「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

アメリカ国務省の新規の対外援助一時停止のウクライナへの影響<ウクライナ紛争2025・01・29

2025-01-29 16:54:46 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

BBC 2025年1月25日
米国務省、ほぼすべての対外支援事業の停止を指示 開発・軍事援助などに影響か
https://www.bbc.com/japanese/articles/cr53vy1q9d9o
AFPBB
米援助凍結でウクライナに広がる不安 人道支援停止相次ぐ
2025年1月28日 16:10 発信地:キーウ /ウクライナ [ ウクライナ ロシア・CIS ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3560339?cx_part=top_category&cx_position=5

アメリカ国務省は、新規の対外援助を一時停止するよう政府関係者や世界各地の米大使館に指示した模様です。
食料援助と、イスラエルとエジプトへの軍事援助は停止されません。
米政府のデータによると、世界最大の国際援助国であるアメリカは、2023年に680億ドルを拠出しています。

バイデン政権時代にアメリカの支出は、激増して政府債務も急拡大して今や、アメリカ政府の財政がひっ迫しています。
バイデン政権は、内外とも膨大な「ばらまき」を行ってきました。アメリカのインフレ高進は、これが大きな理由です。アメリカ経済は好調なのに、更に巨額の財政出動を続けてきました。インフレが激化するのは当然です。

そのような事情があり、トランプ政権の最初の課題は、いかに無駄な支出を削減するかです。
海外援助の精査は、その一環です。

『この(米国務省の)通達は、ドナルド・トランプ大統領が20日に、対外開発援助の効率性と外交政策との一貫性評価を行うため、90日間の援助停止を命じる大統領令に署名したことを受けてのもの。』

AFPの記事
『USAID(米国際開発庁)のウェブサイトによると、ロシアが侵攻を開始した2022年2月以降、USAIDはウクライナに対し、人道支援で26億ドル(約4000億円)、開発援助で50億ドル(約7700億円)、直接的な予算支援で300億ドル(約4兆6000億円)を提供している。』
3年間で5兆7700億円です。これはUSAID(米国際開発庁)の予算分だけです。他に国防省や他の省庁の支出もあります。推計では3年で15兆円を超えるのではないかと思います。最近は、ウクライナへの支援金額は検索しにくくなって、どれだけ供与されているのか、良く分かりません。千億円単位の援助や支援の話が、ボロボロ出てきます。

ともあれ武器支援はともかく、資金に関してはUSAID(米国際開発庁)経由の分は、一旦停止され精査されることになりました。ウクライナとしては、不足する分はEUに泣きつくのでしょうね。
国防省経由の分も怪しくなりつつあります。
アメリカの「一抜け」に備えてNATOのルッテ事務総長は予防線を張っています。

ロイター
ウクライナ向け米製兵器は欧州が費用負担、NATO事務総長表明
2025年1月23日午後 7:46 GMT+96日前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/NIC5LLUW7RL3JGI2KHUF42SJPI-2025-01-23/
『「ウクライナについては、米国も関与し続ける必要がある」と指摘。「もしトランプ新政権が米国の防衛産業基盤からウクライナへの供与を続けるつもりなら、そのツケは欧州が払う。私はこのことに完全に納得しており、われわれは喜んでそうしなければならない」と語った。』
アメリカが供与する武器代金をEUが支払うから武器供与を継続するべきだ・という趣旨です。
これでトランプ氏は、武器の費用についてはEUに押し付けることが可能になりました。
アメリカの武器がなければ、EUだけの武器供給では到底ウクライナの需要に足りないからです。

まあ、このようにトランプ政権は資金の面からウクライナをジワジワと締め上げる姿勢を見せています。
アメリカは、これまでウクライナ支援の約半分を負担しています。これをEUが肩代わりするとEU諸国の経済は、ほぼ潰れるでしょうね❓今ですら、相当軋みが出ています。

戦争を始めて煽り立てると、止めるのも簡単ではありません。
EUにしてもEU諸国にしても負担が軽くはないウクライナ支援の理由を選挙民に説明する義務があります。
アメリカの場合は、この点は楽です。
実際その通りですが、バイデンさんと米民主党に全部責任を押し付けてトランプ氏と共和党は責任回避できます。

不純な動機(ロシア叩き)で戦争を煽って負けると、あとが大変です。
結局、今わかることはNATOは戦争費用の回収は、ロシアの海外資産と、勝つことを前提にロシアに親NATO政権(=傀儡政権)を作ってロシアの資源・エネルギー権益を支配することであったのだろうと思います。
ウクライナが負けると、この資金回収と権益獲得プランは、全部「ナシ!」になります。
それどころかロシアの海外資産の利息分を一部盗んでいます。ペナルテイ付きで返還を請求されるでしょう。
ノルドストリーム(海底ガス・パイプライン)の爆破に伴うロシアの被害もあります。これも実行者はウクライナにするのだろうと思います。(アメリカがやったという説もあります)

このように考えると、戦争終結にはロシアに対する補償も必要です。
ウクライナが負担できるはずはありません⇒既に財政破綻しています。
誰が、負担するのか❓(アメリカは、逃げるでしょう・・・)

 

※そうそう、タイトルの答え。ウクライナは、金に詰まる。

金の面からウクライナを締め上げて停戦に合意するよう仕向ける。



※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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