水耕栽培による家庭菜園日誌

屋上での水耕栽培・人工光源を使った室内水耕栽培および屋外での有機水耕栽培に取り組んでいます。

室内水耕栽培26 (H24.6.1~6.30)

2012年07月04日 | 室内水耕栽培
<なすび11株を屋上に移植>
6月26日 室内栽培のなすびも収穫が一段落したので切り込んで屋上に移植することにしました。直射日光が強いので遮光ネットをかぶせておく。なすびの収穫総数は90個ほどになり1本当たり8個ほどでした。従来のトロ舟は完全に清掃完了。蛍光灯使用の栽培床も現在は全く使っておりませんので従来の室内栽培室ではトマト9本となすび3本をLEDライト照射で育てているのみです。他は秋まで休憩ということです。



<レタス類の栽培始める>
6月25日 新調の栽培室で玉レタス・サラダ菜・リーフレタスの栽培を開始しました。18日に播種して23日に定植しました。室内は室温25度前後・湿度80%前後で推移しています。LumigrowのLEDライトもレタス栽培用に使用することにしました。
 
夏場発芽もしにくいので発芽パレット(20W蛍光灯2灯式2台使用)も栽培室に設置。また養液中に蚊が発生しないように殺虫スプレーも用意しました。


<照射時間は10時間に設定>
今回は今後の深夜電力利用への移行を考え照射時間を10時間に設定してレタス類がうまく成長するか調べることに。

◆電気代は栽培コストの大半を占めています。この1坪余りの栽培室でも40w蛍光灯を16灯使っていますから12時間照射で40×16×12H=7.68KWH 電力単価が30円とすれば1か月で 7.68×30×30=6912円  80株栽培できるとしても1株当たり電気代が86円強かかります。これ以外に空調費用もかかってきますので電気代は馬鹿になりません。また照射コストは規模の大小には関係なく一様にかかってきます。通常レタスを1株育てるのに1w必要(蛍光灯の光変換率は20%ですので蛍光灯換算で5w)といわれているので1日12時間40日照射して収獲するとすれば電気代は5W×12×40=2.4KW×30円=72円かかってくることになります。(高辻著:LED植物工場 50P参照)
そこでコストの安い深夜電力(1KWが10円以下)を使えば電気代コストは1/3になりますから空調費用を入れても30円程度に、蛍光灯の償却等の費用を加算しても手間賃を無視すれば市販品より安く1株50~60円で栽培できることになります。ただし深夜電気は最長時間で「おトクなナイト10」プランのように午後10時から翌朝8時までの10時間ですからこの10時間照射で野菜が育つか調べてみようということです。

<プレハブ冷蔵庫>
6月20日 栽培室を作ってもらった工務店の人が少し高くつくがプレハブ冷蔵庫の利用を考えるのも手ですよと言っていたのでインターネットで調べてみると確かに空調付きで1坪から10坪クラスまでいろいろなタイプが既製品として用意されています。しかも屋外に設置可能ですから中の照明と栽培ベッドを用意すれば即植物工場に転用できそうです。植物工場需要が伸びてくれば小型の植物工場キットがプレハブ冷蔵庫メーカーから売り出されるかもしれませんね。しかも彼らは照明器具も持っていますし箱もの家電の製造ノウハウがありますからわけないでしょう。

<栽培室のセットアップ完了>
6月16日 栽培床への配管、給水が完了しいつでも苗の定植ができるようになりました。先日出入りの電気屋さんが来られた時に見てもらったらこのタイプのスポットクーラーは外部排気だけで外部吸気がないので室内空気を吸い込むだけで冷房効率が悪いと指摘されました。一応動かして状況を見たうえでどうするかは判断することに。本日の試運転では室温24度位まで冷えていますから問題ないかと思うのですが。
 


<栽培室は40万円>
6月16日 栽培室の制作費用は栽培設備も含め40万円ほどかかりました(すでに購入している設備を使っていますが新規に購入するとした場合の価格です)。温度管理の出来る1坪の栽培室としては市販品に比べかなり安く仕上がっています。費用の明細を列記すると
   栽培室制作費 110000円
   金属ラック2台 21600円
   養液ベッド テンバコ4台 24000円
   育苗パネル4枚 5000円
   パナソニック蛍光灯・器具8台 105600円
   ルックスアップ16台 17600円
   炭酸ガスレギュレーター・コントローラー 48000円
   豊臣スポットクーラー&ヒーター 31000円
   水中ポンプB100EX 8500円
テトラエアポンプ&ストーン・ホース 2000円
   電源コード2本・Revexタイマー       6000円
   エコワットメーター2台           5200円
   養液タンク・配管用具           3000円
   温湿度計                 3200円
   ブルーシート2枚              600円
 
これ以外にEC値およぼpH制御用にNZブルーラボ社のソレノイドコントローラーを購入していますがこれは13万円($1620)ほどかかっていますがこれはこの栽培室で使うかどうか決めていませんのでコストに加算していません。

<高反射アルミ板使用の蛍光灯アルライン>
6月14日 昨日HCコーナンに行くとNECから発売された両反射笠・高反射アルミ反射板採用の1灯式40W蛍光灯アルラインが陳列されていました。反射板を工夫して1本で2本の明るさとありますのでこのような蛍光灯を使うと従来の4灯を2灯に替えることができるかもしれません。要は反射板の材質と形状で反射効率の高い蛍光灯の開発は可能なはずです。このような商品が開発されると今使っている反射板ルックスアップなどは不要になるかもしれません。1台購入してチェックの価値ありです。NECの説明では「Hf蛍光ランプ、高効率インバータ、光学設計された反射率94%のアルミ反射板を使用することにより、従来ランプ(FLR40SW/M)器具より大幅な省エネ効果を得られます。アルミ反射板は、酸化チタンコーティングを施しています。また、アルミ反射板のシボ加工によりグレア感を低減し、空間全体をバランスよく照射します。」とありました。

もっと素晴らしい水耕栽培用照明として現在神戸の森久エンジニアリングさんが省電力型で高反射効率の反射板を開発れているようです。(写真画像はNECライティングのHPから引用しました)
 

<1.8m角のレタス栽培室を新設>
6月13日 工務店に頼んで1.8m角の栽培室を作ってもらいました。壁面はすべて厚さ40㎜の発泡スチロール板をサンドして断熱性を高めた栽培室になっています。空調用として豊臣のスポット冷暖房機を設置し通年を通して20~25度で管理できるようにしてレタスの栽培をしてみようと思っております。栽培室の仕様は
   サイズ:横2.1m×奥1.8m×高1.8m
   使用部材;針葉樹べニア、スタイロフォーム40㎜
   光源 :パナソニック植物育成用蛍光灯40w×2灯式を8台設置
   栽培床:サンコーテンバコ74を4台使用
   栽培棚:コーナンメタルラック1200巾高さ1500を4台
   空調 ;豊臣スポットクーラー&ヒーター
   炭酸ガス:ソダテック炭酸ガスレギュレーター&コントローラー
   EC値・pH値・養液温度管理等:NZ BlueLab製ソレノイドコントローラー(必要とあれば使用)
室温・照射時間・炭酸ガス濃度・EC値・pH値・養液温度を管理しながら栽培できるグローボックスといえるものです。
空調と照明の電力消費量は2台のエコワットで管理してコスト計算できるようにしたいと思っています。    

この栽培室を使って
①徒長を防止し年間通して高品質なレタス栽培が可能か
②年間を通して温度管理をした場合電気代はどれほどかかるか、コストに占める電気代の割合は
②光源の改良はできないか、40w4灯を2灯または3灯にして収穫量と品質を維持する方法はないか
③青藻発生防止策はないか
④EC値コントローラーは必要か、なくても収穫に影響しないのでは
⑤定植・収穫以外すべて自動化(無人管理)できないか
などなどをチェックしてみようと考えております。

工事の様子です。朝からかかって夕方には完成です。


出来上がった栽培室の様子。テンバコの入荷待ち。
 

<トマト9本栽培>
6月13日 今までのトマトをすべて撤去したので新たに屋上で育てていたトマト3本も室内に移し全部で9本の苗をLEDで育てることにしました。コストを考え3本はまた屋上に戻すことになるかもしれませんが。


<なす栽培にLumigrow使用>
6月11日 なすの育苗に従来のパナソニック蛍光灯4本に替えて先日購入したLumigrow社の170wLEDライトを使用することにし苗7本の上に設置しました。
 
栽培パネル面より70㎝の高さに設置していますが光量子束密度は110μmol,50cmの葉の表面では150μmolの値を示しています。
 
このLEDには赤・白・青別に調光ツマミがついていますがどのような設定が育苗段階に最適であるかというデーターがないので適当に設定しているだけです。


<なす栽培の電気代>
6月7日 昨日はナスを4本、本日は3本収穫する。概ね毎日のように収穫できていますが電気消費量としてはメタルハライド350wが2台、90wLEDが4台を1日10時間照射していますので1日の電気代が240円ほどかかっていますから毎日3本収穫できてもナス1本当り電気代が80円位かかっていることになります。もう少し収穫できないとコスト倒れになりそうです。

6月10日に4本、11日に3本収穫
細かく収穫量を計算すると4月10日の最初の収穫から6月11日の3個まで総数で59個収穫しています。単純に1日1個平均ですから電気代は1本当たり240円ということになります。最初はメタルハライドは1灯でしたが育苗・生育期間の2か月間の電気代もかかっていますのでトータル費用を計算するともはややってられません。ここは趣味ということで大目に見ることにしてもらいます。

このことから判断しても植物工場で採算の合う野菜はやはり成長期間の短いレタス類に限定されることになってしまいます。果菜類は収穫までの期間が60日~90日と長く、特にナスなどは苗づくりだけで60日といわれていますからその間も含め収穫までにかなりの期間人工光による照射が必要ですからコストを考えるとやはりビニールハウスのような太陽光併用型でないと採算は合わないでしょう。

<トマトを定植>
6月6日 播種しているトマトがなかなか発芽しないので本日陽春園に行ってトマトの苗10本を購入してきました。(季節外れになりかけていますのでバーゲンで1本84円でした)6本を室内に定植してLumigrowのLEDで育てることにします。前回はうまく1本立にできませんでしたので今回は芽の剪定を行って1本立ちにしていきます。とりあえず1枚に6株植え付けています。
 

<本日の収穫>
6月4日 本日もナス4本、トマト1個収穫。屋上から移植した3本のなすびを含め苗7本はようやく育ち始めました。右はそろそろ限界に来始めている大きく育ったなすび
 

<栽培中のレタスを屋上へ移植>
6月4日 栽培中のレタスとサラダ菜は高温のためにかなり徒長してますので今更屋上に移して育つかどうか分かりませんがひとまず屋上のトロ舟に移し室内栽培は当分休止することにしました。


<室内水耕と節電>
6月1日 このところの好天で気温もかなり上昇し室温が30度近くになり換気扇を回してもさほど室温が下がらない状況になってきています。昨年3馬力の室内エアコンを設置して温度管理ができるようにしておりますが節電の必要なこの時期に野菜のために電気を消費することは不本意な気がして当分レタス等の栽培は控えようかと思っております。LEDは消費電力が少なく節電につながるように言われますが最近の高輝度高出力LEDは電力消費量もそれほど低くはありませんしハロゲンや蛍光灯ほどではないにしてもかなり発熱放熱をしますので室温上昇の原因にもなりかねません。思うに植物工場は光源制御に始まり栽培環境の制御を通して効率よく野菜を栽培するシステムの構築がテーマでありますが日本のような気候風土では夏場の高温対策がどうしても不可欠でそのために膨大なエアコンコストがかかってきます。光源と空調というエネルギー消費の大きな問題を抱えた状態で電力節約が叫ばれているこの時期だけに植物工場の電力消費効率も問われるのではないかと思います。本年大和ハウスさんが発売された植物工場は断熱面がかなり工夫され家庭用クーラーで温度管理ができるように作られておりましたがこれなどさすがに日本の気象条件を知り尽くしたハウスメーカーのなせる業かなと感心しましたがいかなる植物工場も、たとえ趣味で行っているもどきであっても消費電力のパフォーマンスを第一義的に考えなければならない時期に来ているのではないかとおもいます。

<産業育成の視点から植物工場論議を>
太陽光併用型であれ完全制御型であれ例えば1000坪の植物工場モデルで通年室温を20~25度に保つにはどのような光源空調管理が消費電力を含めコスト面でベストなのかをわが国ではまず明確にされるべきです。つづいて採算面から生産性を高める栽培システムはどうあるべきなのか、各種自動化装置を導入しても採算が合うためのミニマムスケールとしてはどの程度の規模が必要なのか、それは3000坪なのか5000坪規模になるのか論じられなければなりません。そしていかなる場合も現行のビニールハウス栽培に比較して品質面でもコスト面でも優れたものでなければ農家にも企業家にも受け入れられません。植物工場に関するマスコミ報道を見ていていつも感じることは先に植物工場ありきで、それが現行のビニールハウス栽培を中心とした農家の野菜栽培と対比してどうなのかが全く論んじられていません。実際野菜そのものについては不作で値上がりした時だけがマスコミの話題になるだけの現状からは野菜栽培の何が問題なのかは全く見えてきません。欧米では個人レベルでもインドアガーデンが盛んなのは基本的には冬場寒さが厳しく野菜が作れないし市販品も少ないために何とか冬でも新鮮なレタスやトマトを家庭で育てて食べたいという食の願望から発達してきているように思えます。だからグローボックスが売られハロゲンランプを野菜育成の光源としてまた熱源として利用しているわけでLEDについても電気代がハロゲンの半分で済みますということだけがうたい文句になっています。イギリス・オランダなどは夏場でも25度を超すことがほとんどないから野菜を育てるのにエアコン利用など毛頭考える必要もありません。(だからオランダでは太陽光利用型植物工場が主流)
幸いなことにわが国は温暖な気候に恵まれ冬場でもスーパーの店頭から野菜が消えることがありません。トマトだってキュウリだって冬場に食べることができます。むしろ植物工場による通年栽培を考える際に欧米と異なり夏場の高温対策こそ大きな課題です。

野菜栽培及び流通面でこれだけ恵まれているわが国において農家・消費者の両者にとって野菜についての問題点は本当はどこにあるのかを明確にしてから植物工場議論も推し進めるべきです。現状において野菜の需給ギャップは存在するのか(農水省の野菜需給調整事業で指摘されている問題点は何なのか)、農薬による消費者の健康被害はどの程度なのか(農薬と生産性、農薬による健康被害の実態)、また原発事故の農作物への影響は、農産物価格と農家の所得・生産性はどうなのか、栽培システムとエネルギー消費、輸出産業としての農業の成長性などの視点から議論を進めるべきです。とりわけ農業従事者の高齢化と製造業の海外移転による雇用機会の減少を考えると若者が就労できる場所としての「農業工場」の建設と推進は産業育成という観点からも重要な急を要する問題ではないでしょうか。現在優れた野菜が地場の特産野菜として多くの篤農家によってビニールハウスや路地で栽培され出荷されています。先般もNHKのニュースで泉州の水ナス農家が紹介されていましたが丹精を込めてわが子のように育てられているジューシーな水ナスを見ていてこんな素晴らしい野菜をもっと大規模な野菜工場で年間を通してシステマチックに栽培し全国に販売していけば事業として発展するのにと思いましたがこのような例は全国に枚挙にいとまないと思います。。一つ一つのケースについて農水省の支援をえて農家・銀行・JA・農機具メーカー・照明機器メーカー・産業機械メーカー・ロボットメーカー・ソフトウエア会社などが一体となってシステム開発と販売協力をしていけば農業工場に育っていくとおもいます。狭義の「植物工場」議論ではなく対局的に日本の農業そのものを発展させる方向での議論が必要でしょう。そして農業も個人レベルの職人棟梁から脱却し工務店に、建設会社に、そしてゼネコンへと技術とスケールを拡大発展させてきた建設業のように雇用を誇れる産業に発展してもらいたいものです。米作と果実栽培については長年にわたり多くの研究者によって国家的見地からも研究開発が続けられてきましたが野菜についてはほとんどが種苗メーカーと農家に委ねられていたのではないかと思いますが今後は野菜栽培についても工業化を視点に全国に散在する金の卵を取り上げ国策として高品質な輸出商品にまで育て上げていってもらいたいものです。ただ農業は通常の製造業と異なり野菜生産に生物の成長期間という絶対的な時間を要するだけに一日も早い実施が必要でしょう。また果物と異なり鮮度保持期間の短い野菜をコスト安くどのように長期保存していくのかも重要な課題です。(この点からもオランダなどでも2次加工のできるトマトやキュウリといった果菜類に限定して栽培されているのでしょう)


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3 コメント

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発芽につきまして (田中)
2012-07-04 16:34:39
いつもブログを拝見して、勉強させてもらっています。
自作の栽培室が完成され、本格的な植物工場での栽培となり、今まで以上に、植物工場での野菜栽培に期待しております。

さて、最新の記事にて、玉レタス、リーフレタスが発芽している状況が出ておりますが
私どもは、リーフレタスを播種したのですが
種子10個中、1つしか発芽しないという状況にあります。

6月の上旬は、梅雨の影響で温度が低いから発芽しないのではないかと思っておりましたが
ここ3日間位は、雨は降っていますが、栽培室の温度は朝8時位~6時位までは25度を少し超える位になります。

発芽しないのは、温度ではなく、梅雨により湿度が高すぎるからでしょうか?
種は去年購入した物なので、半年~1年位経ってはいます。 
しかし、半年程度でこんなに発芽しなくなる物なのかなとも思います。

発芽がうまくいかない事につきまして、何か思い当たる所がありましたら、ご指導頂頂けないでしょうか?
返信する
レタスの発芽 (作田光水)
2012-07-05 09:33:32
田中様
レタスはこの時期温度が高くなりすぎて発芽しにくくなっています。昨年の「室内水耕栽培14」にも記載しておりますが冷蔵庫に入れて発芽させるのも一手かと思います。
返信する
発芽につきまして (田中)
2012-07-12 10:48:40
ご指導ありがとうございました

現在、冷蔵庫で大葉の種子を播種していますが、やはり発芽する様子がありません。

種子の使用期限内ではありますが、種子自体がダメなのかもしれません
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