埼玉県深谷市にある
吉祥寺の住職のブログ
イチョウの下のよもやま話
天台宗勤行儀 その16 跋(5)
ところで、この『天台宗勤行儀』でお唱えする経文の順について
確認しておきたいと思います。
三礼 最初に、仏さま(心理の姿)。仏さまの教え(心理の教え・
仏教の仲間たち(真理の担い手)に、心からの礼拝をします。
懺悔文 次に、修行(勤行)を始めるに当たり、今まで犯してきた
自分自身の罪悪をすべて仏さまに告白し、悔い改め、
心を清浄に整えます。
四弘誓願 次に、“懺悔(さんげ)”した事で、澄み切って清らかになった心で、
悟りに向かうための誓願を立てます。
これを“発菩提心(ほつぼだいしん)”略して“発心(ほっしん)”と言います。
菩提とは悟りの事で、発心とは「心を悟りに向けて始動させる」という事です。
この“懺悔”と“発心”は、天台宗の修行の基本です。
開経偈 次に、お経を開いて読み始める前に、「今 自分が こうして
お釈迦さまの教えを知る事ができ、学ぶ事ができる」という幸運を喜び、
「この良縁を生かしてお釈迦さまの教えをしっかり体得するんだ」
という決意をします。
般若心経 次に、いよいよ“勤行”の中心になる修行、“経典読誦”です。
ここで取り上げた『般若心経』は、「こだわらない心」を悟るための教え
(空の思想)が説かれたお経ですが、その他にも、先ほど「八万四千の法門」
と記したように、仏教にはたくさんの教えがあります。
例えば、天台宗では『般若心経』以外にも『観音経(法華経普門品二十五)』
『自我偈(法華経寿量品十六偈)』 『阿弥陀経』 等の経典が読まれる事も
よくあります。
また、『仏頂尊勝陀羅尼』等の陀羅尼(だらに)、「南無阿弥陀仏」等のお念仏、
『圓頓章(魔訶止観)』や 『山家学生式』等のお祖師さまの言葉(著述)、
『天台大師和讃』『伝教大師和讃』等の和讃、
さらには種々のご詠歌をお唱えする事もあります。
ただし、お釈迦さまの直接の教えである“経典”を読誦した上で、
その他の和讃や詠歌等を唱えるのが本義です。
回向文 最期に、“勤行”という修行を終えるに当たり、
自分だけでなく、すべての命あるものたちが それぞれ悟りを開いて、
皆が幸せになれる事を願います。
「三礼」から「般若心経読誦」までが 自分を高めるための修行(自行)、
「回向」が自分以外の生き物たちの幸せを願うための修行(化他業)、
この二つが揃って、“菩薩行”が完成されます。
“自行”の外に “化他業”がある事が
「小乗仏教」と異なる「大乗仏教」の大きな特徴です。
また、自分以外の生き物たちの幸せを願うという事は、
実は自分自身の修行にもなっているという事も
忘れてはならない事ですね。
今日は、ここまで!
確認しておきたいと思います。
三礼 最初に、仏さま(心理の姿)。仏さまの教え(心理の教え・
仏教の仲間たち(真理の担い手)に、心からの礼拝をします。
懺悔文 次に、修行(勤行)を始めるに当たり、今まで犯してきた
自分自身の罪悪をすべて仏さまに告白し、悔い改め、
心を清浄に整えます。
四弘誓願 次に、“懺悔(さんげ)”した事で、澄み切って清らかになった心で、
悟りに向かうための誓願を立てます。
これを“発菩提心(ほつぼだいしん)”略して“発心(ほっしん)”と言います。
菩提とは悟りの事で、発心とは「心を悟りに向けて始動させる」という事です。
この“懺悔”と“発心”は、天台宗の修行の基本です。
開経偈 次に、お経を開いて読み始める前に、「今 自分が こうして
お釈迦さまの教えを知る事ができ、学ぶ事ができる」という幸運を喜び、
「この良縁を生かしてお釈迦さまの教えをしっかり体得するんだ」
という決意をします。
般若心経 次に、いよいよ“勤行”の中心になる修行、“経典読誦”です。
ここで取り上げた『般若心経』は、「こだわらない心」を悟るための教え
(空の思想)が説かれたお経ですが、その他にも、先ほど「八万四千の法門」
と記したように、仏教にはたくさんの教えがあります。
例えば、天台宗では『般若心経』以外にも『観音経(法華経普門品二十五)』
『自我偈(法華経寿量品十六偈)』 『阿弥陀経』 等の経典が読まれる事も
よくあります。
また、『仏頂尊勝陀羅尼』等の陀羅尼(だらに)、「南無阿弥陀仏」等のお念仏、
『圓頓章(魔訶止観)』や 『山家学生式』等のお祖師さまの言葉(著述)、
『天台大師和讃』『伝教大師和讃』等の和讃、
さらには種々のご詠歌をお唱えする事もあります。
ただし、お釈迦さまの直接の教えである“経典”を読誦した上で、
その他の和讃や詠歌等を唱えるのが本義です。
回向文 最期に、“勤行”という修行を終えるに当たり、
自分だけでなく、すべての命あるものたちが それぞれ悟りを開いて、
皆が幸せになれる事を願います。
「三礼」から「般若心経読誦」までが 自分を高めるための修行(自行)、
「回向」が自分以外の生き物たちの幸せを願うための修行(化他業)、
この二つが揃って、“菩薩行”が完成されます。
“自行”の外に “化他業”がある事が
「小乗仏教」と異なる「大乗仏教」の大きな特徴です。
また、自分以外の生き物たちの幸せを願うという事は、
実は自分自身の修行にもなっているという事も
忘れてはならない事ですね。
今日は、ここまで!

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