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法話 お子さんのご冥福を祈って その2

お釈迦様の時代、インドのお話です。

ウッビリーは 大変美しく、家柄も優れた 符号の娘でした。

年頃になって コーサラ国王に見初められ、
后となって、女の子を産みました。



王と后は、その子の幸せと長寿を願って、
名前を「寿命」という意味のジーヴァーと付けました。

ジーヴァーは 国中の人々にかわいがられて すくすくと育ちました。

ところが、よちよち歩きを始めた愛くるしいジーヴァーを
原因不明の病が襲い、
突然あっけなく死んでしまったのです。

国王と后 ウッビリーの悲しみは 計り知れないものでした。

国中が悲しみに沈みました。



ジーヴァーの葬儀は、インドの風習に従って 執り行われました。

川辺の火葬場で 遺体が荼毘に付され、灰は川に流されました。

当時 その土地のインドの人々は お墓を持たなかったのです。


その後、国王は 政務に忙殺されるうちに、
次第に愛娘を失った悲しみから立ち直っていったのですが、

ウッビリーは 毎日 火葬場に赴き 涙にくれてばかりいました。



そんなある日、
祇園精舎で お釈迦さまが説法をなさっているというので、
従者の勧めに従って ウッビリーも 聴聞に出かけました。

しかし、悲しみに心を閉ざした彼女の耳には、
お釈迦様の尊いお説法もとどきません。

お城への帰り道、ウッビリーは 再び火葬場に行き、
「ジーヴァー、どこへ行ってしまったの!」
と 泣き崩れていました。



                 続きます


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