再び原点回帰なり!

未熟なビジネスマンの心のつぶやき

わが国のCO2中期削減目標

2009-02-07 07:18:50 | コラム

2009年も早いもので、もう1か月が過ぎました。

今年の年末には、COP15(コペンハーゲン)にてポスト京都の大きなテーマである2020年における各国のCO2削減目標が議論されます。

すでにEUは、先進国が1990年比30%削減、途上国は同年までに今よりも1530%削減すべしという提案をしました。

米国は、オバマ新政権になり、EUを意識した相当意欲的な目標を提示してきそうな気配です。

一方、わが国の首相は、6月頃までには20年の目標を出したいと表明しました。それを受けて、現在有識者による議論がなされているようです。

昨年から2012年までの5年間で、90年比6%削減という京都議定書におけるわが国の目標達成すら危ぶまれている現状において、2020年の削減目標を積み上げ世界に提示できるか。わが国として、今後の温暖化問題のリーダーシップを取っていく上で、大変重要な数値目標となるでしょう。

もちろん、その目標は世界が納得するものでなくてはならないと同時に、現実に実現可能でなければならないというのが、大方の有識者の意見のようです。実現可能性という指標を全面に持ち出すと、おそらくEUの半分にも満たない数値となるのはないか。

今から10年後の実現可能性という問題をどう捉えるか?技術革新、経済情勢などさまざまな要因のある中で、現時点のベストエフォートで考える以上、積み上げ型で行くしかないでしょう。しかしながら、何事も積み上げ型では、新しい知恵や発想は生まれにくいのも事実です。

後者の考え方は、企業経営的に言えば、ベンチャー的です。先の見えない未来に高い目標だけを定めて、その目標から現在を見据えて、今のアクションを決めるという発想です。私のような者には、この考え方が最もしっくりきますが、わが国はすでに大企業であり、そこはベンチャーのように「やるだけやってみよう」的発想は受け入れられないでしょう。

実に難しい選択ではありますが、わが国が大企業病的な対応をすることだけは避けほしいものですが、どうもそうは行かない状況が大勢を占めているようです。

いずれにしても、この国の温暖化問題への対応には科学的な見地も十分に踏まえた上での政治決断ができるリーダーが不在です。今はただ世界の国々を引っ張っていくようなメッセージを発せられる理念あるリーダーの出現を願うばかりです。