タイでは4月13日から15日までの3日間、ソンクラーンというお祭りがある。
華やいだうかれた雰囲気は、正に正月である、この間は役所も会社も商店街も皆休みで、オープンしているところはほとんどない。何処もないといってもよいだろう。
このお祭りは水掛け祭りで、トラックの荷台に水瓶をつんで、町中走り回り、道行く人に水をかけて面白がっている。いやお祝いをしているのだろう。
それだけではなく、歩いて街ゆく人にも後ろから、前から無条件に水をぶっかける。若い女の子などは
ブラウスが掛けられた水のために、体にぴちゃっとくっついて、ボデイラインがはっきりと浮かび上がり、膨らんだ胸のあたりは。すけすけで黒い乳房が二つ丸見えだ。
これは面白い。タイの若者はいいことをやってくれるじゃないか。高見の見物を決め込んで、僕は腹の内でにやにやしながら、バスの手すりにもたれて眼の保養をした。
ここ何年かバンコックには来ているが、僕がこの祭りにぶっつかったのは、今回がはじめてある。市民はバケツを持った水掛けゲリラとなり、市街戦を繰り広げる。もちろん無礼講である。
大人も子供も、旅行者も関係なく、全員が水浸しになる日だ。水かけと言うくらいだから、水をかけるほうも、掛けられる方も、それによってお祝いをしている気分に成るのだろうから、特に掛ける方は遠慮会釈は無い。何処でもいい、だれでもいい、辺り構わず水をぶっかけるだけでなく、追いかけてきて水を掛ける。
標的は同胞だろうが、外人だろうが全くお構いなしである。バスの中から水掛けの様子をいくつも見ていたので、今日は注意して歩かねばと、出来るだけ細い道を選んで歩くことにした。
車が通らない分掛けられる危険が少なくて済むからだ。
バスを降りて路地に入り込んで、うまくかわそうと思ったが、僕は地理に詳しくないために、結局は大通りを歩く羽目になった。
車のとおる道は後ろからやってくる車に、いつ何時おそわれるかわからないので、僕は後ろを振り返り振り返り前へ歩いていた。その時急に少年が前方から、僕に近づいて来るのが眼に付いた。
やばいと思うまもなく、彼は後ろ手に隠し持っていたブリキの缶の水を僕の首を捕まえて背中に流し込んだ。
「ちきしょう。何をするんだ。」僕は叫んだが、水はベルトのところで、だぶだぶになって止まった。
そして水は背で抱えていたバックにも進入した。
昨日日本で買ってばかりで、持ってきた未だ使ってもいないビデヲカメラも水浸しになったのだ。
ベルトの水は、そのままにして、すぐさまバッグを逆さまにして水を出して、ビデオカメラを取り出し、腰にぶらさげていたタオルで綺麗に拭いた。
バッテリーをはずして、中のなかまで綺麗に拭いたが、水が機械の中に入ったらしく、電源を入れてもピクリともしない。
あーあ、やられたか。ためし取りもしていないのに使えないとは。
情けないというのか、腹立たしいというのか、僕はここがバンコックだという事も忘れて
「馬鹿野郎、野蛮人。」と怒鳴った。
華やいだうかれた雰囲気は、正に正月である、この間は役所も会社も商店街も皆休みで、オープンしているところはほとんどない。何処もないといってもよいだろう。
このお祭りは水掛け祭りで、トラックの荷台に水瓶をつんで、町中走り回り、道行く人に水をかけて面白がっている。いやお祝いをしているのだろう。
それだけではなく、歩いて街ゆく人にも後ろから、前から無条件に水をぶっかける。若い女の子などは
ブラウスが掛けられた水のために、体にぴちゃっとくっついて、ボデイラインがはっきりと浮かび上がり、膨らんだ胸のあたりは。すけすけで黒い乳房が二つ丸見えだ。
これは面白い。タイの若者はいいことをやってくれるじゃないか。高見の見物を決め込んで、僕は腹の内でにやにやしながら、バスの手すりにもたれて眼の保養をした。
ここ何年かバンコックには来ているが、僕がこの祭りにぶっつかったのは、今回がはじめてある。市民はバケツを持った水掛けゲリラとなり、市街戦を繰り広げる。もちろん無礼講である。
大人も子供も、旅行者も関係なく、全員が水浸しになる日だ。水かけと言うくらいだから、水をかけるほうも、掛けられる方も、それによってお祝いをしている気分に成るのだろうから、特に掛ける方は遠慮会釈は無い。何処でもいい、だれでもいい、辺り構わず水をぶっかけるだけでなく、追いかけてきて水を掛ける。
標的は同胞だろうが、外人だろうが全くお構いなしである。バスの中から水掛けの様子をいくつも見ていたので、今日は注意して歩かねばと、出来るだけ細い道を選んで歩くことにした。
車が通らない分掛けられる危険が少なくて済むからだ。
バスを降りて路地に入り込んで、うまくかわそうと思ったが、僕は地理に詳しくないために、結局は大通りを歩く羽目になった。
車のとおる道は後ろからやってくる車に、いつ何時おそわれるかわからないので、僕は後ろを振り返り振り返り前へ歩いていた。その時急に少年が前方から、僕に近づいて来るのが眼に付いた。
やばいと思うまもなく、彼は後ろ手に隠し持っていたブリキの缶の水を僕の首を捕まえて背中に流し込んだ。
「ちきしょう。何をするんだ。」僕は叫んだが、水はベルトのところで、だぶだぶになって止まった。
そして水は背で抱えていたバックにも進入した。
昨日日本で買ってばかりで、持ってきた未だ使ってもいないビデヲカメラも水浸しになったのだ。
ベルトの水は、そのままにして、すぐさまバッグを逆さまにして水を出して、ビデオカメラを取り出し、腰にぶらさげていたタオルで綺麗に拭いた。
バッテリーをはずして、中のなかまで綺麗に拭いたが、水が機械の中に入ったらしく、電源を入れてもピクリともしない。
あーあ、やられたか。ためし取りもしていないのに使えないとは。
情けないというのか、腹立たしいというのか、僕はここがバンコックだという事も忘れて
「馬鹿野郎、野蛮人。」と怒鳴った。