タマシギ(Rostratula benghalensis) Painted Snipe
日が傾き始めた頃、私は田圃に向った。
ジェッと鳴いて飛んできて、枯れ草色の田に舞い降りたのは同じく枯れ草色をしたタシギだった。
よく見ると畦に数羽のタシギが既にいて、首を伸ばして警戒している。我が道を行くバンは、そんなことはお構いなしに餌を探しながら畦に近づく。そのため驚いたタシギ達はまたジェッと鳴いて独特の飛翔で遠くへ行ってしまった。
水分が殆どない冬の田圃の中では、シロハラクイナが物足りなさそうにトボトボと歩いており、ゴキゲンに尾を振りながら軽快に歩くイソシギを横目で見ていた。
田圃の中に育った茂みの中で、私は2羽のタマシギがじっとしているのを見つけた。
西日に照らされて金色に光る暖かそうな茂みの中、このアイリングとその周りが黄褐色のタマシギはうとうとと目を閉じ始める。その時、サシバが突然ピックィーと鳴いた。するとタマシギは閉じていたその大きな眼を全開にして辺りを警戒し始めた。けれど、ほんの十数秒経つとまたうとうとし始め、ついには眠りについた。
サシバ(Butastur indicus) Grey-faced Buzzard
この日は沖縄では珍しく、2羽のコハクチョウがこの農耕地を闊歩していた。
越冬しているサシバはこの時期よく見かける。この日は少なくとも5羽以上は見た。
・・・夕闇が迫る。
【2010/12/06/沖縄本島 Okinawa Island,Japan】