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法話 お子さんのご冥福を祈って その3

「ウッビリーよ、そなたは 何故 そのように泣いているのかね?」

優しく声をかけられたのは お釈迦様でした。



「ああ、偉大なるお方、
 私のかわいいジーヴァーが はやり病で死んで、
 ここで火葬されたのです。」

ウッビリーの泣きながらの話に お釈迦様は、

「哀れなウッビリーよ。

 しかし、この火葬場では 
 八万四千人のジーヴァーが 荼毘に付されたが、
 そなたのジーヴァーは どの子のことだろうか。」

と聞きました。



しばらくは
その問いかけの意味がわからなかったウッビリーでしたが、

もともと聡明な彼女は、
やがて お釈迦様のお諭しが 理解できました。





人は必ず死ぬ。

八万四千人のジーヴァーの母親達は、
皆 この火葬場で 涙にくれた。

ウッビリーは、

人は どんなに愛するものとでも
いつかは別れなければならない時が来るという事、
つまり 人の世は 無常であることを悟り、

また、それを受け入れる智恵を得たのです。



「偉大なるお方、ありがとうございました。」
 
ウッビリーは ジーヴァーの死後 初めて 
にっこり微笑んだのです。






葬儀を終えたばかりの今、お子さんの死を自覚せよというのは
あまりに酷な事かもしれません。

しかし、もし仏様に手を引かれたお子さんが、
悲しみになき濡れてばかりいる親御さんを 
どこかで見ているとしたら、
却って 親に先立った自らを責める事になるのではないでしょうか。

お子さんの魂の安楽を願うのが、
今のご両親・ご遺族にできる 唯一最上の
義務なのではないでしょうか。

どうか、今のこの悲しみを乗り越えて、
お心を平安に保ち、
これからの日々の生活に ご精進ください。



                     以上


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