サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

知的障害のサムライブルー、準決勝進出決定!

2014年08月20日 | 知的障害者サッカー

知的障がい者サッカー日本代表の準決勝進出、ベスト4以上が決定!
対戦相手は2大会連続優勝のサウジアラビア。資金面では負けているかもしれないが、ピッチ上で勝ちをもぎ取ってほしい! ちなみにサウジアラビアはグループリーグを、vsスウェーデン9-0、vsフランス5-0、vs南アフリカ7-1の3勝、勝ち点9、得失点差➕20でグループリーグを1位通過。
試合日程は、日本時間の8月21日木曜日23時40分~。日本は中3日、サウジは中1日。
もう一つの準決勝は、ポーランドvs南アフリカ。

決勝は8月24日月曜日午前3時~(23日深夜)。
3位決定戦は23日(日)22時~。

*試合はいずれも日本時間


知的障害のサムライブルー、準決勝進出濃厚!

2014年08月19日 | 知的障害者サッカー

現在ブラジルで開催中の知的障害者サッカーの世界大会、INAS-FIDサッカー世界選手権ブラジル大会。
日本代表はグループリーグ第3戦のドイツ戦に7-0で勝利、グループリーグを1勝1敗1分けの勝ち点3得失点差+3で終え、決勝トーナメント(=準決勝)進出が濃厚になった。

ドイツは退場者を2人出し“自滅した”ようだ。知的障害者サッカーの場合、精神的にもろい側面を持っている選手も多く、一度気持ちが切れると立て直すのは容易ではない。そのあたりがドイツチームはうまくいかなかったのかもしれない。一方の日本は、小澤監督の12年間の粘り強い指導の下、技術戦術面での成長はもちろんメンタル面での成長も大きい。合宿に足を運んだ際、その点は強く感じた。運も味方した側面もあったのかもしれないがチームの総合力アップが呼び込んだ勝利という気がしてならない。ドイツは8年前の大会の開幕戦で0-3と涙をのんだ相手、倍にして借りを返したことになる。

現在のグループBの順位は1位ポーランド、2位日本、3位ブラジル、4位ドイツ。ポーランドは1位通過、ブラジルはグループリーグ敗退が決定。この大会は変則日程で行われているため、19日のドイツvsポーランドの対戦が終わるまで日本の最終順位は確定しないがドイツがポーランドに11点差をつけて勝たない限りは日本が2位通過となる。もしかりにドイツが11点差で勝利すればドイツが2位通過、日本はグループリーグ3位となり5位ー6位決定戦にまわることになるが、現実的には考えにくい。
一方グループAはサウジアラビアと南アフリカがグループリーグ突破を決め、19日の直接対決で順位が決まる。
3位はフランス、イブラヒモビッチの支援を受け出場したスウェーデンは3戦全敗の得失点差ー21で4位となり7-8位決定戦にまわる。

日本がグループリーグ突破した場合、準決勝は20日水曜日におこなわれ、対戦相手はサウジアラビアか南アフリカ。両チームは前日に試合を行っているため、コンディション的には有利となる。
(しかしどういう日程なんだ)
(*追記訂正 準決勝は8月21日木曜(現地時間11時40分~、日本時間23時40分~)に2試合ともおこなわれるようです。したがってサウジアラビアは中1日、日本は中3日ということになります)


今回は参加国が少なかったことも準決勝進出を濃厚にした一つの要因ではあると思う。もちろん日本チームが自力をつけてきたことが好結果を生んでいるわけであるが、参加し続けていること、チームがチームとして機能し続けていることも大きな要因だ。出なければ勝てないのだ。資金的にも大変な状況のなか出場し続けているからこそ、よりよい結果が生まれようとしている。
一つでも上の順位を持ち帰って来てほしい。

ドイツ戦の行われた日は応援ユニフォームをずっと着てたんだけど、水曜日も着ておかないと!

尚、試合結果の詳細は日本知的障がい者サッカー連盟のHPに随時掲載されています。
http://jffid.com/tag/%E7%9F%A5%E7%9A%84%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC

ブラジル戦のダイジェスト映像を見ましたが、浦川選手の積極的な攻めの姿勢が目に付きます。頼もしい限り。

*文中の試合日程はいずれもブラジル時間。


知的障害のサムライブルー、開催国ブラジルに引き分ける(追記有)

2014年08月15日 | 知的障害者サッカー

(代表チームのスタッフの方の書き込みや、投稿された得点の映像などをもとに想像を加味して書いています。実際と異なる点、また公式記録と食い違う点があるかもしれません)

現在ブラジルで開催中の知的障害者サッカーの世界大会、INAS-FIDサッカー世界選手権ブラジル大会。
日本代表はグループリーグ初戦で開催国ブラジルと対戦。
前半終了間際に先制され、後半1分に追加点を奪われ2点のリードを許すものの、後半41分、44分と立て続けにゴールを決め2対2と引き分けに持ち込み、初戦で貴重な勝ち点1を得た。

後半41分の1点目は左サイド安達選手のスローインから、徳村選手が競り合ったルーズボールをボランチの山内選手がスライディングしながら前線へ、右MFの谷口選手(おそらく谷口選手だと思うのですが)が1タッチでアウトサイドのスルーパス、パスを受けたFW浦川選手の見事なループ気味のシュートが決まる。
日本代表は0対2の劣勢となり、徳村選手が投入され3トップになっていたように見えます。(ボランチ、DFのどちらをけずったのかは不明)。ボランチも押し上げていて、チーム全体で点を取りに行こうという姿勢が出た、繋いで
もぎ取った得点だったように思えます。
浦川選手は左MFをやることも多かったのですが、この試合はおそらくFWでの先発。彼のうまさ、攻撃力が活きたゴールでした。

2点目はFW森山選手の見事な切り返しからの左足シュート。素晴らしいゴールです。

以前のチームは、優勢の時は良いのだけれど劣勢に立たされるとシュンと落ち込んでしまう印象があったのですが、0対2から追いつけたメンタル面での成長は特筆すべき。地道な練習の積み重ねがメンタル面での成長を即したのかと思われます。

そしてグループリーグ2戦目の相手はポーランド。
キックオフは日本時間の8月15日23時40分!

参考までに、後半40分過ぎのメンバーは、GK加藤、DF野澤、結城、櫻井、ボランチ山内、左MF安達、右MF谷口、3トップに浦川、森山、徳村のようです。もう一人が右サイドバックの峰なのか、ボランチの徳丸あるいは木村なのかはわかりませんでした。おそらく4・4・2でスタートし、最終的に3トップ気味にしたのかと思われますが未確認です。

(追記)
 第2戦ポーランド戦、前半4点を奪われた日本は後半櫻井選手のゴールで1点を返すものの、パワーに勝るポーランドには1対5で敗れた。
 ポーランドは前回大会3位で、2012年欧州選手権で優勝(準優勝かもしれません)と近年飛躍を遂げているチームのようです。
グループリーグ突破をかけた第3戦の相手はドイツ。知的障害者サッカーの世界では、ポーランドよりは力が落ちるようですが…。
キックオフは日本時間の17日22時~のようだ。


知的障がい者サッカーの世界大会 対戦相手が変更に

2014年08月12日 | 知的障害者サッカー

ブラジルで開催される知的障がい者サッカーの世界大会(INAS-FIDサッカー世界選手権大会)の試合日程などが変更されたようです。(*INAS-FID=国際知的障害者スポーツ連盟)
アルゼンチンが資金難で急遽参加できなくなったようで、そのためあらためて組み分けがありました。
当初9か国が3つのグループに分かれる予定が、8か国が2つのグループに分かれることになり、日本はブラジル、ポーランド、ドイツと同じ組になったようです。
当初のグループリーグの予定は13日VSサウジアラビア、15日VSスェーデンの2試合でしたが、以下の日程に変更。
13日VSブラジル、15日VSポーランド、17日VSドイツの3試合に変更。
上位2位以上が準決勝進出、3~4位は5~8位決定戦にまわるものと思われます。

直前の棄権は珍しいものではなく、毎回、数ヶ国が資金難で大会への参加を断念しています。アルゼンチンは前回の南アフリカ大会に続いての棄権となります。初戦であたるブラジルも前々回、前回と棄権した国です。確か、前々回ドイツ大会でブラジルが棄権した代わりにボスニア・ヘルツェゴビナが出場した記憶があります。ヨーロッパ開催の場合は棄権する国があった場合、別の国が急遽出場するということが可能でしたが、南アフリカやブラジル開催の場合は単純に数が減ってしまいます。

では日本が対戦する相手の実力はどのくらいのものなのでしょうか?
ブラジルは2大会出場していませんが、第2回大会では準優勝していますしやはりブラジルですからね。
また開催国の初戦でもありどのくらいの観客が集まるのかも注目です。
ポーランドは前回大会3位。ドイツは6位です。日本は10位です。
おそらくすべて格上のチームであると思われますが、まずは開催国ブラジルとの初戦というアウェイの状況のなかで、日本の選手たちには思いっきり暴れまわってほしい。
そして是非勝ち点をもぎ取ってほしい。出来れば3を!

参考までにこれまでの大会の参加国数の推移並びに優勝準優勝国です。
第1回オランダ大会(1994年)  参加国12 優勝ルーマニア 準優勝スロヴァキア
第2回イギリス大会(1998年)  参加国15 優勝ポーランド 準優勝ブラジル
第3回日本大会(2992年)    参加国16 優勝イングランド 準優勝オランダ
第4回ドイツ大会(2006年)   参加国16 優勝サウジアラビア 準優勝オランダ
第5回南アフリカ大会(2010年) 参加国11 優勝サウジアラビア 準優勝オランダ
オランダが準優勝だらけというのもオランダらしいのですが…、今大会は不参加です。

追記 ブラジルとの開幕戦は、2対2の引き分け。

「知的障がい者サッカー日本代表」いよいよブラジルへ

2014年08月07日 | 知的障害者サッカー
4年に一度の知的障がい者サッカーの世界大会が、目前に迫ってきました。

知的障がい者サッカー日本代表は国内合宿(栃木県さくら市)の真っ最中、昨日(6日)合宿地まで最終強化試合を見に行ってきました。
対戦相手は栃木県内の高校サッカー部、相手はかなりリトリート(引いて守る)した戦い方だったので、いかに攻め切るか、またボールを奪われた際に攻から守への切り替えを速くしてカウンターから失点しないということがテーマとなり、試合自体は代表が勝利しました。
前々回の合宿で見た時より、各選手のパフォーマンスや連係も向上しているようでした。
得点の場面もいずれもすばらしいものでした。
例えばボランチの山内選手から裏に抜ける左MF安達選手へ浮き球のパスが通り、安達選手のシュートはいったんはGKに弾かれるものの押し込む。右サイドバックの峰選手の左足での見事なシュート。センターバックの野澤選手のいい上がりから中央の浦川選手へ、浦川選手が冷静にゴール右隅に蹴り込む。交代出場の左サイドバック村山選手のパスを受けた浦川選手が再びゴール。
そして90分を終えた後に30分行われた3本目には下村選手もゴールを決めました。
しかしサムライブルーの例を出すまでもなく、直前の強化試合の結果が本線の結果には必ずしも結びつきません。
小澤監督も「ボールや相手に対してもっと厳しく強くいってほしい」という思いがあったようです。
球際で激しく行けるかというのは課題の一つ。性格がやさしすぎるからか強引にいけないということも時折見受けられますが、世界で勝つためにはその壁も乗り越えなくてはならない。
 
実際、グループリーグ初戦での対戦が決まっているサウジアラビアは、2大会連続優勝の強豪。強化試合で対戦した相手よりかなり強い相手です。もちろんそのことは選手自身もわかっています。4年前には0-4で悔しい敗戦を喫した相手ですから(惜しいチャンスなどはあったようですが)。サウジのスピードのあるFWを止めるのはかなり難しいミッションになるようです。
フル代表の世界ではサウジアラビア代表よりサムライブルーの方が自力では上でしょうが、知的障がい者サッカーの世界ではサウジの方が格上です。サウジは毎回かなりの長期合宿を経て大会に臨むようでかなりの強化資金が注ぎ込まれているようです。(直接確認したわけではなく間接情報から想像しています)。日本は資金の問題や仕事・学業のこともあり、サウジのような長期合宿は不可能です。
 しかしグループリーグ突破のためには初戦のサウジ戦で、何とか勝ち点1をもぎ取る必要があります。もちろん勝つにこしたことはありませんがそう簡単にはいかないでしょう。仮に負けるとしても最少失点におさえる必要がある。今大会は参加国は9か国と少なく、グループリーグも2試合だけ。初戦はより重要となります。
そして第2戦で対戦予定のスウェーデンには絶対に勝つ必要があります。スウェーデンはヨーロッパのなかでは多少力が落ちる国のようです。

知的障がい者サッカー日本代表は、12年前、8年前、4年前より明らかに強くなっています。総合力では史上最強と言ってもいいと思います。しかし世界に出ればまだまだチャレンジャー。勝ち上がるのは容易ではありません。そうではありますが、サムライブルーが成し遂げられなかったグループリーグ突破を果たしてほしい。あのブラジルの地で。
 
ところで今回の合宿を見て個人的に嬉しかったのは、GKの加藤選手のパフォーマンスが6月の合宿よりはかなり上がってきたこと。6月は正直言ってパフォーマンスの低下にショックを覚えたほどでした。私の監督作「プライドinブルー」で中心に描いた選手でもありますし思い入れがあります。もちろん同じく3大会連続出場の野澤選手と浦川選手もチームの大黒柱として頑張ってほしい。
野澤選手は今大会慣れないセンターバックをつとめます。合宿で少し話しましたが「センターバック、全然わかんないっす。自分なりの方法で止めるしかないっす」と頼りなさそうだが頼もしい言葉を聞かせてくれました。
客観的に見るとかなり慣れてきている印象ですし、是非、周りに的確な指示を出し深い“読み”を活かして守り、抜群の攻撃力も見せてほしい。野澤選手は大人になったからなのかキャプテンを任されたからなのか以前よりかなりしゃべるようになった印象で、サッカーが彼を成長させたのでしょうか。
そして浦川選手。「俺が決めなきゃ誰が決める」くらいの強い気持ちでゴールを決めてほしい。力があることははっきりしているんだし。
もちろん結果としては誰が決めてもいいんですが。FWの森山選手、あるいは安達選手や谷口選手が裏に抜けて、山内、木村、徳丸選手などのボランチ陣のミドルシュートや飛び出しでもいいのですが。
 
注目の日本の初戦は8月13日9時(日本時間同日21時)サウジアラビア。
第2戦は8月15日15時(日本時間の翌日AM3時)スウェーデン。
ちなみにグループAはブラジル、アルゼンチン、フランス。グループCはドイツ、ポーランド、南アフリカ。
各グループの1位と、2位の最上位国が準決勝進出。その他のチームは5〜9位決定戦に回ります。
南米開催で資金などの面で参加出来ない国もあり、以前の大会より参加国が少なくなったことが想像されます。

日本代表は明日(7日)ブラジルへ出発。
朗報を待ってます!