは明白なのだが、実力が拮抗していている同士がきちんとしたイメージを持ってガチンコで勝負したら観ている人の心に届くんだなあと再認識した。
 ディビジョン1とディビジョン2の違いは、大会パンフレットの関東協会会長の言葉を借りるならば、「技術を高めていくことを重視するディビジョン1」「身体機能の改善と楽しさを重視するディビジョン2」ということになる。まったくその通りなのだろうが、「身体機能のさらなる改善が求められ、決して楽しさを忘れてはならないディビジョン1」と「技術を高めていくことで、さらに楽しくなっちゃうディビジョン2」という言い方も出来るかもしれない。
 
 ただ全員が国内ローカルルールの6kmでプレーする限界は、もう既に超えているような気がする。日本代表レベルの選手で言えば10kmと6km、双方に対応するのはとてもとても大変だと思う。プロ野球の選手が軟式野球の試合にも対応しなくてはならないみたいなもんだ。ちょっと違うか。
 もちろん電動車椅子サッカーの原点や基本を6kmのルールで再確認することもあると思うが、確認したければいくらでもそういったシチュエーションは作れるはずだ。全員が国内ローカルルールである6kmでプレーしなくてはならない点は、大局的な代表強化であったり、電動車椅子サッカー全体のレベルアップにもマイナスに働いているように思う。トップと裾野の差はもっと開いても良いと思う。
 例えば大会2日目ディビジョン2の試合の昼休みに、関東代表選手たちにより10kmルールのエキシビションマッチがおこなわれた。普段なかなか10kmでの試合を目にすることのない人々が熱心に見入っている姿がとても印象的だった。 将来的に10kmをやりたいと思う人もいるだろうし、やるスポーツとしては6kmで充分だが、観るスポーツとして10kmを見たいと思った人もいるだろう。
 個人的には簡易電動車椅子でもできるようなクラスがあってもいいのではいかと思っている。さらに裾野を広げて。バンパーもソフトなものにしてボールもスポンジで覆ったりして、お年寄りの方々も参加できるようにしてもいいのかもしれない。

 そして今週末(10月3日~4日)は静岡で全国大会が開催される。6kmルールで開催される大会だがしびれる試合もかなりある。6kmの好ゲームは手に汗握るような試合になることが多い。例えば昨年のNanchester United鹿児島とFCクラッシャーズの対戦はワクワクしつつ、本当に手に汗握るような試合だった。
 そして今年は1回戦からなんと昨年の決勝の再現、レインボー・ソルジャーとNanchester United鹿児島の対戦! 昨年は予選リーグもあり1試合で大会を終えることはなかったが今年は最初からトーナメント方式。どちらかのチームは早々と姿を消してしまう。これはしびれること間違い無し。昨年、死のグループに入り予選リーグで姿を消したYokohama Crackersや Red Eagles兵庫も当然優勝を狙っているだろう。とにかく見所満載!
 個人的には常々お世話になっているYokohama Crackersを応援しつつ撮影するということになります。
 
 会場は静岡県小笠山総合運動公園エコパアリーナ、いわゆるエコパのサッカースタジアム(専用ではないけれど)のすぐ近くだ。
 詳しい日程は日本電動車椅子サッカー協会のHP参照。当日の詳しい資料が出ている。
 http://www.web-jpfa.jp/event/index.html#m3

 そして全く同じ日程で日本ソーシャルフットボール協会(http://jsfa-official.jp/)の第1回全国大会が名古屋で開催。精神障害者のフットサルである。こちらにも是非行きたかったのだが、日程がもろダブりで行けなくて残念!来年予定されている国際大会には是非足を運びたい。

 そして10月17日~18日にはCPサッカー(脳性麻痺7人制サッカー)の全国大会が岐阜で開催。なんとか行きたいと思っています。

 


ろう者サッカー・フットサル各日本代表がアジアの頂点を目指し台湾へ(試合結果も追記)

2015年09月29日 | ろう者サッカー

 一つ前の記事で紹介した『デフフットサル男子日本代表』が参加する『第8回アジア太平洋ろう者競技大会』が、台湾で10月3日から開幕する。大会はろう者のアジア大会、つまりデフリンピックのアジア版ということになる。世界大会であるデフリンピックよりは競技が少ないものの、11の競技で熱戦が繰り広げられる予定だ。例えばデフリンピックにはあるバレーボール男女はおこなわれないが、逆にデフリンピックにはないフットサル男子競技がおこなわれる。
 是非『デフフットサル男子日本代表』は持てる力を存分に発揮してきてほしい。
 
 ブルガリアのソフィアデフリンピック(2013年)で現地取材した水泳競技、とりわけ茨隆太郎選手の泳ぎもとても気になるところ。

 そして前回大会(2012年韓国大会)で見事アジアチャンピオンに輝いた『ろう者サッカー男子日本代表』が、本日(9月28日)台湾に向け出発する。開会式の前日、10月2日にカザフスタンとの初戦に備えるためである。今大会は2017年トルコで開催予定のデフリンピック出場権をかけた大会にもなっている。デフリンピック出場の要件は上位3か国。日本代表はこれまでアジア予選を3大会連続突破しデフリンピックに駒を進めているが、今大会はイランやサウジアラビアなどアジア諸国の力も上がってきており予断を許さない状況のようだ。日本は、イラン、オーストラリア、カザフスタンのグループリーグでまずは2位以上に入り、決勝、もしくは3位決定戦に出場することが絶対条件となる。
 まずはデフリンピック出場権獲得の3位以上、そしてその先の優勝目指して突っ走ってきてほしい。今大会は残念ながら生観戦できないが、デフリンピックトルコ大会には是非行きたいと思っている。

 日程は以下。
 グループリーグ
 2日 vsカザフスタン 5-0で勝利!
 4日 vsイラン 0-4で敗れる。
 6日 vsオーストラリア 2-0で準決勝進出!
 準決勝
 9日  vs韓国  3-0と勝利! 決勝進出、そしてデフリンピック出場権獲得!!
 決勝
 11日 16時(日本時間) vsイラン
  1-1で延長戦へ、そしてPK戦にまでもつれこんだ試合はイランが勝利し、日本は準優勝。“やりきった”準優勝のようです。 

 フットサル競技は、6日~9日、イラン、タイ、バーレーン、ウズベキスタン、カザフスタン、日本の総当たり戦により、順位が決定されるようだ。
その後 フットサル競技 はイラン、UAE、日本の3ヶ国で争われることになった。
 
 第1戦 UAE 14-3   第2戦 イラン 2-7 第3戦 UAE 12-0   第4戦 イラン  2-8  
 2勝2敗で2位となった。

 日本ろう者サッカー協会  http://jdfa.jp


INASグローバルゲームスに出場する知的障がい者フットサル日本代表 デフチームとの強化試合

2015年09月15日 | 障害者サッカー全般

 先日の日曜日、知的障がい者フットサル日本代表vsデフフットサル男子日本代表の試合を観に行ってきた。
 知的障がい者フットサル日本代表は、南米エクアドルで開催される 『Inas グローバルゲームズ』に参加するための直前合宿中であり、一方のデフフットサル日本代表は10月に開催される『アジア太平洋ろう者競技大会』に向けた合宿中。双方の強化の一環としてお互いが対戦したわけである。
 
 知的障がい者フットサル日本代表は『INASグローバルゲームス2015エクアドル』に参加するため今年に入って初めて結成されたチーム。サッカー日本代表は以前より活動しており、昨年ワールドカップ閉幕後にブラジルで開催された世界大会ではベスト4の成績をおさめた。(INASグローバルゲームスについては後述)。
 
 デフフットサル日本代表は少々ややこしい。ろう者(デフ)サッカー・フットサルには、男女のろう者サッカー日本代表、男女のフットサル代表があある。そして、ろう者サッカー男子日本代表とデフフットサル男子日本代表が、10月3日~11日に台湾で開催される『アジア太平洋ろう者競技大会』に参加する。ろう者のアジア大会である。そしてデフフットサル男女の日本代表が、11月にタイで開催されるデフフットサルワールドカップに出場する。つまりデフフットサル男子日本代表は2か月連続で国際大会に出場することになる。しかし仕事の都合などで両大会参加が無理だったり、その他の理由でデフフットサル男子日本代表が2チームが存在する。2チームといっても全く別ではなく、12名中5名の選手は両大会に出場。アジア太平洋ろう者競技大会はサッカーに、デフフットサルワールドカップにはフットサルで参加する者も2名ほどいるようだ。
 ちなみに女子の場合はサッカーとフットサル、両方兼ねている人も多くフットサルの活動が中心になるともう一方のサッカーが休止状態になったりという現状もある。

 強化試合を簡単に振り返っておく。
 両チームともに積極的に相手ゴールに迫るが、より多く相手ゴールを脅かしたのはデフフットサル男子日本代表(以下、デフチーム)。しかし知的障がい者フットサル日本代表(以下、知的チーム)のゴレイロ(GK)青沼選手が迷いのない飛び出しで得点を許さない。身長は小さいのだけど、というかだからこその良いタイミングでの飛び出しだ。以前見た時より進化した印象である。その後、知的チームの木村選手が左足の強烈なFKを決め先制。前半を1-0で折り返す。
 後半に入りデフチームの山森選手がこぼれ球につめ同点に追いつく。しかし知的チームの安達選手が右サイドからシュート、相手DFに当たりコースが変わりゴール。2-1となる。直後にはデフチームの上井選手が遠目からのシュートを決め再び同点。その後も山森選手が素早い反転からゴールを決め逆転。さらには伊賀崎選手のゴール右隅を狙いすましたシュート、その伊賀崎選手からパスを受けた吉岡選手がGKをかわしてゴールネットを揺らし、5-2でデフチームが逆転勝利をあげた。
 
 終了後はPK戦の練習。知的チームは全員が決め、最後は負傷中のGK野崎選手も出場、1本止めた。青沼選手とはいいライバル関係であるようで、エクアドルでは2人でゴールマウスを死守してほしい。
 知的チームは、チーム全員の守備意識がとても高く集中力も途切れることがない。(期待を込めて)世界大会でもそれほど失点はしないのではないか。攻撃の要である浦川選手がこの試合には参加出来なかったため物足りなさを感じる部分もあったが、全員そろえば攻撃力もアップするだろう。またフットサルとサッカーの違いはあるが、昨年世界大会でベスト4を勝ち取ったメンバー、加藤、浦川、櫻井、徳丸、木村、安達選手たちの経験がきっと活かされるだろう。

 デフチームは、最初のうちは連係もうまくいかないことがあったり精度を欠いたりしたが、後半に入ると崩しの形も見えてくるようになった。『アジア太平洋ろう者競技大会』が開催されるころにはさらにチームの連係も深まっていることだろう。

 知的障がいと、ろう者(デフ)の日本代表同士の対戦は、5月のサッカー、7月のフットサル(Fリーグ試合終了後のエキシビションマッチとしておこなわれた)に続いて3回目。今回は純然たる強化試合であり、双方にとってもとても実りあるものだったと思う。

 個人的にも関わってきた知的障がい者サッカー、ろう者サッカー、この2者が対戦する時にどちらよりで見るかは迷うところ。今回は知的チームに知っているメンバーが多かったのでどうしても知的チームよりの見方になった。例えば映画『プライドinブルー』で中心に描いた加藤隆生(今回はフィールドプレーヤーでの出場)もいるし、浦川もいるし、その後の日本代表の練習で見ているメンバーも多かったし。試合の時は全員の顔と名前が一致した状態で観ていました。そんな関係で、試合終了後デフチームの関係者や選手から感想を求められるたのだけどうまく答えられず、失礼しました! いつもは聞かれなくてもしゃべったりするのだが。ちなみに台北デフリンピックに出場した伊賀崎選手のゴールシーンは映画『アイ・コンタクト』にもあります。

 知的障がい者フットサル日本代表の一行は9月16日(水)にエクアドルに旅立つ。エクアドルは2000mを超す高地故に、ワールドカップの南米予選でも常にアウエーのチームが苦戦する国。総力戦で頑張ってきてください!
 フットサル競技は6チーム総当たりのリーグ戦、上位チームが決勝、3位決定戦に進出。試合日程は以下。いずれも日本時間。
 22日(火)1:00~ フランス。
 23日(水)1:00~ エクアドル。
 24日(木)5:00~ ポーランド。
 25日(金)1:00~ ポルトガル。
 26日(土)5:00~ アルゼンチン。
 決勝は27日(日)3:00~、3位決定戦同日1:00~。

 
 さて『INASグローバルゲームス』っていったい何だ。正直自分でもよくわからなかったので少々調べてみた。
 一言で言えば知的障害者のスポーツを統括する国際知的障害者スポーツ連盟(INAS)が運営する国際総合競技大会であり、今回が第4回目の大会である。第1回大会は2004年にスウェーデンで開催、以下チェコ(2009年)、イタリア(2011年)、そしてエクアドル。次回は 2019年にオーストラリアで開催予定。4年周期になったのは今回が初めて。前回のイタリア大会で開催年をパラリンピックの前年にずらして、以後4年ごとに開催していく流れのようだ。
 パラリンピックでは知的障害の競技がもおこなわていた。1996年アトランタ、1998年長野、2000年シドニーである。しかしシドニーパラリンピックでスペインバスケットチームが健常者を大量に出場させた“事件”でパラリンピックから締め出されてしまう。明らかな不正は問題外だが、レベルの高いガチンコ勝負ということになると軽度の知的障害者が出場することになり見極めが難しくなるのもまた事実である。
 その事件を受け2004年アテネパラリンピックではおこなわれなくなった知的障害の競技を同年スウェーデンで開催、それが『INASグローバルゲームス』の始まりのようだ。ロンドンパラリンピックでは陸上、水泳、卓球の限られた種目で3大会ぶりに知的障害競技がおこなわれた。国際知的障害者スポーツ連盟(INAS)側はおそらくパラリンピックと合体したいということなのだろう。
 エクアドルの大会では、陸上、水泳、卓球、ローイング(ボート)、フットサル、バスケットボール、自転車、テニス、テコンドーの9競技がおこなわれ、日本からはフットサルを始めとして、陸上、水泳、卓球、バスケットボール5競技に選手団が派遣される。ところでローイング(ボート)はインドアとHPに書いてあるんだがいったいどんな感じでやるんだろう。

 一方ろう者スポーツの国際競技大会はデフリンピック。2001年よりIOCの承認を得てデフリンピックという名称になった。第1回国際ろう者競技大会は1924年にパリで開催されている。パラリンピックよりはるかに長い歴史を有しているが知名度は低い。こちらはパラリンピックの翌年に開催されている。2021年の開催地はまだ決まっていないと思うので日本が立候補したらどうだろう。しかしその前にやるべきことは手話言語法の制定なのかもしれない。2024年でも遅くはないのかもしれない。
 デフリンピックとパラリンピックの関係で言えば、デフリンピック側としては(商業的に)巨大化したパラリンピックといっしょにやりたいという考えもあるだろうし、独自の(ろう)文化を尊重し取り込まれるずに単独でやっていくべきだという意見もあるだろう。いずれにせよ、他の障害とは決定的に異なる“言語“という問題をきちんと認識し、認識される。そういった場としてのデフリンピック日本開催はとても意義深いと思う。

 最後はデフリンピックの話になってしまった。
 
 知的障がい者フットサル日本代表がエクアドルから笑顔で帰国することを願っています! 


(追記)
デフリンピックにフットサル競技はありません。サッカーは男女があります。

またINASグローバルゲームスでフットサル競技がおこなわれるのは、今大会が初めてのようです。

(追記・試合結果)
 予選リーグ
第1戦 vsフランス   2-4
第2戦 vsエクアドル  25-0
第3戦 vsポーランド  7-10
第4戦 vsポルトガル 0-8
第5戦 vsアルゼンチン 2-9
日本チームは1勝4敗で予選敗退。決勝トーナメントには進めませんでした。 お疲れ様でした。


ブラインドサッカー日本代表の闘い

2015年09月12日 | ブラインドサッカー

 もう既に何日かたってしまったが、リオデジャネイロパラリンピック予選を兼ねたブラインドサッカーアジア選手権大会が終わった。昨年同じ場所で開催された世界大会の際は観客として観戦したりメディアとして取材したりということもあったのだが、今大会は完全に応援モード。チケットを購入しサポーターとして日本戦全試合を生観戦した。(決勝、日本のパラリンピック出場の可能性が消滅したイランvs韓国戦、その他も観戦)。そこからの目線で大会を振り返ってみたい。

 もう既にご存知のかたも多いようにブラインドサッカーのプレー中、観客が声を出すことは厳禁だ。監督、GK、ガイドの声による指示、選手間のコミュニケーション、相手選手の「ボイ」という声などが聴き取れなくなるからである。したがってサポーターが声を出せるのは試合前やハーフタイム、あるいは試合中のわずかな間隙をぬって、ということになる。試合前も選手紹介などの場内アナウンスの妨げにならないようにしなくてはならない。コールリーダーを始めとするサポーターたちもそのあたりのことは既に熟知していて、不慣れな観客に「プレー中に静かにするのも応援です」といったように呼びかける。私自身は何が起こっているかそのすべてを把握したいほうなのでサッカー観戦の際は黙ってピッチを注視しているのが常だが、今回は何が何でもパラリンピック出場権を獲得してほしい。もし自分の声が少しでも選手たちの後押しになるのならば、“全力で応援したい”。そのことだけを胸に会場に通った。声を出さない時は熟視出来るし。

 パラリンピック出場権獲得のためには、6か国のうち2位以上に入る必要があった。グループリーグの対戦順は、中国、イラン、韓国、インド、マレーシア。初戦、2戦目といきなりロンドンパラリンピックに出場した両チームと対戦することになった。日本はこの両国のうち、どちらかの上にたつ必要がある。大会前のインタビューで魚住監督は勝ち点11、出来れば12をとりたいと発言している。つまり2連戦で最低でも2引き分け、もし初戦を落とした場合はイランに勝って1勝1敗で乗り切りたいということだろう。

 そして迎えた大会初日の中国戦、心配された雨もあがり満員の観客が日本代表を後押しする。仮設スタンドは世界大会の時よりも増設(!)され、三方からすり鉢状にピッチを囲む作りになっている。応援する声もよりダイナミックに選手たちの耳に届くはずだ。例えばハーフタイムには観客全員が立ち上がり高くかざした手をつなぎあう。そしてニッポンコール。つながれた手が徐々にほどかれ頭の上で拍子を刻む。ニッポン!チャチャチャ、ニッポン、!チャチャチャ、…。もちろん私もありったけの念をこめて選手たちに想いを送る。

 日本代表は格上の中国相手に、失点を絶対に許さない守備重視のやり方で試合に入っていく。引き分けでも勝ちに等しい日本としては当然の選択だろう。前半はダイヤモンド型にコンパクトに配置されたフィールドプレーヤー、そしてGK佐藤大介(ゴリ)の好守もあり0-0で折り返す。しかし後半7分均衡が崩れる。中国はCK(コーナキック)のチャンスに4人全員が上がる。ファーストディフェンダーの川村玲(リョウ)が中国選手にうまくブロックされ、ワン・ヤーフォンがドリブルで中央に持ち込む。そして一度ボールを止め、ほんのわずかボールを下げる。そのボールの小さな音の動きに黒田智成(トモ)、佐々木ロベルト泉(ロベルト)、田中章仁(アキ)がわずかに反応する。それは日本の選手たちの集中の証。しかしボールを下げたのはワン・ヤーフォンのフェイントだ。1歩2歩とドリブルで前進し、ファーサイドを狙いすましたゴールを放つ。逆を取られたかたちの日本の選手たちの反応が遅れる。ニア側に一瞬重心がかかっていたGKゴリも反応ができない。日本側のミスではなく、中国のうまさでゴールを奪われた。
 しかし当然中国に先制されるのは想定内のはず、日本がどう攻撃のスイッチを入れるのか注視した。まずは連続して失点しないようにゲームを落ち着かせる。そしてタイムアウト。その後はリョウが高い位置からプレスをかけ他の3人もラインを上げる。ボール奪取できれば攻撃に転じるという狙いだったのだと思う。だが試合巧者中国を相手に、思うようにいかない時間帯が続く。監督の「ライン上げろ!」という言葉は聞こえてくるものの中国を押し込むことは出来ない。残り時間が8分をきったところでロベルトに代わり加藤健人(カトケン)が投入される。これは明らかに攻撃のギアをもう一段上げるといいシグナル。期待をもって見つめたものの中国ゴールを脅かすことはほとんどできず、0-1の敗戦。完敗とまでは言わないまでも完全にしてやられた敗戦だった。
 攻撃のスイッチを段階的にいれていくのではなく、もっと早い時間帯に攻撃のアクセルをぐっと踏み込んだ方がよかったのではないか。リスクマネジメントをしつつ段階的に攻撃的に移行して得点が奪えるほど、中国はヤワな存在ではないのではないか。得失点差を考えても、0-3はまだしも0-2になることを恐れる必要はなかったのではないか。選手のコンディションなどによる諸事情があったのかもしれないが、正直かなり不満の残る試合内容であった。
 しかし格上中国に敗れることはスタッフ、選手ともに想定内だろう。その場合は次戦のイランに勝てばいい。というか勝たなくてはならない。

  東北大震災の年末にあえて宮城で開催された4年前のロンドンパラリンピックアジア予選、引き分け以上でパラリンピック出場が決まることになったイラン戦、クリスマスイブの寒空のなか祈るような気持でピッチを見つめたことを思い出す。しかし後半に2点を奪われ、するりとこぼれ落ちていったパラリンピック初出場の夢。その悔しさからスタートした魚住ジャパン。“夢”ではなく“現実”に手にするための4年間でもあったはずだ。
 勝利が必要な試合で勝ちきることができるのか?
 まさに魚住ジャパンの真価が問われる試合となったブラインドサッカー日本代表vsイラン代表の重要な一戦は、くしくもサムライブルーのワールドカップ予選とほぼ同時刻のキックオフとなった。ブラインドサッカーを優先した観客は584人、雨の影響もあったのか前日の中国戦1292人の半分以下となった。 
 
 中国代表は昨年の世界大会で目にすることがあったがイラン代表は4年間見たことはなく、大会初日のイランvsインド戦を観戦した。そこで感じたことは、日本の守備はイランの攻撃を抑え込むことなら出来るだろうということ。イランの攻撃力は4年前からさほどあがっているとは思えなかったが日本の守備力は格段にあがっているからだ。
 しかしイランから得点を奪うことは出来るのか?
 日本vsイラン戦の試合前練習ではイランのGKショジョイヤンを注視していた。背が高いだけでなく体も柔らかく反応も速い。このGKから得点を奪うのは至難の業だ。正直、80%くらいの確率でスコアレスドローに終わる可能性が高いのではと脳裏をよぎる。同時に「そんな予想など蹴散らしてくれ!」と強く心のなかで願う。
  この試合でもっとも惜しかった場面は前半終了間際のコーナキックからの黒田智成(トモ)のドリブルシュート! コーナーキックのチャンスを得た日本はカトケン、ロベルトの3人があがる。前日にはほとんど見られなかった光景だ。屈強なロベルトが相手選手をガードし空けたスペースをトモが中央へドリブル、ゴール左隅に左足の強烈なシュートを放つ! しかしイランGKが弾き出す。崩しとしては完璧だった。しかしGKショジョイヤンにとっては、シュートコースが限定されていたということもあり、さほどむずかしいシュートには感じられなかった。
 監督が試合終了後に語っているように、危ない場面はほとんどなかった。これは確かに日本の守備力向上のたまものだ。そして世界選手権から課題とされていた攻撃力。その成果がもっとも発揮されるべき日、それがこの日のイラン戦だった。しかし日本は得点を奪うことは出来なかった。それが現実だ。引き分けでよかった4年前には敗れてしまったイラン戦。勝ちにいった2015年は、“負け“に近い引き分けに終わった。
 選手たちもかなりショックだったろう。私もへこんだ。帰宅してサムライブルーの試合を録画観戦する予定だったがどうでもよくなった。冷静に考えて予選突破の確率は限りなく低くなった。日本は残り試合全勝しても勝ち点10。一方のイランは中国に負け他の試合に全勝した場合は日本と同じ勝ち点10だが、もし中国と引き分けてしまえば勝ち点が11となり日本は及ばない。イランのGKから中国といえどもそう簡単に点は取れないだろうし、そもそも中国は無理にイランに勝つ必要もない。

 そして大会3日目は韓国戦。決して簡単な相手ではない。 
 この日はキャプテン落合啓史(オッチー)が先発。「オッチー、魂をピッチに注入してくれ!」などと心のなかで叫ぶ。そういえば、4年前の予選で韓国には先制されながらも強烈な逆転シュートを決めてくれたのがオッチーだった。試合は前半14分にトモがFKから先制、後半10分にはGKからのパスをゴール前で受けたリョウが韓国GKと1対1になり2点目。ブラインドサッカーのGKは相手と1対1になっても狭いエリアを飛び出すことは許されない。手が届く位置にあっても手を伸ばすことも許されない。そういう意味ではGKにとって一番悔しい形の失点なのかもしれない。実際、GKチ・チュンミンはとてもとても悔しそうだった。「この悔しさは翌々日のイラン戦にぶつけて、無失点に抑えてくれ!」と密かにスタンドから念を送った。
 日本にとっては2-0の快勝となった。

 大会4日目は、日本vsインド戦の前にイランvs中国戦が行われた。日本の立場から言えば中国が勝ってイランには敗れてほしい試合。中国に1位抜けしてもらい、イランと勝ち点で並びたいからだ。人づてに聞いた話では、両チームあからさまな引き分け狙いで“ひどい”試合だったらしい。しかし自分の目で見てみないとよくわからないので、見たくはないが後日映像を見てみた。
 感想は、(最後の2分間はおいてとくとして)そういうこともあるだろうな、という感じ。
中国はとにかく負けることだけは避けたい。もしこの試合に負けてインドに引き分けると日本と勝ち点で並んでしまうことだってありうる。グループリーグ最終戦のインドによもや負けることはないだろうが引き分けはあり得ないではない。サムライブルーがシンガポールと引き分けたように。
 イランとしては勝つことにこしたことがないが絶対に負けることだけは避けたい。そうやって始まった試合は特に中国が極力リスクを回避した戦い方で試合が進んでいく。自陣でボールをキープしている時間帯も多いし、コーナキックも2人しかあがらない。そのため両チームともに決定機はおとずれない。後半に入ると、さらに守備的な色合いが濃くなってくる。しかし、もし一本の縦パスが通るとGKと1対1のビッグチャンスなるようなポジションに、1人の選手が待ち構えている。そんな戦術もあるだろうなという範囲内ではある。穿った見方をするならばアリバイ的にいると思わないではないが、大勝負のかかったグループリーグの、“サッカー”の戦い方としては、そんな戦術もあるだろうなという範囲内に思えた。 そして最後の2分、イランの選手が壁際で「このまま試合を終わらせようぜ」という感じでボールをキープし始める。それに“乗った”中国は体を寄せるだけでボールを取りにいかない。醜悪な光景でせめてもう少し婉曲的にやってよ!とは思うが、仕方ないのかとも思う。

 しかしイランと中国の再戦となった決勝での“お約束”の再演は、もはやサッカーではない。ブラインドサッカーではない。強くそう思った。
 今大会はパラリンピック予選でもあるが、アジア選手権でもある。思う存分自分たちにサッカーを披露してくれるだろう。アジアのチャンピオンを決めるにふさわしい決勝になることを期待して観戦した。見所も多々あった。例えば中国選手が右に左に切り返してはドリブルを繰り返す。イランの選手たちはボールの音に反応して左右にスライドする。その時になんと言ったらいいか、見えない空間が見えたような気がした。
 「ボイ」という文字が淡い光に包まれて空中を左右に動く。淡い光は4つだ。その4つが左右に動いているうちにずれが生じて漆黒の道ができる。その暗闇のスペースめがけて中国選手が飛び込んでいく。思わずスタンドで息を呑んだ。選手たちもそんな映像を見ているのだろうか。聴覚などの情報をもとに、もともとは視覚を司る脳の箇所で映像を編んでいるのだろうか。錯覚や思い込みかもしれないが勝敗や勝ち点のことなど関係なく無心でピッチを見つめることができたため、ブラインドサッカーのブラインドの部分が少し垣間見れたような気もした。
 なんてことを思いながら見ているうちに両チームスコアレスで全後半5分ずつの延長戦へ。そして迎えた延長後半、最後の3分間は“お約束”の再演だった。最初意味がわからなかった。GKの力量から考えてイラン側がPK戦に持ち込みたいのかと最初は思った。
 何故?何故? 例えば国からの報奨金などが延長で敗れてしまうことと、PK戦まで残って準優勝に終わることで大きな差があるのだろうか? PK戦に持ち込むことで引き分けという記録を残したいのだろうか?そうすれば両国ともに帰国して面目が保てるということだろうか? それともグループリーグの借りを返す? どちらが? などと考えているうちに終了のホイッスルが鳴った。
 これじゃあ、パラリンピック予選だけやって決勝なんかやらないほうがいいじゃないか!大会の最後はとてもとても後味の悪いものになってしまった。
 両国が何故そのような選択をしたのか、理由はいまだによくわからない。 

  グループリーグに話を戻す。
 もし日本がイランの立場だったとして、中国が超守備的な戦術だった場合は日本も無理はしないでスコアレスドローでいいという戦い方をするだろう。いやしないのかもしれないが、少なくともそうしてほしいと個人的には思う。しかし壁際での“お約束”キープを持ちかけられたらどうするのか? おそらくそこは拒否するのだろう。個人的にはもう少し露骨でない形で引き分け狙いにうまく持っていってくれないかな、とは思うだろう。もちろん仮に日本が“お約束”に乗ったとしても非難しないし、試合後には拍手も送る。このあたりは様々な考え方があると思う。
 
 ともかくイランvs中国戦の結果を受けた日本代表はまずは5−0でインドに勝ち、翌日の韓国vsイラン戦の結果を待つことになった。日本代表のリオパラリンピック行きを願う立場からすると韓国を応援するしかない。ということで「テーハミングッ(大韓民国)」コールだ。 
 その声が心に響いたかどうかはわからないが前半終了時点で0−0。日本としてはそのまま終わってくれればいい。しかし韓国はパラリンピック出場権をえるためには勝利が絶対に必要。しかし後半イランが先制点を奪う。なんとか韓国に頑張ってもらいたいと選手名や「カジャ!ハングッ(レッツゴー!韓国!)」と叫んだりしたが最終的には0−4と敗れ、日本と韓国のパラリンピック出場の可能性が消滅した…。しかし落ち込む前に、こちらの勝手な都合で応援した韓国にエールを送らなくてはならない。第一声を発したのはちょんまげ隊のツンさんだったろうか。心を込めて「テーハミングッ」と叫んだ。
 
 入れ代わりに日本代表がピッチに入ってくる。数字上は消化試合となった試合の相手は大会を通じて成長したマレーシア。
 選手たちは気持ちの切り替えも大変だったろうが、豪雨のなか見守った観客に勝利をプレゼントしてくれた。

 そして翌日の3位決定戦では日本代表は韓国にPK戦で敗れ4位に終わった。

 4年前の予選と今回の個人的な心情の違いを述べるとすると、前回はただただ悔しい。そして今回は、もやもやに包まれた敗北感。正直言って、今回は一度も「よっしゃー」と心の中から思える瞬間がなかった。
 期待が大きかった分、現実を受け入れられないということもあるのかもしれない。私でさえそうなのだから、選手たちはどうなのだろう。未来に向けて無理な言葉を発するのではなく、心を休めてほしい。 
 

 このあと、世界大会に引き続き有料での開催は特筆すべきとか、混ざり合う社会とか、障がい者サッカー7団体のうち東京パラリンピックで開催されるのはブラインドサッカーだけとか、サッカーを通じてわかりにくい障害も理解してほしいとか、いろいろ書いていたらグジャグジャになってしまったので、やめときます。

 ところで今大会で初めてブラインドサッカーを観たという人がけっこういたのだけど、GKを晴眼者がやっていること、また健常者であるGKの能力が勝敗に直結するということへの素朴な疑問を複数の人から聞いた。視覚障害者が晴眼者からゴールを奪うのもブラインドサッカーの魅力の一つであるが、無得点に終わった試合などは疑問を感じるかもしれない。確かに私自身も9年前に初めてブラインドサッカーを見た時に思ったことだ。その疑問を当時の風祭監督に質問した記憶がある。
 夏期、冬期含めて健常者の選手はブラインドサッカーだけなのではないだろうか。冬期パラリンピックの滑降競技のガイドなんて選手以上に選手という気もするけれど。
 将来的に、健常者が選手として出場する競技はいかがなものかという議論は出てくるのかもしれない。もう既に議論の俎上に上がったのかもしれない。だかたといってルール変更はかなり難しいだろう。
 まあブラインドサッカーは、オリンピックにおける男子サッカー(他の競技は基本的には世界一を決めるがサッカーは年代別の世界一でしかない)のようにパラリンピックのドル箱競技として生き残っていくのかもしれない。 
 またしてもまとまらなくなってきた。批判とか皮肉で書いているのではありません。誤解なきように。 
 

 ちなみに4年前パラリリンピック予選の書き込みはこちら
http://blog.goo.ne.jp/kazuhiko-nakamura/e/a230f3a4557ff1e02c3e2b97aae5d50a
http://blog.goo.ne.jp/kazuhiko-nakamura/e/b7c3f5090f26b5be26ac2ffdaf4dd8fa


ブラインドサッカー、パラリンピック出場国が今日決まる!

2015年09月06日 | ブラインドサッカー

 今日9月6日の日曜日、リオパラリンピックブラインドサッカー出場の2か国が決まる。しかし日本代表にとってはかなり厳しい条件のついたものとなった。ざっくり言えば、韓国がイランに勝つか引きわけたうえで、日本がマレーシアに勝つ必要がある!

 ブラインドサッカーアジア選手権3日目の日本代表vs韓国戦は観戦したものの、それまでの寝不足がたたってビール飲んだら撃沈。ブログ更新できなかった。4日目のインド戦には当初行く予定はなかったのだがあまりにも気になって予定変更、観戦してきた。
 「イランがインド相手に10-0で勝ったのなら、11-0で勝ってもらおう、いや15点くらい取ってイランとの得失点差を一気に逆転してもらおうじゃないか! そのためには頑張って応援しないとな」などと会場へ向かう電車のなかで夢想しつつ日本戦の前に行われたイランvs中国戦の結果を確認したとことろ、なんと引き分け!
「なんてこった」
 パラリンピック出場権獲得のためには中国が勝てばイランと日本の得失点差勝負になる可能性大だったが、引き分けに終わったため韓国がイランに勝つか引き分けるかということが絶対条件の、完全に他力本願という状況になってしまったのだ。
 イランのGKショジョイヤンが中国のシュートを止めまくって引き分けたのかなと思いきやそうではなく、“引き分けでOK”の両チームによる、いわば談合試合のような様相だったらしい。試合開始からそうだったのか途中からそういった様相を呈してきたのかはわからない。試合経過を見ると前半残り4分に中国がPK、後半6分、10分には中国がシュートを放っているようだし、その後あからさまな形になったのかもしれない。もし生観戦していたら「ふざけんな」と思い、ブーイングくらいはしたいと思っただろう。しかしブラインドサッカーの試合中は観客が声をだすことは許されない。
 観戦した人のなかには怒っている人も多いようであるが、(試合の詳細がわからないのでなんとも言えない部分はあるが)致し方ないことだと思う。例えば日本がイランの立場だったらどうなのだろう。そうまでしてパラリンピックに行く必要はないと思うのか?私はそうまでしてパラリンピックに行ってもらいたいと思っている。考え方はいろいろあると思う。
 また試合日程がどういう経緯で決められたかは知らないが、結果としては日程がイランに味方した形となった。このことは大会終了後にきちんと検証されるべきことだろう。

 続く日本vsインド戦は5-0で日本の勝利!!
 非情なまでに大量得点差勝利を求めなくてはならない状況から数字上は勝てばいいという状況に変わり、どういった試合運びをするのか興味あることろだったが、これまでの出番のない選手に出場機会を与えたり出ずっぱりの選手をうまく休ませたりと良い流れだったと思う。
(日本戦の経過はいろんなところに出ているので省略)

 その後、日本戦が終わって帰ろうかと思ったのだがその後予定もなかったので韓国vsマレーシア戦を観戦。韓国の楽勝かと思いきやマレーシアがコンパクトで統制された守備で韓国に得点を許さない。第3者からするとマレーシアを応援したくなるような試合展開だったかもしれないが、日本のパラリンピック出場を強く望む立場からすると韓国に勝ってほしい。この試合に勝てば韓国もパラリンピック出場の可能性の残すことになる。そうすればイラン戦へのモチベーションも高くなるはず。韓国は後半2度もポストにゴールを阻まれるが残り3分で先制、1-0で勝利した。

 韓国vsマレーシア戦では音声ガイドを借りて聞いてみた。試合を見ながら聞いたり、目を閉じて聞いたり…。しかし目を閉じるとなかなかイメージが出来ない。集中して音声ガイドの音と現場音を合わせて聞くと少しイメージ出来るようになったような気もした。
 その時はゴール裏自由席にいたのだが、メインスタンドにいる方がイメージしやすいような気もした。攻守の切り替えがメインスタンドからは左右の動きになるし、過去に見たサッカー中継のピッチのイメージに音を通した情報を入れ込んでいくというか。アナウンサーもメインスタンドから実況しているし目線が近いほうがわかりやすい気もした。ゴール裏だと音の遠近で攻守を聞き分けるということになってしまうし。しかし実際にはゴール裏にいる視覚障害者も数多く見受けられるし、きっと聴く力の差なのだろう。

 日本がパラリンピック出場権を得るためには、17:30キックオフの韓国vsイラン戦で、韓国が勝つか引き分け。その後日本がマレーシアに勝つことが必要となる。だがマレーシアも簡単な相手ではない。しかしマレーシアはひょっとしたら日本の守備をお手本にしているのかとも思われ、そういった意味では弱点も魚住監督には見えていることだろう。
 とにもかくにも今日、リオ・パラリンピック出場国が決まる。
韓国vsイラン戦では是非韓国を応援しましょう。そして祈りましょう。
日本のパラリンピック初出場が決まることを祈り、応援しましょう。