3年連続でダービー馬不在となった菊花賞。時代は変わったのか。まぁ今年のダービー馬ロジユニヴァースは体調面のこともあっただろうけど。
1番人気は春3強と言われながらも無冠で終わったリーチザクラウン。鞍上は菊花賞を4回勝っている武豊。長距離では信頼ある天才ジョッキーだ(最近は天才より名手って呼ばれることも多くなってきたけど)。
2番人気はそのリーチザクラウンを前走の神戸新聞杯で破った夏の上がり馬イコピコ。強力な末脚が武器だ。鞍上は先週秋華賞を勝った四位騎手。
3番人気は春3強の一頭で皐月賞を勝ったアンライバルド。不良馬場だったダービー以降不調が続いているが巻き返しなるか。
レース前。発汗が目立ったのは1番人気のリーチザクラウン。元々折り合いに課題があった馬。距離が3000メートルの菊花賞では折り合いが鍵であるだけに、その発汗が気になった。
レーススタート。1コーナーでリーチザクラウンは一気に先頭に立つ。他に逃げ馬が不在だったのでこれは予想通りだった。
しかし、それ以上にリーチザクラウンが飛ばしているようには見えた。道中2番手と10馬身くらい差があったからだ。
案の定、3コーナーから4コーナーで一気に差を詰められた。
が、ここからかなり粘った。後ろから誰も来ない。そこへ、リーチザクラウンの後ろをピッタリ付けていたスリーロールスがするすると伸びてくる。
残り200メートル。後少しでゴールというところでリーチザクラウンが力尽き、代わりに先頭に立ったのがスリーロールスだった。
外へヨレながらも懸命に走るスリーロールス。それに遅いかかる後方集団。
内から伸びてきたフォゲッタブルと馬体が合わさったところがゴール。
ゴールまで目が離せない展開だった。
1着スリーロールス、2着フォゲッタブル、3着セイウンワンダー、4着イコピコ、5着リーチザクラウン。
1、2着馬はともに父が1996年にこのレースを勝ったダンスインザダーク(鞍上は武豊)。ダンスインザダークの仔はこれで菊花賞3勝目。そして、ダンスインザダークは今回1番人気だったリーチザクラウンの橋口調教師の馬でもあった。
長距離は血統がモノを言う・・・その通りの結果になった。
2着馬フォゲッタブルは母が1997年の天皇賞・秋を勝った名牝エアグルーヴ。姉にエリザベス女王杯2連覇のアドマイヤグルーヴがいる。良血馬と言われながら勝ちきれなかったのは本質的にステイヤーだったからかもしれない(まぁ父がダンスインザダークだしね)。
3着のセイウンワンダーは2歳チャンピオン。最近の2歳チャンピオンは3歳になってからの成績がイマイチで「朝日杯FSに勝った馬はクラシックで走らない」というジンクスが出来かかっている。でも、この馬はクラシックでもちゃんと活躍している。変なジンクスに負けないように頑張ってほしいね。
勝ったスリーロールスに乗っていたのは若干20歳の若手ジョッキー浜中騎手。レース後喜びを体いっぱいに表現していた。本当に嬉しそうにしてて見てて微笑ましかった。
若手台頭は競馬界にとっても良いことなので、これからG1で勝てるジョッキーになってほしいねぇ。
まぁでも、このレースを最後まで盛り上げてくれたのはリーチザクラウンであることは間違いないね。途中までは逃げ切っちゃうんじゃないか?って思ったもの。
あれだけ発汗して若干行き過ぎてたように見えたのに、最後まで粘ってちゃんと掲示板に乗ったしね。やはり長距離レースで武豊を侮ってはいけないということなのか。
本命馬不在のレースだったけど、最後まで楽しめた。やっぱ短距離レースより長距離レースを増やしてくれると嬉しいなぁ。駆け引きとか折り合いとか見てて面白いもの。短距離じゃそういう面白さがないからなぁ。
さて、来週はいよいよ待ちに待った天皇賞・秋。
女王ウオッカが連覇達成し、史上初の牝馬でG1・7勝馬になれるかどうかがかかったレース。
当日の観客数は凄いんだろうねぇ。今や日本競馬界の代表馬だものね。彼女が出るっていうだけで盛り上がる凄いスターホースだと思う。
楽しみ~。