先日、知的障害者サッカー日本代表の合宿が行われ、合宿初日の練習試合を観に行った。
対戦相手は都内の高校サッカー部、代表チームが先制したものの2対4と敗れた。
オリンピックの後にパラリンピックが開催されるように、知的障害者サッカーの世界大会は4年に一度、サッカーワールドカップが開催された国で閉幕後に開催される。そういったシステムになったのは日韓ワールドカップの時以来、その時は日本のみで開催された。続くドイツでの大会に参戦したチームを追った映画が私の監督作「プライドinブルー」である。
来年はブラジルワールドカップ、知的障害者サッカーの世界大会も開催される。その大会に向けての合宿というわけである。
代表チームの試合を観るのは3年ぶり、南アフリカでの世界大会前の国内合宿以来。
各自の個人技術はかなり上がっている印象で、守備や攻撃における連携も以前と比べて随分スムーズだった。ただ“世界”を見据えるとまだまだ足りない点、克服すべき課題も多々あることも事実、来年の大会に向けて更なるレベルアップを図ってほしい。
例えば連携、連動、予測などは彼らの苦手な範疇、しかし積み重ねていくことで進化してきているし、これからももっと良くなっていくだろう。
ところで以前、映画「プライドinブルー」を観た方の感想で多かったのは、サッカーうまいですね」。それに対し私は「うまくないです。むしろ下手です」と反論することも多かった。確かにうまい選手もいるのだが、チームとしてはグループリーグの3試合は全敗だったわけだし。
「うまい」と感じるのは、言葉を代えれば「思っていたよりうまい」ということだろう。
おそらくイメージされるのは実際の代表選手たちより障害が重い人たちのサッカー。だが実際に代表に選ばれる選手たちは、相対的に言えば障害的には軽い。しかし軽いからこその大変さがあるわけで、そのあたりがなかなか理解されない点である。
ちなみに知的障害者サッカー代表チームを初めて観たのは、2002年の大会。何の先入観も無しにただサッカーとして観に行った。無料だったし。日本チームを初めて観たときの印象は「あんまり強くないし、面白くもないな」。それに比べてオランダチームは面白かった。オランダ代表を彷彿させる4・3・3のシステムからのウィングからの攻撃、うまくて速くて面白かった。
その当時と比べると日本チームも格段に進化してきていて、「かなり強くなり、かなり面白くなってきてます」
合宿初日を見学した翌日から、ヨーロッパに来ています。