いよいよ始まった秋のG1シリーズ。その第1弾は電撃スプリント戦スプリンターズステークス。中山競馬場の芝1200mで行われた。
1番人気は4歳牝馬スリープレスナイト。4連勝中(ダート2連勝→芝2連勝)の上がり馬で前走の北九州記念(JpnIII芝1200m)を牝馬ながらトップハンデ58kgを背負って圧勝している。その評価を買われての1番人気だろう。
正直言ってスプリント戦はあまり興味ないのだが(中長距離路線とは違い毎回のように主役が変わるので)、この馬は強かった。4歳牝馬のレベルが高いのはウォッカやダイワスカーレットで証明済みだが、昨年このレースを勝ったアストンマーチャンも同期だし、本当に強い牝馬がいるねぇ。しかも、アストンマーチャンとは違い、スリープレスナイトは1番人気を背負っての堂々の勝利。この先が楽しみな馬である。
まぁスリープレスナイトが強かったのは強かったが、それ以上に印象的なのが、勝利ジョッキーの上村騎手。上村騎手と言えば3歳時(旧4歳)のサイレンススズカに乗っていたことが真っ先に思い浮かぶ。サイレンススズカは好きな馬の一頭なのでね。あとはナリタブライアンの同期ナムラコクオーかな。それぐらいである。結構少ない。理由は今日のスプリンターズステークスで初のG1制覇だからだ。更に言うならスリープレスナイトで10年ぶりの重賞制覇だった。もうベテラン騎手だし割と知られている騎手なのに何故そこまで勝ち星に恵まれなかったのか不思議だろうが、それは上村騎手はある難病を抱えていたから。
「飛蚊症」と呼ばれる、視界に蚊が飛んでいるような黒い点が見えてしまう病気で、放っておくと目が見えなくなるらしい。病名は「黄斑上ぶどう膜炎」といって大変珍しい病気なんだとか。何度も手術を繰り返し、2004年に復帰。その後は騎乗機会はそれほど多くないものの、それなりに勝鞍を上げ、そして今年ついに10年ぶりの重賞制覇。そして、40回目のG1騎乗機会で初めてG1を勝った。今日のゴール直前のガッツポーズや検量室で他の騎手たちに祝福されている様子を見ていてちょっと感動。上村騎手の苦労を知っている人たちなら尚更だろう。
まさにドラマである。競馬は馬券だけじゃねぇー!!って言いたい。
さて、来週は秋の古馬中長距離G1戦線では重要な重賞レースがある。中でも安田記念を制したウオッカの出走する毎日王冠が楽しみだ。
それと、今日の深夜、フランスのロンシャン競馬場で行われる伝統のレース凱旋門賞がある。日本からメイショウサムソンが出走するので、応援したい。ディープインパクトも叶えることができなかった夢をサムソンに託したいね。楽しみだ。