今大会のサムライブルーに関して、いまだ“もやもや感”がおさまりません。
もやもや感解消のために、おちゃらけたことも書いたりはしていたんですが。
それはともかく、何がもやもやしているかと言えば、結果ではありません。
結果に関しては、以前グループリーグ突破確率54%、敗退の確率は46%くらいと書いたように、敗退も充分あり得ると覚悟していました。もちろん勝ち進んでくれることを願っていましたが、以前と違い相手も日本のことを相当研究してきますし、突破は簡単ではありません。
しかし多くのメディアやライトなファン層が敗退だけを受けていろいろと言うので、よけいにイライラとモヤモヤが高まったりもするのですが。
では、もやもやしているのは何かというと、意思統一とコンディショニングです。
意思統一とは、ピッチ上の選手たちの意思統一ができていなかったこと。
初戦のコートジボワール戦の前半で、前線の選手は「前から」いこうとしたが、中盤より後ろの選手はさがってしまった。
今大会に臨むにあたって多くの選手は、ディフェンスラインを上げて「前から行く」サッカーを志向していました。それは南アフリカ大会で「引いた」サッカーをやったことから一歩前に進むためでもあったわけです。
もちろん時間帯によっては「引いて」ブロックを固めることもあっていいのですが、後ろは「引いた」けど、前は「前から」いった。まったく連動していなかったわけです。
私は、日本チームの強みは「意思統一」ができることだと思っていました。ジーコ監督時代の反省などを踏まえ、その点は最低限、できていなくてはならないという言い方も出来るかと思います。
意思統一することなしに相手に勝つことは出来ませんし。
そこが出来ていなかったことがショックで、何故なんだろうと、いまだにモヤモヤ感が残っている点です。
ところで先日のNHKやTBSの総集編では、1点先制したことにより守備の選手は守りに入り、攻撃の選手はもう1点を取りにいこうとした。その点で意思統一ができていなかったというくくりだったのですが、とても違和感がありました。先制する前も先制した後も、あまり変わりがないように見えたからです。守備の選手としては立ち上がり慎重に入り引いてしまい、先制したことでその状態を持続したということでしょうか。
ただハーフライムに話し合いや監督の指示もあったでしょうし、後半、遠藤選手が出てきてドログバ選手が出てくるまでの時間帯は、前から行くという「意思統一」がある程度できていたように思えます。
(その点は両方の総集編も無視、省略していました)
しかしドログバ選手が出て再び「引いて」しまった。そこでまた「意思統一」が崩れた。前半頭から「前からいく」守備で入っていれば、ずるずると下がらなかったのかもしれません。
おそらくザッケローニ監督のゲームプランでは、長谷部選手が出場している時間帯はまずは失点しないことが優先、遠藤選手が交代出場した後に1点とって勝つ、あるいは最低でも引き分けるというゲームプランだったのでしょうが、だとしたら監督の前線の選手に対する指示が不適格だったということになりますが、そのあたりのことはよくわかりません。2失点してからはザッケローニ監督も混乱していたのか、ぐちゃぐちゃでしたけど。
とにかく90分を通してチームが一枚岩ではなかった。それだけは確かです。
もちろん相手があることですから、こちらのやりたいようにやれるわけではありません。
コートジボワールは、ボランチが下がって右サイドバックがワイドにはり、日本の守備の弱点の左サイド(香川選手サイド)をついてきた。研究してきたといえばそれまでですが、誰もが考えそうなことでもあります。
とにかく選手監督を含めての意思統一ができていなかった。そこがショックでいまだにもやもやしている点です。
言い方を代えれば、意思統一が出来ていなかったことが敗因のワールドカップは見たくなかったということでもあります。だってそれならば自滅だし。
もう一点はコンディショニング。
ジーコ監督時代、ドイツ大会でコンディショニングに失敗したことを受け、南アフリカではコンディショニングがうまくいきました。コンディショニングの勝利といってもいいくらいのことだったと思います。
その流れもあり、コンディショニングは日本サッカーの強みだと強く信頼していました。
ところがどうにもコンディショニングがうまくいっているようには見えなかった。
怪我をしてリハビリをしていた3選手(内田、吉田、長谷部の3選手)は、割合うまくいっているように見えましたが、それ以外の選手のコンディショニングがうまくいっているように思えなかった。
いったい何故なのか?
多くのメディアの方々も指摘していますが、情報は不足しているようで、いまだ闇の中です。
その点はとてもとてももやもやしています。
上記の2点は日本代表を信頼していたのに…、なんだか裏切られてしまったような印象なんです。
ところで多くのメディアで語られている「世界との壁」という言い方はとても違和感があります。
ザッケローニジャパンが、日本代表史上最強だったことはまぎれもない事実だと思います。
各選手の調子が良かった時というエクスキューズはついてしまうのですが。
しかしワールドカップで結果を出せなかったことも、また事実。
もっともっと健全な批判はあっていいと思っています。
ただ4年前のような戦い方をするべきだったという批判は、かなり違和感があります。
「そうではない戦い方をする」と多くの選手たちも言い続けてきたからです。
しかしザッケローニジャパンが嫌いな人もいるでしょうし、ずっと4年間嫌いだった人はそういう批判の仕方もありだと思います。