サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

知的障害者サッカー日本代表合宿

2013年09月22日 | 知的障害者サッカー

先日、知的障害者サッカー日本代表の合宿が行われ、合宿初日の練習試合を観に行った。
対戦相手は都内の高校サッカー部、代表チームが先制したものの2対4と敗れた。

 オリンピックの後にパラリンピックが開催されるように、知的障害者サッカーの世界大会は4年に一度、サッカーワールドカップが開催された国で閉幕後に開催される。そういったシステムになったのは日韓ワールドカップの時以来、その時は日本のみで開催された。続くドイツでの大会に参戦したチームを追った映画が私の監督作「プライドinブルー」である。

来年はブラジルワールドカップ、知的障害者サッカーの世界大会も開催される。その大会に向けての合宿というわけである。

代表チームの試合を観るのは3年ぶり、南アフリカでの世界大会前の国内合宿以来。

各自の個人技術はかなり上がっている印象で、守備や攻撃における連携も以前と比べて随分スムーズだった。ただ“世界”を見据えるとまだまだ足りない点、克服すべき課題も多々あることも事実、来年の大会に向けて更なるレベルアップを図ってほしい。

例えば連携、連動、予測などは彼らの苦手な範疇、しかし積み重ねていくことで進化してきているし、これからももっと良くなっていくだろう。


ところで以前、映画「プライドinブルー」を観た方の感想で多かったのは、サッカーうまいですね」。それに対し私は「うまくないです。むしろ下手です」と反論することも多かった。確かにうまい選手もいるのだが、チームとしてはグループリーグの3試合は全敗だったわけだし。

「うまい」と感じるのは、言葉を代えれば「思っていたよりうまい」ということだろう。

おそらくイメージされるのは実際の代表選手たちより障害が重い人たちのサッカー。だが実際に代表に選ばれる選手たちは、相対的に言えば障害的には軽い。しかし軽いからこその大変さがあるわけで、そのあたりがなかなか理解されない点である。


ちなみに知的障害者サッカー代表チームを初めて観たのは、2002年の大会。何の先入観も無しにただサッカーとして観に行った。無料だったし。日本チームを初めて観たときの印象は「あんまり強くないし、面白くもないな」。それに比べてオランダチームは面白かった。オランダ代表を彷彿させる4・3・3のシステムからのウィングからの攻撃、うまくて速くて面白かった。
 その当時と比べると日本チームも格段に進化してきていて、「かなり強くなり、かなり面白くなってきてます」

合宿初日を見学した翌日から、ヨーロッパに来ています。

 


オリンピック!パラリンピック!デフリンピック…

2013年09月08日 | 障害者サッカー全般

2020年のオリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決まった!

ということは、パラリンピックのサッカー競技であるブラインドサッカー、CPサッカー(脳性麻痺7人制サッカー)の開催国枠出場も決まったということだろうか。
オリンピックとはレギュレーションも違うかもしれないのでちょっとよくわからないが、真っ先に思うのはそのことだ。
まあでもその前に是非、アジア予選を勝ち抜いてリオデジャネイロパラリンピックへ初出場してほしい。

ところでオリンピック選手は文部科学省、パラリンピック選手の強化は厚生労働省と管轄が分かれていたが、来年度からは文部科学省に一元化されるそうだ。
オリンピック、パラリンピックの東京開催が決まったことで、スポーツ庁、あるいはスポーツ省が創設され、健常者のスポーツは文部科学省、障害者のスポーツは厚生労働省といった縦割り行政に風穴が空いてくるだろうか。
是非そうなってほしい。

オリンピックと連動しパラリンピックは注目されてくるだろうが、パラリンピック競技にはない障害者スポーツはたくさんある。
サッカー競技に限っても、ろう者サッカー、知的障害者サッカー、アンプティサッカー、電動車椅子サッカーがあり世界大会も開催されている。
しかしパラリンピックの2種目とともに、いずれも厚生労働省の管轄で日本サッカー協会には属していない。

イスタンブールは2020年のオリンピック・パラリンピック招致には敗れたが、次回2017年デフリンピック(聴覚障害者のオリンピック)開催地はトルコのアンカラだ。
トルコだってデフリンピックと、オリンピック・パラリンピックをやろうとしていたわけだ。
日本もいっそのこと2021年デフリンピックもやったらどうだろうか。
日本にスポーツがスポーツとして根付く大チャンスなのだから。

さすがに眠くなってきた。
まったくまとまらないが、寝ます。


電動車椅子サッカー関東大会

2013年09月02日 | 電動車椅子サッカー

日曜日は電動車椅子サッカー関東大会に行ってきました。
茨城県では初めての開催だということで、運営スタッフやボランティアスタッフの方々の頑張りが印象的でした。
各チームのユニフォームをデザインした手作りのポスターなどもありました。

大会は、ディビジョン1(技術を高めていくことを重視・5チーム参加)とディビジョン2(身体機能の改善と楽しさを重視・6チームが参加)に分かれていて、ディビジョン1がレインボー・ソルジャー(東京)、ディビジョン2がBLACK HAMERS(埼玉)の優勝となりました。

ディビジョン1は、優勝候補のレインボー・ソルジャーとYokohama Crackers(神奈川)が1回戦で早くも激突、Crackersが先制するもレインボーが追いつく展開となり後半終了時点で2-2、大会規定でPK戦へ突入、レインボーがPK戦を制し2回戦へ進出しました。
この2チームのPK戦は何度も見ました。
レインボーは2回戦でFINE(東京)を2-1と破り、決勝ではYOKOHAMA Bay Dream(神奈川)の挑戦を2-1と退け、2大会連続の優勝となりました。
MVPはレインボーの内橋選手、ゴールハンターとしていつも“いい感じ”です。
3位は敗者復活戦で勝ちあがったCrackers。4位がFINE。5位はウイニング フェニックス(千葉)。ディビジョン2は横目でチラチラとみる程度で終わってしまいました。
レインボーは直近の5大会で4回優勝しているということになります。2年前の大会で1度優勝したのがYokohama Crackers!
ドキュメンタリー映画の撮影としては、現在のところチームとしては日本代表、関東選抜、そしてYokohama Crackersを追っています。
(あ、でも、注目しているチームはたくさんあります!)
ですから心情的にはYokohama Crackersの応援になってしまいます。
そういった意味ではちょっと悔しい結果でもありました。


ところで基本的には電動車椅子サッカーの大会にはドキュメンタリー映画の撮影で行っいて、いろいろと思うところ(映画として)がたくさんあるのですが、制作途中ということもありあまり詳しくは書いていません。

映画の完成予定はいつかといいますと、2年半後の2016年3月です。
先は長い…。 
どうか関係者の皆さま、懲りずにお付き合いください。