閃光と雷鳴。独居老人と不動産業。

5月1日（土）
20時21分　ベランダが光る、そして雷鳴。
対面のショッピングセンターを見やる。
道路には、センターの明かりと車のライトが
交差してプリズムライトに変化。

5月1日（土）20時　雷鳴。
午前中は地震もあった。
先日　TVニュースで、ベランダ前のショッピングセンターが映った。
緊急事態宣言の都心から車で訪れる人が続々とやって来る。
インタビューに答えた方は、家族でショッピングできる
近場はここしかないと言う。
ガース総理が掲げた公助共助自助は5月の嵐で吹き飛んだ。
当てにならないスローガンは信頼されず
自助しかない。
恐る恐るでもショッピングを楽しめる人達がいる反面
コロナ禍で、職を失い、収入の途絶えた人々が増加。
午後、紹介されて不動産会社を訪れた。
古い木造建築2階建て
道路に面した１階の曇りガラスの格子戸を開けた。
土間のような間仕切りに長テーブルで仕切られ
パソコンと書類棚があった。
奥に上り框があり、畳部屋が見える。
小太りの作業衣姿の中年男性が
事前訪問を承知していたのでスムーズな対応。
名刺には、当然宅建士が記載されていたが
土木施工管理技士の資格が明記。
尋ねると、元は建築関係の仕事をしていたが
義父の不動産業を引き継いだそうだ。
会話中、老婦人がやってきた。
末日に支払いできなかった家賃を持参したのだ。
遅れの詫びをして直ぐに出て行った。
一人住まいの方だそうだ。
全国には貧しい独居老人が多数いるのですと言う。
行政は、その方達の住まい確保の窓口を作りましたが
見かけだけで、不動産会社を紹介するだけ。
しかし、不動産会社は、理屈をつけて審査が通りませんとして
追い払うのです。
私はそんな弱者の老人に少しでも力になりたいと思っています。
なので２４時間営業です。
賃貸した部屋の不具合は無償で直します。
不動産屋など、自分達の都合の良いように制度を作る
まやかしの可塑性のある事実を積み上げる。

光と雷鳴轟くベランダで孤独なる老人を思う。
介護病院で6年暮らす母
コロナで会うこと叶わず。
焦燥の吐け口はない。

さよならの向う側/風繼續吹-SaxRuby