再び原点回帰なり!

未熟なビジネスマンの心のつぶやき

電子メールの功罪

2012-09-23 11:37:55 | チャット
電子メールなるものがビジネスの世界に登場して、どのくらい経つのだろう。少なくとも20年以上は昔になるのだろうか。

今ではこのツールなくして、日々の業務はまったく考えられないほど、ビジネスの日常に組み込まれている。

われわれは電子メールによって、さまざまな効率化や生産性の向上を達成することができ、経済成長にもつなげてきた。

一方、この便利なツールによって、失われていく大切なものもいくつかあるということを特に最近実感している。

それはなにか。

人と人とのコミュニケーション力・会話力の喪失。

このことが最近、最も気になっている。明らかに問題だとも思う。

匿名でなくても、例え実名であったとしても、相手に自分の考えを伝える手段として、電子メールは、とても気軽にできる。

手書きの手紙となると、とても億劫になるし、電話では相手が不在の場合、連絡が取れない。

電子メールであれば、いつでもどこでもどこからでもどんなことでも、簡単に送っておける。それも一度に多数の人に同時に同じことを伝える時、極めて有用であると感じる。

電話というツールも携帯が日常化したことにより、いつでもどこでも相手にアクセスできる。ただ電話の場合は、特に携帯の場合は、相手が今どういう状態にあるかはまったくお構いなしとなるので、「今大丈夫ですか?」と最初に問いかけるのが最小限の礼儀となっているが。

人と人が心を触れ合わせるような必要がある時には、実はこの電子メールは役に立たないはずであるが、どうもその切り分けの常識的な線引きラインが知らず知らずうちに失われていくようである。

やはり、重要な話をする場合に、面と向かって、相手の目を見ながらが必須である。そんな場面はビジネス上でも、日常でも多々あるはずであるが、ついつい便利さにかまけて、電子メールで済ませてしまっていないか。

これによって、本来最も大切な人と人との触れ合いによる切瑳琢磨の機会を喪失し、結果として、自分自身のコミュニケーション力や会話力というビジネス上、最も重要なスキルを習得する機会を失っていないか。

確かに、人と面と向かって話をするのは、その話が込み入った問題であればあるほど、それなりの心の準備と精神のエネルギーが要るものである。

しかし、そのエネルギーを蓄えた心の準備を怠ることで、実は失うものも大きいのだということに気づかねばならない。特に、ビジネスの世界で生きていこうとする人には、気をつけてもらいたい。

便利なものを活用し、社会を効率化する。これはすばらしいことではあるが、同時に、その便利さによって、自分自身の心の鍛錬の機会を失うこととなるならば、結果として大きな損失ではないか。

キィーボードをたたく前に、もっと勇気と覚悟を持って、人に直接語りかけたいものである。

そこには電子メールでは絶対に生まれない大きな果実が待っている。

ただ時として、その果実はとても苦いものや辛いものとなるかもしれないが、それこそが自らの心と精神の成長につながる良薬となるのである。

ビジネスマン・ビジネスウーマン諸氏よ!

電子メールに頼らず、もっと人に語りかけようではないか!