水耕栽培による家庭菜園日誌

屋上での水耕栽培・人工光源を使った室内水耕栽培および屋外での有機水耕栽培に取り組んでいます。

屋上菜園24 (H23.10.21~11.14)

2011年11月18日 | 屋外水耕栽培
<大根「三太郎」を収穫>
10月21日 大根の三太郎を3本収穫する。かぶらの方が使い勝手が良いとのことで今年は大根はあまり多くは植えなかったがケアを怠ったのでうまく育っていない。ある程度大きくなれば栽培ポットから取り出して大根が腹切りにならないように右の写真のようにポットの底穴を大きくしておかなければならないのにこれを怠ったために右端の大根のように腹切り状態になっている大根がかなりあります。また保冷箱では底が浅いので大根は底につかえて大きく成長できません。やはりベランダストッカーのような深さのある容器で育てないと大きくなってくれません。おでん用には聖護院大根をかなり植えていますのでそちらに期待しています。
 

収穫した大根は田楽にして夕食でいただきました。


10月26日 第1回播種分の大根「三太郎」を収穫するも相変わらず腹きりが3本残っていました。葉付の大根で重さ約700gです。


<春菊を定植>
10月21日 15日に播種した春菊を20株ほど屋上のトロ舟に定植する。

<本日の様子>
10月24日 2回目定植の大根・かぶらもかなり大きくなり3回目も育ってきています。
 
大根の中には又しても腹きり状態になっているのがあります。遅ればせながら底穴の大きな栽培ポットに入れ替えました。

■参考 結球の仕組み
キャベツもかなり結球しています。11月に入れば収穫可能か。

参考書を見ると「結球野菜は生育が進むにつれて葉数がまず増加して外葉の発育が進み、植物体が一定の大きさになると葉は直立し始め相互に抱合し葉球の形成を始める。葉球の肥大・充実はもっぱら外葉からの同化養分の供給によって行われるため充実した葉球を得るには外葉の発育を促すことが非常に重要である。」と書かれています。(農文協「野菜栽培の基礎」より)
ということはキャベツにしろ白菜にしろ外葉がしっかり育っていないと駄目ということです。レタスについても同じことなので玉レタスを結球させようとすれば当然外葉がしっかり育っていなければならないわけですから徒長した状態では根本的に無理ということですね。

<白菜に黄化病発生か>
10月26日 白菜の一部に葉が黄色くなりかけているのがあり、気になるのでインターネットで調べると「白菜黄化病」という病気があるらしい。その症状は次のように書かれている。
「結球開始期以降に外葉が黄白化し始め、急速に株全体に黄化が進展、結球が不十分となり外側に開くようになる。症状が激しいと、外葉は葉ボタン状となり、葉柄基部から離脱しやすくなる。発病株の根や茎の導管部は褐色~黒褐色に変色するのが特徴であるが、軟腐病のように腐敗することはない。症状が軽ければ出荷も可能であるが、品質の低下は免れない。
病原菌は土壌伝染性のかびの一種で、アブラナ科のほかにナス科、ウリ科など多くの作物に寄生するが、寄生性の違いからナス系、トマト系、ピーマン系、エダマメ系、アブラナ科系に分けられる。本病の病原菌は主としてアブラナ科系であるが、近年、アブラナ科系は別種(Verticillium llongisporum (Stark) Karapapa, Bainbridge et Heale)に分類されるようになっている。」


詳しくは分からないがこの病気にかかっているかもしれないので殺菌のためオクトクロスを入れておきました。このようにうまく育っているようでも次から次と異常や病気が発生したりするので病害と対策については充分な知識がないと良い野菜は作れません。何事も同じで前進しようとすれば難題が降りかかりこれを乗り越えて一歩前進ですからまだまだ前途多難道遠しです。死ぬまでにはプロの農家の足元近くにたどり着ければいいのですが。

白菜などは年1回の栽培ですので今年失敗するとまた来年まで待たなければいけないので進歩が年単位ですからなかなか大変です。簡単な工夫と安いコストでせめて年3回位栽培できるようになればいいなと思案していますがそれにはどうしても温室やビニールハウスが必要で金銭的物理的に無理なので道遠しとなってしまいます。

■番外 世界人口70億人突破
10月27日 本日の新聞によると世界人口は今月中に70億人を突破とのこと。1959年に30億人だったのでここ50年で倍以上に増加したことになります。その内60%の42億人がアジアに住んでいるそうですがその食を支えているのは何といっても世界に誇る日清食品が開発したインスタントラーメンとそれに続く食品の工場生産技術によることは間違いないでしょう。アジア圏は熱帯から亜熱帯ですが冷蔵庫がなくても腐らないし日持ちのするインスタント食品が数多くの人々の生活を支えるのに大いに貢献したはずです。また2050年には93億人を突破するとのことなので、世界レベルで考えるとますます食品生産技術の発達が必要不可欠です。とりわけ生鮮野菜について考えるとまだまだ高い生産性を誇る栽培技術は開発途上です。植物工場の発達もその一つですがそれとともに生産性が高く短期収穫可能な野菜の新品種開発もますます重要になるはずです。1ヶ月で5kgに育つ白菜やキャベツができてくれば生産性はそれだけ高くなりますから。国策としてもお米や果実と同じように生産性の高い野菜の品種開発にもっと真剣に取り組み生鮮野菜の分野でもわが国の技術が世界に貢献できるようになることを期待したいものです。
グローバルに考えると大変大きな問題で次のような記載もありました。
「現在の世界人口は68億人、食糧生産は21億トン。2050年には世界人口は90億人となり、食糧は30億トン必要になるとされている。しかし、環境破壊等で実際は現在より食糧は25%不足すると推測されている。世界の国々は食糧確保を国の安全保障戦略として推進している。」(舘崎正二氏のブログより)   

■番外 25000分の1とバイオテクノロジー
10月28日 昨日のTV番組でサカタ種苗が紹介されていました。わが国の種苗市場で60%のシェアを持ち、この分野では世界で第4位の企業だそうです。野菜作りに携わる者としてまた日ごろその種苗の利用者として大変喜ばしいことです。ただ新種開発には大変な苦労があるようで1年間に2500種類の交配を行い、それを10年間やり続けてやっと納得の1種が開発できるというお話で、新種開発の難しさを知りました。果物と違って1個何万円もしませんし品薄・価格上昇の時だけマスコミに取り上げられて注目されるだけの野菜ですが本来はお米と同様に国民生活に密着した食材ですからもっと高い評価があってしかるべきですし、その種類の多さからいってもその開発を数少ない企業に依存するのではなくもっと多くの国家機関や大学研究所が最高の「バイオテクノロジー」技術を駆使して積極的な関与し世界に誇れるブランド野菜を作り上げていってもらいたいし、栽培面でもインスタント食品並みのイノベーションを期待したいものです。

<またしても手抜かり 白菜とキャベツ>
10月28日 白菜の「金将二号」はよく育っているので安心していましたが中に数株倒れているのがあるのでおかしいと思って調べてみると間引きを怠ったために1つの穴に2株が生長し互いに左右に分かれて育っているために倒れているのです。又しても手抜かりでこれでは大きく育ってくれない。ひとまず2株は収穫する。
 

キャベツも11月になれば収穫ですがここ1週間ほどはそれほど大きくなっていないし少し傾きかげんなのでよく覗いてみると茎が栽培パネルの上に大きく伸びていてその上にキャベツが実っている感じになっていました。キャベツの育て方の参考書を見ると大きくなるにつれて土盛りをするように書かれていますので水耕栽培であれば茎を水中に押し込んでいかなければならないということになります。これを怠っていました。根がしっかり生長できていないのはこの点の手抜かりが原因かもしれません。やはりはじめてのトライですのでどうしてもミスが避けられません。素人栽培の悲しさです。押し込めれるものは押し込み、押し込めないものは抜き取って穴を大きくしてから再度定植しました。根をいじっているので結果的には生長には良くないでしょうがやむを得ません。
 

<pH調整の失敗か>
10月29日 白菜の「金将二号」の中にやはりしおりかけがあるのでpHおよびEC値を計るとpH=6ほどでEC=0.5位なのでとりあえず肥料を追加して1.5にする。pHについては先日8近かったのでダウン剤を少し添加したがこれによって酸性になりすぎその後修正したがまだ少し酸性になっている。葉のしおれた原因はこの点にあるのでないかと思うのですが何事も生き物相手ですから慎重に行わないといけません。他の病気の可能性もあるので少し調べる必要があります。
 
 

<葉大根が大根に>
11月1日 葉大根の収穫が遅れているので本日収穫しましたがほとんどに大根ができています。葉を主として食するための大根ですから葉が柔らかく根には大根ができない品種かと思っておりましたがこれでは「三太郎」とほとんど変りません。トロ舟なので底が浅いので大根は大きくなっていませんが底が深ければほとんど同じような大根ができるのでしょう。
ひねた葉大根は夜炒めていただく。残った葉は野菜ジュースに入れて翌朝いただくことに。
 

<春菊を少し収穫>
11月1日 中葉春菊を少し収穫しました。下の葉を4,5枚残して上の葉を切り取って収穫すると書かれているのでそのように収穫しました。また次々と葉が成長してくるので何度かは収穫できるようです。
 

<チンゲン菜・ミズナも収穫>
11月1日 チンゲン菜も栽培パネル一杯に定植しているので密集状態です。隙間を取るためにも収穫が必要ですので本日2回目の収穫を行いました。右はテラピアの魚糞で育てているミズナです。盛り上がらんばかりですので少し収穫しました。春菊およびチンゲン菜も肥料不足の中ボツボツ育ています。
 

<白菜・キャベツの初収穫>
11月5日 キャベツをはじめて収穫する。外葉が大きく生長しているがやはり中の部分はまだ少し小さいが中を割ってみましたが虫もついておらずはじめての栽培にしてはよくできていると自画自賛。24株栽培しているが全株とも問題が無ければいいのですが。
 

つづいて黄化病にかかっている白菜も8株全部収穫する。外の黄色くなった葉を取り除き2つに切ってみると中身は何ら問題なし。品質は低下するが出荷に問題なしとありましたがその通りでやれやれです。3個はご近所に配り後は漬け物か鍋にでも使っていただくことに。まだ重さは一番重いもので1.2kgでまだまだ小さい。
 
 

<屋上でのレタス栽培>
11月5日 室内栽培との比較もあって屋上でもレタスを栽培しています。室内ではいずれも徒長気味で結球などは望むべきもないので何とか屋上で育てて結球させたいと考えております。本日も白菜を収穫した後にレタスを移植。パネル1枚に15株ほど定植して現在4枚のパネルで育てていますので60株ほどになります。気候的にも丁度レタス栽培に向いていますので何とか結球してくれないかと楽しみにしています。
 


<廃棄野菜でぼかし肥料作り>
1月5日 屋上で発生する野菜の切れ端などをそのまま捨てずにEM菌をつかったぼかし肥料づくりに使用しています。できた肥料はテラピアの魚糞で栽培しているトロ舟に入れて使用しようと思います。有機肥料ですから魚の水槽に流れても魚に悪影響はないのでないかと思っていますが。


<じゃがいもの水耕栽培>
11月13日 先月台所のジャガイモを半分に切り半日日干しにした後保冷箱に入れておりましたが本日見ると芽がでてかなり生長してきています。来年は家内の要望もあるのでジャガイモの水耕栽培にトライしてみるつもりですのでその前哨戦と言うところです。芽が10cm以上になると1~2本残して芽欠きを行い土もりをして施肥を行うのが栽培方法のようですが水耕栽培の場合は種芋より上にできる新じゃがをどのように育てるかがポイントのようなのでその辺を調べることが今回の目的です。根が育つ所と新じゃがができる茎の育つ場所をどのように取ればいいのかですがトロ舟に2枚のスチロール板を5cm位離して2段にして空間を2分し下は種じゃがの根が生長するエリア、上の空間が新じゃがが育つエリアにすればいいのではないかと考えております。



<娘に野菜を送る>
11月13日 岡山にいる娘にキャベツ・白菜・大根・ミズナなどを送ってやりました。白菜は2kg、キャベツは1.5kgありましたのでサイズとしてはまずまずの出来かと思います。
 

<玉レタスの様子>
11月13日 玉レタスの本日の様子です。同じ苗でも屋上のレタスには徒長が全く見られません。成長の度合いは室内水耕に比べ劣りますがしっかりと育っています。
 



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2 コメント

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Unknown (大連新世紀農産品有限公司)
2011-10-27 23:10:26
 いつも楽しく貴ブログを拝見させていただいております。
小生 中国 大連で、農産物関係の仕事に従事するものです。
 今後もご活躍を期待しております。
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お礼 (作田光水)
2011-10-28 10:14:29
小生のブログをご高覧いただき恐縮です。
趣味で始めましたが農業の奥深さとむつかしさに四苦八苦しながら楽しんでいます。
貴兄のブログも拝読しました。視点の広さからくる見識の高さに感心しています。益々のご活躍を。
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