
クロイワトカゲモドキ(Goniurosaurus kuroiwae)
昨晩と違って穏やかな夜に、私達はゆっくりと森歩きをしてみることにした。
林道には道を塞がんばかりの大きな水溜りが出来ていて、そこに集まる小さなリュウキュウカジカガエルが思わぬ跳躍力によりすぐさま視界から消える。
夜の渓流をライトで照らすと、驚くほどの数のテナガエビの仲間が水中にいて、その目がライトを反射して光るのが分かる。川岸の湿った樹木の幹を、白くて美しいオキナワヤマタカマイマイが這っていた。
しばらく沈黙のまま山道を登っていると、足元でチョコチョコと何か動く。危うく踏んでしまうところだった、小さなクロイワトカゲモドキだ。

アカマタ(Dinodon semicarinatum)
アカマタはよく舌を出すけれど、こうして写真を後から見返してみると「あっかんべぇっ」をしているように見えてくるもので、何やらそこはかとなく可愛く思えてくる。
実際は、撮影に10秒もかけようものなら右手にいくつもの赤い点列が出来てしまうのが普通なくらいツンツンなのだけれど。

タイワンクツワムシ(Mecopoda elongata)
タイワンクツワムシは沖縄なんかではごく平凡種だけれど、その巨大さから見た目のインパクトは十分である。鳴き声も相当な大音量で、沖縄と言えど静かな冬の森に唯一けたたましく響き渡っていた。
以前西表で、この虫を初めて見た直翅屋の友人が嬉しさのあまり両の手で大地を打ち鳴らしていた。この虫を見るたびにその記憶が思い出されて来て、楽しい。
【2010/12/06/沖縄本島 Okinawa Island,Japan】