3月19日の夕方のニュースで文科省の諮問機関・文化審議会が新たに4件の重要文化財を国宝指定指定するよう文科省大臣に答申がありました。






1件目は奈良法隆寺国宝金堂の3つの天蓋です。
国宝釈迦三尊像の天井から吊るされた木造の天蓋で2つは飛鳥時代、一つは鎌倉時代の作です。
四角には楽器を奏でる天人が付けられています。




2件目は奈良春日大社の「だ太鼓」2点です。鎌倉幕府を開いた源頼朝が春日大社に寄進したと言われています。

3件目は京都右京区花園にある法金剛院のご本尊木造阿弥陀如来坐像です。
法金剛院は平安時代初期に起源を持つ古寺で嵯峨天皇、淳和天皇、仁明天皇が行幸され、その景勝の素晴らしさから仁明天皇から五位の位を授けられた事からお寺の山号は五位山と言います。
今回、国宝に昇格される阿弥陀さまは、平安時代西御堂のご本尊で藤原時代を代表する丈六仏です。
院覚(いんかく)の作で、均整のとれたお姿と蓮弁の彫刻は秀逸です。
4件目は、群馬県高崎市にある綿貫観音山古墳出土品です。
全長97mの後円部分にある横穴式石棺の出土品の一括指定の答申です。
中でも銅水瓶(どうすいびょう)は日本最古と言われており、鏡には獣が描かれており、古代中国、朝鮮半島の出土品と類似性が多く、この地の首長の交易を示す重要な副葬品だそうです。

その他、重要文化財指定の答申には、奈良市から出土した「長屋王家木簡」。
長屋王は天武天皇の孫にあたり皇位を継承する有力皇族でしたが藤原氏との政争に巻き込まれ自害しています。
近鉄大宮駅近くにかってそごう奈良店がありました。事前の発掘調査で長屋王邸宅跡を示す多くの木簡が出土し話題となりました。
その他に登録有形文化財の答申には「太陽の塔」が入っています。
1970年に開催された大阪万国博覧会のパビリオンのひとつで塔そのものは勿論、内部の作品も全て岡本太郎氏の作品です。
僕は当時7才で3度行き、太陽の塔の奇抜なデザインに驚きもし、また、夜間に放たれる光に"未来"を感じました。
アメリカ館で「月の石」を見るのに何時間も並んだり、各国のパビリオンを見て"世界"の大きさも感じました。
非常に思い入れのある博覧会です。
「人類の進歩と調和」がテーマでしたね。
次の大阪万博ではどんな未来を見せてくれるのでしょうか?