最近のマスコミ、特にテレビ報道の質の低下は、この国の低落ぶりの象徴なのであろうか。あるいは、国民全体に蔓延する「平和ぼけ」へのある種の警鐘なのであろうか。
取り扱うテーマが、あまりにも視聴率獲得だけを目的としたとか思えないようなものばかり。およそ今の国が置かれている状況を冷静に見たり、客観的に分析するような質の高い番組にお目にかかることなど、めったにない。
報道番組すべてが、ワイドショー化していると言っても過言ではないだろう。
先日も朝7時のNHKニュースのトップが、「市川海老蔵の謝罪会見」を取り上げていた。
この種の問題が、国民から強制的に受信料を徴収している公共放送のNHKが取り扱うものなのか。それもよりによって早朝7時のトップニュースである。
その週は、緊張感高まる朝鮮半島情勢の中、日米の軍事合同演習が行われていた。また、はるかメキシコでは、地球温暖化問題に関するCOP16が開催され、京都議定書の延長問題が議論されてもいる。
そうした国際的に極めて重要な事案が山積する中で、あえて海老蔵問題をトップニュースと決めたNHKのディレクターは、何を考えてこの決定をしたのだろうか。
少なくともNHKのみは、他の民放との全く違う切り口でのニュース報道を心掛けて欲しいものである。
今回のことに対して、なにか最後の砦が陥落したような危機的感覚を持つと同時に、今後の日本を象徴しているようなある種の寒々しさも感じるのは、果たして私だけでしょうか。
NHKよ、お前もか!?