埼玉県深谷市にある
吉祥寺の住職のブログ
イチョウの下のよもやま話
光壽無量(その2)
先週の続きです。
平成4年の年頭のご挨拶です。
年回法事の方法は、菩提寺(ぼだいじ)の住職を招いて読経してもらったり、
墓回向(はかえこう)、塔婆(とうば)建立の外、
事情によっては 家族そろって墓参りをし、
仏壇のお位牌に香華を手向け、
先祖に感謝にながらお斎をいただくだけでも 供養(くよう)になるでしょう。
又、年回は 百回忌以降も 五十年ごとに 永久に続きますが、
ご家族の年長者がおぼえている範囲でのご先祖の法事は
行いたいものです。
更に、年回でなくとも 毎年の命日には、
是非 花を新しくし、お仏飯(ぶっぱん)をお供えして、
ご先祖に感謝する気持ちを 忘れないようにしましょう。
日本の民族行事の大半は
ご先祖を祭るためのものです。
私達が今日あるのは、
言うまでもなく ご先祖のおかげです。
このことは、血統の意味ばかりでなく、
今日の社会の繁栄や 豊かな文化も含めて、
過去からの一つ一つの積み重ねだと 考えるべきでしょう。
先祖(神)不在の御輿が存在するとすれば、
それは 現代人の甘えであり、錯覚(堕落)なのです。
さあ、二十一世紀まで もうあまり時間がありません。
今を生きる皆さんは、未来を生きる子供達に 何を残してあげますか。
仏教は、
ご先祖に感謝し、同時に 子孫にすばらしい遺産を残してあげる方法は、
私達一人一人がいっしょうけんめい生きて行くことだと教えています。
まず 「しっかりと自分を見つめ」、
次に 「正しい努力を怠らない」
と この歳の初めに改めて誓いたいと思います。
志密行亦密 功深悟亦深
(こころざし みつなれば ぎょうも また みつなり。
こう ふかければ ごも また ふかし。)
皆様のご健壽と ご繁栄を 重ねて心から 祈念申し上げます。
最後に 申年の守護として 大日如来の絵を載せてあります。
平成4年は申年で、 私は年男だったのですね。
21世紀になって すでに10年あまり。
「しっかりと自分を見つめ、正しい努力を怠らない」、
私は 日々 できているのでしょうか?
今日はここまで!