サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

知的障がい者サッカー日本代表 世界選手権6位

2018年08月18日 | 知的障害者サッカー

スウェーデンで開催中の知的障がい者サッカーのワールドカップ(INASサッカー世界選手権2018)で地元スウェーデンをPK戦の末、降した日本代表は5位決定戦でロシアと対戦。

日本の先発はGK内堀、5バック右から谷、草田、小林、結城、杉村。中盤は右から丸山、安達、徳村、木村。1トップに上山。
前半はロシア選手にイエロカードが乱れ飛ぶ荒れた展開だったようだ。(所用のため、後半からしか見れませんでした)。

後半、ポスト直撃の危ない場面等あったものの、日本代表は粘り強い守備でロシアに得点を許さない。先月の合宿では守備面でうまくいかない局面も見受けられたが、各々が連動した守備を見せる。

62分、上山に代わり原良田、87分には安達に代わって浦川が入り、4・1・4・1というか4・1・3・2のような布陣へ。
4バック右から谷口、草田、結城、小林。アンカーに徳村。2列目右から丸山、杉村、木村。2トップに浦川と原良田。

両チーム無得点のまま、延長戦へと突入した試合が動いたのは延長前半6分、ロシアにPKを与えて先制点を許してしまう。
延長前半14分には木村から平野へ交代。
なかなかチャンスを作り出せないまま試合は延長後半アディショナルタイムに。右サイドの密集から谷口がクロスを入れ、ゴール前で待ち構えていた原良田がうまく合わせて起死回生の同点ゴール!
2試合連続のPK戦へともつれ込んだ。
日本は1人目の徳村が止められ、2人目の草田が枠を外す。3人目浦川、4人目谷口は決めたものの、4人全員が成功したロシアがPK戦を制し5位となった。敗れた日本は6位の成績で全日程を終えた。

選手スタッフの皆さま、お疲れ様でした。


知的障がい者サッカーのW杯 日本代表敗れる(追記有)

2018年08月09日 | 知的障害者サッカー

スウェーデンで開催されている知的障がい者サッカーのワールドカップ、INAS World football championshipsで日本代表はグループリーグ第2戦でサウジアラビア代表と対戦。サウジは大会3連覇中の強豪。
5・4・1の布陣で臨んだ日本代表は、高い集中力と連動した守備でサウジアラビアの攻撃を跳ね返し続ける。
GK内堀はビッグセーブを連発、DF陣もスペースを与えず、シュートへの寄せも速い。
気持ちの伝わってくるプレーでサウジの分厚い攻撃を無得点に抑え込んでいたが、74分、サウジの右サイドからのクロスにうまく頭で合わせられ得点を許し、0-1と敗れてしまった。

日本代表はこれで2敗となり準決勝進出の可能性が消滅、ファイナリストという目標を実現することは出来なかった。
だがこの大会は順位決定戦があり、是非とも5位を勝ち取ってきてほしい。

ちなみにサウジ戦の先発は、GK内堀、ディフェンスは右から小林、草田、吉永、結城、谷口。中盤は右から佐藤、安達、徳村、木村。1トップに浦川。
前半浦川に代わって上山。63分には佐藤に代わり丸山、77分には木村に代わって原良田が途中出場している。間違っていたらすいません。

グループリーグ第3戦の相手はロシア、引き分け以上でグループリーグの3位が決まる。
今後の日程は以下(時間はいずれも日本時間)。

10日23時~  グループリーグ第3戦 ロシア戦

(追記) 日本代表はグループリーグ第3戦でロシアに1-2と敗れ3戦全敗となってしまった。先制したが逆転されたようだ。 しかしまだ順位決定戦で5位になる可能性がある。

8月15日23時~ 順位決定トーナメント初戦 対戦相手はスウェーデン

8月17日23時~ 5-6位決定戦 15日の試合で勝った場合 対戦相手はロシアvsドイツ戦の勝者
8月18日1時30分(17日深夜)7-8位決定戦 15日の試合で負けた場合 対戦相手はロシアvsドイツ戦の敗者

 


サムライブルーに続き 知的障がい者サッカー日本代表が世界に挑む

2018年07月17日 | 知的障害者サッカー

昨日(7月15日)、知的障がい者サッカー日本代表の合宿に栃木県さくら市へと行って来た。
8月にスウェーデンで開催される「国際知的障害者サッカー連盟サッカー世界選手権スウェーデン2018」に向けた最終合宿である。
知的障害者サッカーのワールドカップであるこの大会は第1回大会が1994年オランダで開催され、2002年の第3回大会以来、ワールドカップ開催国で閉幕後におこなわれてきたが、今大会は(経緯はよくわからないが)ロシアではなくスウェーデンで開催されることになった。
 
知的障がい者サッカーとの個人的な関わりは、初めて見たのが2002年の日本大会。2006年ドイツ大会ではドキュメンタリー映画「プライドinブルー」撮影のため帯同。以降は時々、合宿の見学に行く程度である。3大会連続で監督を務められた小澤さんから西さんへ監督が代わって以降は、初めての見学となる。
西監督はヴォルカ鹿児島(現在の鹿児島ユナイテッドFC)のFWとして活躍、前回ブラジル大会にはコーチとしてチームに帯同した。


この日は栃木SCユ−スチームとの練習試合。30分×3本の試合がおこなわれた。
試合前には西監督から選手達へ、守備面、攻撃面への注意事項が伝えられる。
「新しいことは何も言っていない」という監督の言葉にあるように、ミーティングや練習でくり返されて来たことのようだ。

 選手達は新しい概念をスムーズに理解するのは難しい。

1本目は4・2・3・1の布陣。
先発メンバーのなかで前回大会から続いての出場となるのは5人。6人は今大会が初出場、初めて目にする選手が多かった。
既知の選手では、キーパーの内堀が引き締まった体で精悍な顔つきになっており、指示の声もよく出ていてとても頼もしく見えた。
代表選手達は知的障害として軽度とは言え、瞬時に言語化して指示を出すのは簡単ではない。

ベンチからも要所要所で西監督からの声が飛ぶ。印象的だったのは、問いかけのような声が多かったことだ。選手も以前言われたこと、あるいは練習したことを思い出して、動きを修正、練習の積み重ねが窺い知れた。
「続けろ」という言葉もくり返され、守から攻への切り替え、攻から守への切り替えを徹底しようという意図が感じられた。
しかしこの日はかなりの猛暑、選手達はなかなかに大変そうだったが、スウェーデンでは楽に感じることだろう。

1本目は、コーナーキックの流れからこぼれ球への詰めの甘さ、あるいはDFラインの裏を取られたりで0−3で終了。

2本目、3本目は、大会へ向けてのオプションを増やすという意味もあったようで、5バックを試した5・4・1の布陣。
最初は人数が足りているのにも関わらず、カバーの意識が足りないなど連動性に欠けている部分もあったが、監督の指示もあり徐々に修正され守備も安定、失点も減った。
3本目には、4大会連続の出場となる浦川が1トップとして出場。故障もありベストな状態ではないようだが、ポストプレーで前線の起点となっていた。スウェーデンでは是非チームを引っ張っていってほしい。
初出場の選手達もボランチやセンターバック等で存在感を発揮しており、前回ベスト4に勝ち上がったメンバーとの融合が進み、いいチームに仕上がりつつあるようだ。 


日本代表チームは今月末の直前合宿を経てスウェーデンに出発。
大会には8カ国が出場し、4カ国ずつ2つのグループに分かれてグループリーグを戦う(予定)。

 帯同した2006年ドイツ大会は16カ国が参加していたが、参加国は減っているようだ。今回開催地のスウェーデンは前回大会の際、資金不足で参加を断念しかけたがイブラヒモビッチのポケットマネーで何とかブラジルに渡ることができた。各国とも資金不足には悩まされている。日本も例外ではない。(例外的に予算がある国もある)

日本代表渡航費支援のための応援Tシャツが販売されている。 
もうひとつW杯応援プロジェクト始動!


グループリーグの日程は以下(時間はいずれも現地時間 日本時間は+7時間。大会公式HPによる)

8月6日  14時〜    ポーランドvs日本
8月8日  18時30分〜   日本vsサウジアラビア
8月10日 16時〜    ロシアvs日本  

日本代表は、障がい者サッカー7団体の共通ユニフォームに身に纏い大会に臨む。
前回大会を越えるファイナリストが目標だ。 


尚、知的障がい者サッカーを継続的に取材されているカメラマン内田さんのブログも知的障がい者サッカーを知る一助となる。
IndigoBlue 1型糖尿病カメラマンのブログ/ウェブリブログ


知的障がい者サッカー日本代表、“誇りの”ベスト4

2014年08月25日 | 知的障害者サッカー

知的障がい者サッカー日本代表は、3位決定戦で0-2とポーランドに敗れたものの、史上最高のベスト4という成績で大会の全日程を終えました。

3位決定戦では、キャプテンでありチームの大黒柱の野澤選手が右肘脱臼という怪我を負い交代を余儀無くされたそうで、交代がなければゲームの流れもどう転んだのかわからないといった試合内容だったようです。
以前は、サッカーはとんでもなくうまいがとても無口で感情も表に出すことはなかった野澤選手でしたが、交代後にはベンチで号泣。キャプテンに指名され責任感が格段に増し積極的に話すようにもなった野澤選手、彼の思いを受け山内選手をはじめ他の選手たちも懸命に声を出しピッチを駆け回ったようです。
3位決定戦に敗れたのは残念ですが、ベスト4という成績は歴史に刻まれるべき素晴らしい成果だと思います。
この結果は偶然でもなんでもなく、自国開催の2002年から4大会連続で出場し続け知的障がい者サッカー日本代表の灯を絶やさなかったからこそ。ことに2006年以降は資金難に悩まされながらも出場を続けてきたからこそ。小澤監督をはじめスタッフの方々の熱心な粘り強い継続的な指導があったからこそ。そしてもちろん代表のみならず、地域での熱心な指導者の存在、それに応えた選手の頑張りがあったからこその成果だと思います。
彼らが苦手な、連係した守備、声の連係など、繰り返し繰り返し練習を積み重ねせ課題を徐々に克服した成果がブラジルでも発揮されたのだと思います。

また準決勝や3位決定戦で敗れることはグループリーグで敗れた以上の悔しさもあったかと思います。そこまでいったからこそ得られた悔しさとでもいうのでしょうか。
代表チームは平均年齢もまだまだ若いようです。
次回大会以降、さらなる高みを目指してほしい。私なんかがとやかく言うまでもなく、選手たちはおそらくもうすでに先を見据えていることでしょうが。


知的障害のサムライブルー 準決勝敗退 3位決定戦へ

2014年08月22日 | 知的障害者サッカー

ブラジルで開催中の知的障害者サッカーの世界大会、INAS-FIDサッカー世界選手権大会。
知的障がい者サッカー日本代表はサウジアラビアに1-3と敗れ、3位決定戦にまわることになりました。

詳しくは日本知的障がい者サッカー連盟のHPを参照。
http://jffid.com/post-2817-2817.html

試合経過を見ると前半12分にPKで先制されたようですが、「ファールでしか止められなかった」という感じだったんでしょうか。サウジにはスピード溢れるFWがいたようですし。
(訂正・クリアボールが味方の手に当たり、ハンドを取られたそうです)
その後、前半20分に追加点を奪われ、前半終了間際に再びPKで0-3。しかし試合終了間際の後半45分に浦川選手のゴールで1点を返し、次につながるゴールとなったようです。

3位決定戦の相手は、準決勝で南アフリカに1-1とPK戦の結果敗れたポーランド。
キックオフは、日本時間の8月23日(土)22時。
ポーランドは、グループリーグで1-5と敗れた相手なのでもちろん難敵ですが、最終戦の勝利を願うのみです。
決勝は、サウジアラビアvs南アフリカ。
ベスト4に残った国でFIFAワールドカップにも出場しているのは日本だけですね。

ところでグループリーグ最終戦ドイツ戦(7-0で勝利)の試合映像ダイジェストを見ましたが、ドイツが退場者を出したのは日本が3-0とリードした後でした。ドイツが退場者を出したことも勝因の一つかと思っていたのですが、11人対11人の時点で3点奪っていたわけですね。この点は特筆すべきこと。
浦川選手のハットトリックはもちろん素晴らしいですが、ペナルティエリアにドリブルで切れ込みDFを引きつけアシストを決めたりと、キレのある動きを見せていました。
ダイジェスト映像はドイツの立場からすると失点シーンばかりで良い所はないのですが、それにしても2006年に見たドイツよりかなり力が落ちる印象ではありました。もちろん日本が強くなった、成長したとも言えるわけですが。ドイツは強化合宿などあまりやれなかったんでしょうか。ちょっとよくわかりませんが。

それはともかく、とにかく最終戦は選手・スタッフともに悔いのないように“やりきってほしい”と思います。