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2022(R4)年一級建築士試験問題解説⑦

2022-11-22 12:47:23 | ビジネス・教育学習
◇2022年(R4年)の一級建築士試験問題について、独断と偏見で解説を進めていきます。
◇一級建築士の来年度(令和5年度)試験を受験される方のお役に立てればと思っております。
◇記述するのは解説だけですので、問題文については、公開されています、公益財団法人建築技術者普及教育センターのH.P.をご参照ください。
◇H.P.を開くと、
 「資格試験」⇒「建築士:一級建築士試験」⇒「(1)受験をお考えの方:(1-6)過去の試験問題等」
 の手順で進んでいただければ、「問題と正答表」のダウンロード画面になります。
 もし開けられない場合は、問題文データの下記アドレスからアクセスしてください(建築法規だけです)。
 1k-2022-1st-gakka3.pdf (jaeic.or.jp)

〔No.17〕 建築物の容積率(同法 第 52 条に規定する容積率)の最高限度を求める問題です。
正答 3
 ◇法52条9項、令135条の18(容積率計算用の道路幅員に加算する規定)
  Wa=(12-6)×(70-35)÷70=3m ⇒ 6+3=9m(南側道路幅員) >8m(西側道路幅員)
  容積率算定用の全面道路幅員=9m
 ◇法52条2項
 ・幅員が12m未満の場合、幅員に地域別の係数を乗じたもの以下とする(道路容積率)
 ・2以上の道路がある場合の計算用道路幅員は、広い方の道路幅(9m)とする。
 ◇商業地域の容積率:(道路容積率) 9×6/10=54/10<80/10 (都市計画容積率)
  準住居地域の容積率:(道路容積率) 9×4/10=36/10<40/10 (都市計画容積率)
 ◇商業地域と準住居地域の敷地面積は同じなので、面積加重平均(法52条7項)では同じとなる。
  新築することができる建築物の容積率(同法第52 条に規定する容積率)の最高限度=(54/10+36/10)÷2=45/10

No.18〕 図のA点における地盤面からの建築物の高さの最高限度を求める図形問題です。
正答 3
 ① 道路斜線制限:法56条1項一号、法別表第3、法56条2項(建物後退による緩和)
 ・(に)欄より、第一種中高層住居専用地域の斜線勾配:1.25
 ・(幅員12m未満の道路容積率)10×4/10=40/10 > 30/10 (都市計画容積率を採用)
 ・(は)欄より、第一種中高層住居専用地域(容積率30/10以下)の適用距離:25m
 ・建物後退による緩和(法56条2項):4m(東側)
 ・道路面と敷地に高低差がある場合は、1mを減じたもの1/2だけ高い位置にあるものとする。
 (法56条6項、令135条の2第1項):(3-1)÷2=1m(道路面を上げる)⇒宅盤差:3-1=2m
 ・建築物の高さ(令2条1項六号):地盤面からの高さによる。
 ・東側道路斜線:(4+10+4+3)×1.25-2(宅盤差)=24.25m
  ちなみに、(4+10+4+3)=21m<適用距離:25mの範囲内
 ② 隣地斜線制限(南側):法56条1項二号:20+(2+2+1)×1.25=26.25m
 ③ 北側斜線制限:法56条1項三号
 ・第一種中高層住居専用地域の場合:(4+10-1)×1.25+10=26.25m
∴A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度:東側道路斜線の24.25m

〔No.19〕 誤っている記述を選択する問題です。
正答 2
 1.正しい。法51条ただし書き:ごみ焼却場等の位置決定に関する例外(ただし書き)規定(条文参照)。
 2.誤り。法68条の3第6項:法48条の用途規制について、当該地区計画の土地利用に関する基本方針に適合し、かつ利便上やむを得ないと認める場合という条件を付
  加しているが、適用除外に関しては規定していないので、法48条のただし書き規定に基づき、特定行政庁の許可なく新築できない。
  なお、第1項で法52条(容積率)、第2項で法53条(建蔽率)、第3項で法55条(絶対高さ)、第4項で法56条(斜線制限)については、特定行政庁が許可することに
  よる、適用除外を規定している。
 3.正しい。法92条の2:許可の条件(条文参照)。
 4.正しい。法94条1項:不服申し立ての請求先の記述(1項条文の中段を参照)。

〔No.20〕 病院に関する誤っている記述を選択する問題です。
正答 3
 1.正しい。法12条、令16条1項三号、別表第1(2)項:政令に定める特殊建築物の定期報告制度の規定(条文参照)。
 2.正しい。令20条2項三号ロ:商業地域の有効採光計算規定(条文参照)。
 3.誤り。法90条の3、令147条の2第二号、法7条の6第1項かっこ書き、令13条の2:5階の床面積合計が1,500㎡を超える病院は、原則、工事の施工中の避難上の措置
  に関する計画の届け出が必要な建築物(法90条の3、令147条の2第二号)であるが、非常用の照明装置に用いる照明カバーの取替えの工事は、令13条の2において
  「軽微な工事」と定義され、法7条の6に基づく、使用制限工事の対象外となるので、特定行政庁に、工事の施工中における建築物の安全上、防火上又は避難上の措置
  に関する計画を届け出る必要はない。
 4.正しい。法91条、別表第2(を)項六号:用途規制に関しては、敷地面積が過半の地域の規制を適用するので、設問の建築物は、工業地域内に建築できない。

2022年11月22日 by shrs(シュルズ) 建築適合判定資格者、一級建築士
コメント
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