再び原点回帰なり!

未熟なビジネスマンの心のつぶやき

これでいいのか日本の削減目標2

2009-05-16 10:44:23 | コラム

328日の本ブログでも扱った「日本が2020年までに温室効果ガスを何%削減するか」という温室効果ガス削減の中期目標について、ショッキングなニュースを目にした。

この点はまだ政府は正式な発表をしておらず、6月末までに決めるということらしい。その決定プロセスの一環として、自民党が日本経団連、いわゆる産業界としての意見を求めたようだ。

産業界からは、各国負担の公平性といった観点から、90年比4%増」を推す声が強いとのこと。この目標値は、中期目標検討委員会(座長:福井前日銀総裁)が出した6つのオプションのうち、最も緩いもの。

経団連は、企業の国際競争力を保つためにも「国際的公平性と実現可能性の確保、国民負担の妥当性」を挙げて、4%増」の目標値が欧米と同等であり合理的だと説明したそうである。

あくまでマスコミ報道であり、直接聞いたわけではないが、もしこの考え方がわが国産業界の主流であるならば、極めて遺憾である。のみならず日本の将来への不安と危機感を今よりも一層増幅させられる。

日本は「欧米と同等」というポジションを主張すること自体が情けない。われわれは世界一省エネ的であり、知恵も技術もある国民ではないのか。欧米のようなそもそも「もったいない」という発想すらない人種と同等なのか。

世界に向けて、日本人としての地球温暖化の抑制に対するメッセージと矜持を示せないのか。確かに昨今の企業業績は一部を除き最悪の状態かもしれない。しかしながら、こういう苦境の時こそ、産業界のリーダーには、世界の先頭に立って高いハードルを乗り越えようとする気概を持って欲しいものだ。

世界のさまざまな問題解決に対して、なかなか日本がリーダーシップを発揮できる分野は少ない。資源もない。軍隊も持たない。唯一あるのは、武士道精神の流れを受けた自律自制の精神と高度な知恵ではないのか。

そしてそれらを活かせる分野こそが、地球温暖化問題への対処であり、唯一リーダーシップを発揮できる、いやむしろ発揮すべきではないのか。

そんなやり場のない怒りを感じたニュースであったが、決してそれが産業界全体の総意ではなく、良識と見識のあるトップビジネスリーダーの存在を信じたい