昨日(7月15日)、知的障がい者サッカー日本代表の合宿に栃木県さくら市へと行って来た。
8月にスウェーデンで開催される「国際知的障害者サッカー連盟サッカー世界選手権スウェーデン2018」に向けた最終合宿である。
知的障害者サッカーのワールドカップであるこの大会は第1回大会が1994年オランダで開催され、2002年の第3回大会以来、ワールドカップ開催国で閉幕後におこなわれてきたが、今大会は(経緯はよくわからないが)ロシアではなくスウェーデンで開催されることになった。
知的障がい者サッカーとの個人的な関わりは、初めて見たのが2002年の日本大会。2006年ドイツ大会ではドキュメンタリー映画「プライドinブルー」撮影のため帯同。以降は時々、合宿の見学に行く程度である。3大会連続で監督を務められた小澤さんから西さんへ監督が代わって以降は、初めての見学となる。
西監督はヴォルカ鹿児島(現在の鹿児島ユナイテッドFC)のFWとして活躍、前回ブラジル大会にはコーチとしてチームに帯同した。
この日は栃木SCユ−スチームとの練習試合。30分×3本の試合がおこなわれた。
試合前には西監督から選手達へ、守備面、攻撃面への注意事項が伝えられる。
「新しいことは何も言っていない」という監督の言葉にあるように、ミーティングや練習でくり返されて来たことのようだ。
選手達は新しい概念をスムーズに理解するのは難しい。
1本目は4・2・3・1の布陣。
先発メンバーのなかで前回大会から続いての出場となるのは5人。6人は今大会が初出場、初めて目にする選手が多かった。
既知の選手では、キーパーの内堀が引き締まった体で精悍な顔つきになっており、指示の声もよく出ていてとても頼もしく見えた。
代表選手達は知的障害として軽度とは言え、瞬時に言語化して指示を出すのは簡単ではない。
ベンチからも要所要所で西監督からの声が飛ぶ。印象的だったのは、問いかけのような声が多かったことだ。選手も以前言われたこと、あるいは練習したことを思い出して、動きを修正、練習の積み重ねが窺い知れた。
「続けろ」という言葉もくり返され、守から攻への切り替え、攻から守への切り替えを徹底しようという意図が感じられた。
しかしこの日はかなりの猛暑、選手達はなかなかに大変そうだったが、スウェーデンでは楽に感じることだろう。
1本目は、コーナーキックの流れからこぼれ球への詰めの甘さ、あるいはDFラインの裏を取られたりで0−3で終了。
2本目、3本目は、大会へ向けてのオプションを増やすという意味もあったようで、5バックを試した5・4・1の布陣。
最初は人数が足りているのにも関わらず、カバーの意識が足りないなど連動性に欠けている部分もあったが、監督の指示もあり徐々に修正され守備も安定、失点も減った。
3本目には、4大会連続の出場となる浦川が1トップとして出場。故障もありベストな状態ではないようだが、ポストプレーで前線の起点となっていた。スウェーデンでは是非チームを引っ張っていってほしい。
初出場の選手達もボランチやセンターバック等で存在感を発揮しており、前回ベスト4に勝ち上がったメンバーとの融合が進み、いいチームに仕上がりつつあるようだ。
日本代表チームは今月末の直前合宿を経てスウェーデンに出発。
大会には8カ国が出場し、4カ国ずつ2つのグループに分かれてグループリーグを戦う(予定)。
帯同した2006年ドイツ大会は16カ国が参加していたが、参加国は減っているようだ。今回開催地のスウェーデンは前回大会の際、資金不足で参加を断念しかけたがイブラヒモビッチのポケットマネーで何とかブラジルに渡ることができた。各国とも資金不足には悩まされている。日本も例外ではない。(例外的に予算がある国もある)
日本代表渡航費支援のための応援Tシャツが販売されている。
もうひとつW杯応援プロジェクト始動!
グループリーグの日程は以下(時間はいずれも現地時間 日本時間は+7時間。大会公式HPによる)
8月6日 14時〜 ポーランドvs日本
8月8日 18時30分〜 日本vsサウジアラビア
8月10日 16時〜 ロシアvs日本
日本代表は、障がい者サッカー7団体の共通ユニフォームに身に纏い大会に臨む。
前回大会を越えるファイナリストが目標だ。
尚、知的障がい者サッカーを継続的に取材されているカメラマン内田さんのブログも知的障がい者サッカーを知る一助となる。
IndigoBlue 1型糖尿病カメラマンのブログ/ウェブリブログ