2018年11月30日発売予定、きゃべつそふと最新作「アメイジング・グレイス」の体験版をプレイしてみました(*'∇')
凄く長かったので読み終わるのに時間がかかってしまったでござる(´・ω・`)
アメイジング・グレイス 概要
オーロラに囲われ閉ざされた町に“外”からやってきた記憶喪失の主人公・シュウが、芸術の栄えた町でヒロイン達と出会い、自分の持っている常識とは違う文化に戸惑いつつも、彼女たちと共に学園生活を送るが、クリスマスの日にその町が滅亡の危機を迎えるというお話。主人公とヒロインの1人・ユネの目的は、その滅亡から町を救うこと。
アメイジング・グレイス 用語解説(体験版で説明があった部分のみ。真実かどうかは不明)
町
本作のヒロイン達が住んでいる世界。オーロラに囲われており、“外”に出ることが出来ない町。この町の住民にとって、そこがたったひとつの世界。この町では“外”がどうなっているか話すことはタブーとなっている。誰がタブーと決めたのかは不明だが、この町の住民たちはそれに従っている。また、“外”の世界のことを“失楽園”または“禁断の領域”と呼ぶ人もいる。
他にも、オーロラの外は“101年前にアポカリプスで滅亡した世界”であり、オーロラはその世界の終わりから町を守ってくれたものだとされており、この町はかつて日本にあった。それ故にシュウの日本語が通じる。それ以外の共通項として、食べ物や美術品等がある。名前は変わっていても同じ物もあったりする。
基本的には文明レベルはシュウの世界よりも遅れており、この町では自動車はなく(自転車はある)車と言えば馬車のことを指すが、生体認証の技術などシュウの世界より優れているものも部分的にはある。電話もテレビもないが、ラジオはある。色々とチグハグな文明に感じられる。
この町に学校は全部で6校ある。最初に通うことになる“チック”は3校、その後に通うチヴェッタは2校、そして、最後はアレイアに集まってくる。アレイアよりも上の学校はないらしく、生徒たちの将来もそこでほぼ決まることになる。
この町に“外”から来ることと、“外”の記憶を保てないことは必然の因果関係だとシスター・リリィは考えているようだが・・・。
アポカリプス
101年前、1917年に起こったとされる世界の終わり。詳細は不明だが、それにより世界は滅亡した。世界が滅んだのは、開けてはならない“パンドラの箱”が開けられたからだと言われている。
アメイジング・グレイス
101年前のアポカリプスの際に“町”を救った奇跡。大いなる恵みとも言われる。町全体をオーロラが囲い、それによって“町”だけが生き残ったとされている。住民たちはその説明だけで納得しているようだが、“外”からやってきたシュウからすれば、空想でしかないという印象である。
聖アレイア学院
ユネたちの通っている学校。全校生徒は100人程度。教師は20人程度。学長は在学中に1度見ることが出来るかどうかのレアな存在らしい。学院の入り口は立派な門構えをしており、全体的に華々しくて美術館のような建造物になっている。キリスト教的なものを取り入れており、敷地内にはチャペルがあり、1日の初めを礼拝によって迎えるため、登校したら先ずはチャペルに集まることになっている。
芸術分野に優れた生徒が集まっているため、校舎にはアトリエが7ヶ所ある。授業も火曜日以外は芸術に関するものしかなく、芸術専門学校のようなものである。火曜日だけは体育の日となっており、全学年関係なくスポーツをすることになっている。授業は午前中で終わり、寮で昼食をとった後、午後は自由時間だが、殆どの生徒は自分の作品作りに時間を充てている。尚、何故か音楽に関する分野だけは芸術と認められておらず、音楽関係を専攻しているのは、ユネしかない。
文化祭は12月25日のクリスマスに行われ、一般の来場者も多く訪れるため、町ぐるみの一大イベントとなっている。自分の技術を披露する最大の機会となり、更に最優秀生徒に贈られる“アレイア賞”に選ばれれば、アーティストとしての将来は確約されるため、文化祭の時期が近くなると、生徒たちは自分の作品作りに集中するようになる。そのため、クラス単位での出し物はなく、あくまで個人の作品を発表するイベントとなっている。ただし、演劇部の演劇など個人では出来ないものは団体での出展となる。
シュロ寮
早口言葉に出てきそうな名前だが、聖アレイア学院の第二学生寮。屋上には町を一望できる時計台がある。尚、第二とあるが、第一学生寮は既に潰れているため、現在はシュロ寮しかない。
門限は夜の10時。1階と2階が男子寮で、3階と4階が女子寮になっている(このことから、時計塔へ行くには女子寮を通るしかない)。部屋の中は1人部屋とは思えないほどの広さがある。個室は全室オートロックとなっており、部屋に入るには生体認証をする必要がある。
尚、学院生は物心ついた頃から寮に住んでおり、親が誰か分からない。お小遣い制で毎月24日にリリィ先生から渡されることになっており、生徒たちは基本的にそのお金だけで生活している。アルバイトも可能。
美術回廊
学園の敷地の地下にある広大な美術館。ギャラリーと呼ぶ人もいる。基本的に授業に出てくるような有名な作品のレプリカか飾られているが、中には優秀な学生の作品も飾られている。学園の敷地内ではあるが、一般の人でも入ることが可能。今まで大きな災害が起きたことがない町の中において、唯一防災対策がされている避難場所だが、危機管理がほとんどない住民が多いことから、そのことを知る人は意外にも少ない。ただ、何故か25日の夜だけは閉まっているらしい。シャッターで閉められた場合、開けるには生体認証が必要で、リリィしか開けることは出来ない。
美術回廊はただ作品が飾られているだけのため、誰の何の作品かを知るには、かなりの知識が必要。アレイアの教師陣は美術回廊の解説員も兼ねているため、殆ど分かるらしい。芸術に詳しい人ばかりの町ではあるが、美術回廊にある作品の多さは、聖アレイア学院の生徒と言えども全てを把握するのは困難なため、作品を1つ1つ紹介してくれる音声ガイドがある。尚、以前の音声ガイドはシスター・リリィだったが、今の音声ガイドを担当しているのはユネである。
オンネトー
“外”から来たシュウがユネと最初に出会った湖。町の人間なら知らない人はいないというほど有名な湖だが、“外”から来た上に記憶喪失のシュウは当然知らない。ユネ達の暮らすシュロ寮からだとかなり遠く、森を抜ける必要があり、1時間以上歩くことになる。非常に綺麗な湖だが、それは湖の水は非常に強い酸性だからである。酸性湖のため、微生物などしか生きられず、当然、人が入れるようなものではない。
オンネトーの手前にある森の中にはクリスマスツリーと呼ばれる大きなエゾ松がある。待降節(アドベント)が始まると、町の住民総出でその木に飾り付けを行うことになっている。ただ、飾り付けが本格的に始まるのはクリスマスの直前であり、アドベント初日から飾り付けをするのはユネくらいのものである。この木に飾り付けをしたときに願いごとをすると、その願いが叶うと言われている。
ヌイ公園
町の中心にある公園。ヌイ公という愛称もある。敷地面積は聖アレイア学院と同じ広さがある(凡そ野球ドーム数個分)。
この公園はマキリという名の芸術家(故人)がデザインしたらしく、全体を1つの芸術作品として捉えて設計したと言われている。そのため、遊具やオブジェや緑などありとあらゆる物の配置が綿密に考えられている。その中でも特に目を引くのが公園の中心部にある巨大なオブジェで、“ゴリアテの涙”というタイトルが付いている。
単位
ハイドは高さの単位、距離の単位はリークル。ダヴィデ像1体あたりの高さが1ハイド。
お金の単位はルインで、硬貨は100ルイン、500ルイン、1000ルイン、5000ルインまである。パッとした見た目は同じだが、硬貨に描かれている絵柄で分かるようになっている。硬貨のみで紙幣はない。
年数、日時、曜日など時間に関する部分はシュウの知っている世界と同じものを使っている。
クリスマス
12月25日。キリスト生誕祭の事。この町もクリスマスになるとお祭りムード一色になり、聖アレイア学院では文化祭が行われる。商店街では全品1ルインという超格安になるため、どのお店にも行列が出来る。この日は楽団が一定時間になるとラッパを鳴らすため、待ち合わせやイベント開始等、それを合図にすることも多い。ラッパを鳴らすのは、9時、12時、14時、16時、18時、20時、22時の計7回。
昼間のイベントが終わると、今度は森の中にある皆で飾り付けをしたクリスマスツリーのところへ行き、そこで後夜祭が行われる。学生もこの日だけは門限がないらしい。
サンタクロース
クリスマスの日に良い子にしていた子ども達にプレゼントをくれる人。その存在を本当に信じている人は子どもか一部の純粋な人くらいだが、“町”においては、オーロラを越えてこられる人物だと言われている。
また、そのサンタと一緒にやってきて、悪い子をさらってしまう人を“黒サンタ”と呼んでおり、黒サンタにさらわれた人は二度と戻ってこないと言われているが、存在そのものも怪しいため定かではない。しかし、キリエとコトハの2人は、とある理由で黒サンタの存在だけは信じているらしい。
ミューズ
最近“町”の中で出回っているドラッグのこと。一般の生徒でもその噂は聞いたことがあるほどに有名である。当然違法であり、単純所持でも処罰されるが、中には隠れて持ち続ける人もいる。
そのドラッグの見た目の特徴としてはチープなフクロウが描かれた紙に沁み込ませている点である。その絵が描かれた紙はブロッターと呼ばれる紙で、元は筆についたインクを吸い取る時に使うものだった。しかし、その紙には快楽を得られる代償に依存症を抱え人体を破壊される薬物がたっぷり沁み込まされている。摂取するには舌の上に乗せる。
かつては、錠剤やカプセルといった形のドラッグも出回っていたが、最近はそのブロッターを使っているのが主流となっている。その効果は葉っぱや粉末とは比べ物にならないくらいあるらしい。ミューズは服用するとありもしない幻覚を見て、強烈なインスピレーションを得られると言われている。それ故、芸術の町の住民たちは“創る”ためにドラッグを使うという人も多い。しかし、ドラッグに手を染めるのが1番多いのは、聖アレイア学院の生徒たちである。そして、1番重要なのが副作用の方だが、体験版部分ではそれはまだ判明していない。
ドラッグに芸術の神ミューズの名が使われている理由は、そのインスピレーションにより神と一体化したかのような感覚になるからと言われている。尚、フクロウの絵が描かれている理由は、知恵の女神ミネルヴァのアトリビュートであるからである。
オーロラナイト
毎週火曜日の夜10時から放送しているラジオ番組。リラという正体不明のお姉さんがパーソナリティを務めている。どこから放送されているかも不明で謎が多い番組である。
しかし、学生のほどんどが聴いているというほどの人気番組で、その番組の最後には必でリラのオススメのお店を紹介され、紹介されたお店は放送の翌日になると多くの学生で溢れかえる。尚、ラジオで紹介されたお店では「オーロラナイトを聴いた」と言えば割引されるらしい。
謎の壁画事件
1年前のクリスマス頃から発生し始めた、町のどこかで不定期に謎の壁画が描かれるという悪質な事件。悪質扱いされているのは、それがただの落書きのようにしか見えなく、壁画というには本物の壁画に失礼だかららしい。犯人はいまだ捕まっていないが、壁画が油彩画のため、油彩画を専攻している生徒たちに疑いの目が向けられている。壁画が描かれた回数は作中開始時点では不明だが、この事件のことをシュウが知った時点で8回目だった。シスター・リリィはこの犯人を探すのに躍起になっているらしく、学院の外で落書きされていても、自分で消しに行くほどである。
赤リンゴと青リンゴ
ユネが自分で作りアドベントに入ってすぐにクリスマスツリーに飾り付けた双子リンゴ。本来はただの飾り付けだったが、ユネがツリーに向かって“この町にアメイジング・グレイスが訪れますように”と願い事をしたときに、本物のリンゴへと変わった。シュウとユネはその双子リンゴを片方ずつ齧ってみたが、この行動が後々の重要なトリガーとなっている。
赤リンゴは生命のリンゴ、青リンゴは知恵のリンゴ。赤リンゴはそれを食べた時間まで巻き戻す効果があり、青リンゴは時間が巻き戻った後もそれまでの記憶を引き継ぐ効果がある。2つのリンゴが出現するには男女1組が必要で、食べられるのも1人1個だけのため、両方の効果を1人の人間が得られることは決して出来ない。尚、巻き戻った時間から戻ってくる条件は、双子リンゴを食べたどちらかが“祈る”ことだが、その祈りが通じるのはクリスマスだけである。そして、祈りが通じるのはクリスマスツリーの近くにいることであるため、あまり遠く離れすぎると戻れなくなってしまう。
尚、巻き戻せる回数については不明であり、時間を巻き戻して目的を達成し、元の場所に戻る必要がなくなった場合、1人取り残された赤リンゴを食べた人がどうなるかも分からない。
時を巡るアンナ
ユネが大好きな映画。大好きな人と結ばれるため、3日間という短い期間を何度もタイムリープし、恋愛成就した少女を描いた物語。おそらく“外”で撮影された映画だと思われるが、比較的綺麗なカラー映画だったため、100年以上前(新しくとも1900年代初期)に撮影したものとは思えないことから、シュウは違和感を覚えている。
方乳首
ユネがシュウを見つけたとき、シュウの衣装が破れており、片方の乳首だけ露出していたことから、最初はそう呼ばれていた。命名者はサクヤ。
アメイジング・グレイス キャラクター紹介
シュウ
今作の主人公。“外”から来た人間だが、その“外”の記憶を失くしている。ただし、何か共通する単語があると、その拍子に“外”の記憶を思い出すことがある。やや流されやすい性格で、よくキリエやコトハに誘導尋問されて騙されている。
得意なものが思い出せず、聖アレイア学院の芸術に特化した授業についていくのに苦労している。ただ、この町では弾ける人が少ないピアノを弾くことが出来るため、アカペラ専攻のユネにとっては貴重な存在となっている。
ユネ
聖アレイア学院2年生。シュウと同じくリンゴ組。誕生日は12月25日のクリスマス。歌が得意で専攻はアカペラ。七色の声が出せると言われており、生体認証すらも騙せてしまう。基本的に静かな場所が好きで、1人の時間を大事にするタイプ。放課後は美術回廊にいることが多く、時々オンネトーにまで足を運ぶ。オンネトーでは歌の練習をしており、そこでシュウと出会った。
歌を芸術として捉えている人がおらず、チヴェッタでも歌を専攻にさせてもらえなかったこともあり、アカペラを専攻していることに後ろめたく感じてしまっている。尚、歌は上手いが演技力はびっくりするほどまったくない。ただし、ナレーションと老婆役なら問題ない。
耳が良く、遠くの声まで拾える。また、自然の声が聞こえるらしく、翌日の天気もよく当たると評判である。
キリエ
聖アレイア学院2年生。シュウとは同じクラス。いつも明るく元気いっぱいで、やや躾には厳しいところがある学院においても、礼拝をサボる等マナーやルールを気にしない色々と型破りな性格。絵画等の知識もあまり勉強していないため、シュウとそんなに変わりなかったりする。ホラー映画を観た後は1人でトイレに行けなくなるため、紙おむつを買っているらしい。お漏らしキャラ確定(爆)
専攻は映像制作。演劇部に所属し、映画製作の監督をしているが、映画の〆といえば爆発しかないというのが流儀で、どんな作品でも最後は爆発を入れる。演技力は抜群だが、何故か本人は役者をしようとはしない。何故かシュウを文化祭で公開する映画の主演にしようと勧誘してくる。
サンタクロースは信じていないが、さらわれた人物を知っているため、黒サンタの存在は信じている。
コトハ
聖アレイア学院3年生。シュロ寮の女子寮長。人望があり下級生・・・特に女子に人気がある。キリエからも“コト姉”と呼ばれている。
しっかり者で頭も良く、一見真面目そうな大人っぽい雰囲気を持つが、キリエの滅茶苦茶な映画撮影にも普通に付き合える神経の持ち主。また、朝に弱く、いつもキリエに起こしてもらっている。
絵画が得意で優秀な生徒が集まる学院の中でも頭一つ抜けている。その類まれな才能のためか、学院の第7アトリエは彼女専用のものとなっている。
サクヤ
聖アレイア学院1年生。余程のことがない限り表情を変えることはなく、メトロノームな後輩である。ただ、シュウと2人きりのときにだけ、表情を変えることが多い。また、観察眼もあり、人の変化にも目ざとい。
服飾を専攻しており、どんな服でも作れる。彼女の制服は自分でアレンジしたらしい。自分の作品を作るときはアトリエを使うのではなく自室で行う。
運動が得意ではなく自転車には乗れない。シュウの“方乳首”の命名者で、下ネタに関しては想像豊か。
リリィ
聖アレイア学院の教師。シュウのクラスの担任でもある。生徒からはシスターとも先生とも呼ばれている。普段は落ち着きのある女性だが、潔癖すぎるため、下ネタを聞くと、妄想を広めてしまう。でも、何故かそういうネタには詳しいムッツリスケベw
質素な生活をしているように見えて、実はハンバーガーが大好きで、行きつけのお店まである。しかし、ハンバーガーを頬張る姿ははしたないと思っているようで、誰にも見つからないようにしている。そのため、彼女の前でハンバーガーの話題はタブーである。
リンカ
コトハとキリエの親友で、キリエ以上に問題児だったらしい。黒サンタに連れ去られ、1年前から行方不明となっている。現在はキリエの制作した映画の中でしか彼女の姿を見ることが出来ないが・・・。
ギドウ
聖アレイア学院3年生。シュロ寮の男子寮長。一見するとクールな眼鏡男子だが、変わり者が多い学院生の中でも際立って変態である。しかも自分が変態であることに誇りを持っている厄介な人物。
ただ、手先の器用さは異次元であり、どんなものでも精巧に作ることが出来る。彫刻で右に出る者はいないと評判である。
ヨウジ
聖アレイア学院2年生。シュロ寮ではシュウの隣の部屋でクラスも同じリンゴ組。専攻は版画。色々と貧乏くじを引かされるイジられ役。
店長
よろず屋っぽい何でもある雑貨屋の店長。情報通で町のことなら色々と知っている。皆が“店長”と呼んでいるため本名は不明だが、聖アレイア学院の卒業生。そのため、聖アレイア学院の学生御用達のお店になっており、彼らがいつも訪ねてくるため、未だ学生気分が抜けないらしい。
アーティストになれなかったため、お店を構えたが、それでも、自分の手作りの家具などを制作してお店に置いている。ただ、学生には見向きもされていない様子。
“外”から来たというシュウのことを深く追求してこないあたり割と大らかな性格のようである。
アメイジング・グレイス 体験版 あらすじ
満身創痍の体で森を抜けたシュウが見たものは、天使のような容姿と歌声を持つ銀髪の少女の姿だった。その少女の姿にしばらく見惚れていたシュウだったが、それも限界が来て倒れてしまう。シュウが倒れたことに気付いた少女は声をかけるが、先ほどの天使のような歌声とは裏腹に、ひどく棒読みな声だった。少女にどこから来たのか聞かれたシュウは、“学校に”と答えようとしたところで、意識を失ったのであった。
シュウは意識を失っている間、脳裏に不思議な声がよぎり、ふと目を覚ますと、そこは見覚えのないはずの部屋で、サクヤという名の少女がいた。サクヤはシュウが目を覚ますと部屋の主であるユネという少女を呼び出す。そして、姿を見せたのは、シュウが気絶する前に森で出会った銀髪の少女だった。その後、ユネとサクヤと話してみると、シュウは自分が持っていたリュックを失くし、更に自分が何者でどこから来たのか記憶が断片的に無くなっていることに気付く。しかも、携帯電話のことなど、自分が知っている事を彼女たちは知らないと言う。そして、何も知らないシュウを見て、ユネはある可能性に気付く。それは、シュウが“外”から来た人間ではないか・・・ということだった。
ユネはシュウを時計台の上へと連れていき、自分たちの住む世界を見せる。シュウはオーロラに囲われた町を見て戸惑うが、あいにく自分の記憶にはなかった。シュウに自分たちの住む世界を見せたユネは、オーロラの“外”を知っているかと聞くか、シュウは“覚えていない”と答える。シュウの答えを聞いて、ユネは残念がる様子もなくシュウは只の記憶喪失であると結論付けようとしたが、シュウはそれを否定。この世界のことについて何も引っかかるものはなく、また、意識が覚める前に自分の脳裏によぎった“外の存在”をほのめかす“予言”が真実味を感じさせるものだったから。何より、自分がそれに強く納得し、オーロラに囲われた町だなんて、おかしいと感じていたから。
その後、ユネとサクヤと一緒に寮の外に出たシュウは、“聖アレイア学院”という単語を予言の中で聞いていたため、2人に聖アレイア学院へと案内してもらう。しかし、学院に着いても何も思い出すことは出来なかった。そこで、ユネは先生にシュウを紹介すると言って、サクヤと一緒に校舎へと入っていってしまい、シュウは校舎の外で待つことになった。そこへ、キリエという少女が十数人の団体とやってきて、撮影を始める。そして、誰かに主演をやってもらいたいと言い始めたため、何となくイヤな予感がしたシュウは、関わらない方がいいと感じたものの、一歩遅くキリエに見つかってしまう。そして、彼女の作る映画のヒロイン役のコトハの演技に騙され、主演にさせられてしまうのだった。
キリエのとんでもない映画撮影によって精神がごっそり削られたシュウは、彼女達が去った後にやってきたユネとサクヤを見て癒された。その後、2人の案内で学院内にあるチャペルへと向かったシュウは、そこでリリィというシスターと会う。彼女はシュウの記憶喪失の状態を聞いて、“外”の世界の記憶はこの町に来ると引き継ぐことが出来ないのではと話す。リリィはシュウが“外”から来たということを疑ってはいない様子だった。そのことについてシュウが聞いてみると、リリィは、ユネとサクヤが優秀な生徒だから信じたいと言い、シュウの聖アレイア学院への編入について話を始め、答えをはぐらかすのだった。
シュロ寮に戻り、男子寮長のギドウから部屋を分け与えられたシュウは、ユネに手伝ってもらい、長らく放置されていた部屋の掃除を行う。そして、部屋がきれいになったところで、ユネにお礼を言い、何か手伝えることがあったら言ってほしいと言うと、ユネは手伝ってほしいことはあるけど、またあとでとだけ言って部屋を出て行った。ユネが部屋を出た後、疲れが残っていたシュウは、同級生のヨウジに起こされるまで眠ってしまったため、門限の時間を過ぎても一向に眠くならなかった。そのため、シュウは町の“外”のことが気になり、ルール違反になるが女子寮を通って時計塔へ行こうとするが、そこをユネに見つかってしまう。
ユネはシュウが何となく時計塔に行きたそうにしていたのを察し、シュウを時計塔へと連れて行く。そこで2人は“外”のことについて話をするが、シュウはユネが自分の記憶の中にある国の名前を知っていることについて驚いた。そこでユネは自分たちが“外”の世界についてどう教えてもらっているか、シュウに話すことにした。それは、フランスなどの“外”にあったとされる国は101年前のアポカリプスで滅亡してしまい、この町はシュウの住んでいた日本にあった町で、オーロラによって守られているというものだった。そして、シュウの他にも1人だけ年に1度“外”からやってくる人がいると話す。それはサンタクロース。さすがにユネは今の年齢になると信じていないようだったが、“外”からやってきたというシュウがそのサンタクロースなのかもと冗談交じりに言うのであった。
翌日、登校初日を迎えたシュウは、全校生徒が集まったチャペルで紹介され挨拶する。最初は無難に済ませようと思ったが、何故か頭の中に言葉が思い浮かび、少し長い挨拶をしてしまったが、皆から立派な挨拶だったと言われ照れていた。その後、授業が始まるが、科目は芸術に関するものしかなく、しかも全員ハイレベルであるため、芸術の知識も技能もまったくないシュウは、ここでは自分は落ちこぼれになってしまうのではと不安を感じてしまう。シュウには得意分野がないという話を聞いて驚くユネ達だったが、それなら放課後の時間を使って自分に出来ることを探してみるといいと提案。シュウもこの学院に早く溶け込むために、努力してみることにした。そして、迎えた放課後。ユネたちの制作現場に立ち会ったシュウは、皆が楽しくやっているということを強く感じ、ますます才能の差を見せつけられ、落ち込んでいた。そこへギドウが声をかけられ、シュウにはこの町の住民にはない視界があるとアドバイスし、自分が使っていた古いカメラを渡す。そのカメラで、シュウならではの視点でこの町を撮影してほしい・・・ギドウからそうアドバイスを受けたシュウは、自分なりに出来ることを1つ見つけたのであった。
ギドウからカメラを譲り受けたシュウは、そのカメラについて“外”の知識を皆に教えると、シュウに用事があって近くにいたリリィに、皆が混乱するからあまり外のことを広めないよう注意されてしまう。その後、リリィから芸術に関する知識がほとんどないシュウに対する補習として案内で学院の地下にある美術回廊へと案内され、同じく知識という面ではシュウとさほど変わらないキリエや、自主的に付いていたユネと一緒に、美術回廊を回ることになった。リリィから好きなアーティストや作風、時代はあるかと聞かれたシュウは、脳裏に1枚の絵がよぎり、“クローザの失楽園”と答える。ユネとキリエは知らない様子だったが、リリィは顔を強張らせ、そのタイトルの絵はここにはないとだけ答える。そして、シュウがもう1つ知っていた絵画“快楽の園”ならこの美術回廊にもあるため、リリィはルネサンス期のコーナーへと案内する。そこでリリィは1枚の絵を見て、その絵に描かれている大勢の人物の中の1人を指し、これが誰だかわかるかと質問すると、3人とも答えられなかった。しかし、その人物を象徴する物をヒントに出すと、そのエピソードを知るユネはすぐに答えを導きだした。シュウはそのことに驚くが、リリィは絵画における一種のお約束でもあるその人物を象徴する持物“アトリビュート”だから、ユネは答えられたと教えたのだった。
リリィの補習授業が終わり、寮に戻って休んでいたシュウだったが、外から物音がしたため、強盗だと思い構えていると、ベランダから入ってきたのはキリエだった。キリエはシュウの真上の部屋らしく(更にその上はコトハ)、梯子を使って降りてきたようだった。キリエは1つだけ聞きたいことがあると言い、シュウに質問する。お前は黒サンタなのかと。シュウはその黒サンタについて説明を求めると、キリエは悪い子をさらっていくサンタだと答える。彼女はサンタの存在こそ信じていないが、黒サンタのことは信じていると話し、その理由について、さらわれた人を知っているからだと答えた。その人は良い人だったが、遅刻したり礼拝をサボったりキリエと同じようなことをしていた人物だったため、彼女はその人だけさらわれて自分だけ無事な理由が分からないと話す。しかし、1つだけキリエと違った点があった。それは、“外”に対して興味を持ちすぎてたということだった。知らなくていいことを知ってしまった。だから、黒サンタにさらわれたんだと。それはアダムとエヴァの“禁断の果実”のようなものが、この町の外にあるのかもしれないということだった。そして、“外”から来たというシュウの近くにいれば黒サンタに会えるかもしれない・・・彼女はそう考えているようだった。
12月に入り、この町に来て初めての休日を迎えたシュウは、ユネ達の案内でヌイ公園や店長のお店を見て回る。その後(キリエの尊い犠牲はあったが)、リリィとの面談の約束があったため、ヨウジと一緒に美術回廊へと向かう。そこにはギドウが待っており、何故この3人なのかと疑問を抱きつつもリリィの待つ場所へ行く。リリィはヨウジとギドウに来てもらったのは、自分相手では話しにくいこともあるだろうから、シュウのサポートを頼みたかったからだと話す。そして、シュウに対し、聞きたいことがあれば聞いても構わないという。シュウはそれならと、ユネから聞いた101年前のアポカリプスについての詳細を聞くと、リリィはその質問を想定していたのか、面談の場所をあえて美術回廊にしていたらしく、シュウたちをある場所へと案内する。そこには巨大な壁画があった。ミケランジェロの代表作“最後の審判”。世界の終末を描いた作品で、101年前に起こったアポカリプスもまた、そんな世界の終わりなのだと話す。では、何故この町だけは無事なのか。それは“アメイジング・グレイス”が訪れたからだと説明する。シュウはそれを聞いても意味不明だったが、つまりは“アメイジング・グレイス”というのは、この町を救った奇跡そのもののことだった。リリィやヨウジたちはそれで納得していたが、シュウは空想めいた印象しか抱けず、どこか“そういう世界観なんだ”と教えられているようにしか感じられないのであった。
待降節(アドベント)を迎えた町はクリスマスムード一色となった。いまだにシュウを自分の映画の主演にしようと目論むキリエは、昨年作った映画を見せることにした。その映画にはユネたちも出演していたが、その中で1人だけ知らない人がいた。リンカ。主人公役をしていたのは彼女だったが、映画を見終わった後にリンカのことを聞くと、キリエもコトハもあまり多くを語ろうとしなかった。その日の夜。ユネがクリスマスツリーの飾り付けをしていないことに気付き、森に行こうとするが、もう夜も遅いからと止められる。しかし、シュウが一緒に行くと言い出すと、コトハはユネをシュウに任せ、2人はオンネトー手前にある森へと向かう。クリスマスツリーまで辿り着くと、ユネは自分が用意したリンゴの装飾の片割れをシュウに渡し、2人で一緒に木に飾り付けを行い、願いごとをする。ユネはこの町にアメイジング・グレイスが訪れますようにと願い、シュウは記憶が戻りますようにと願った。すると、突然周囲が光だし、その光が収まると、ユネ達が飾ったリンゴが光輝いていた。飾りには何も仕掛けをしていなかったため、ユネは驚いたが、恐る恐る飾りに触れてみると光は収まった。すると、ユネは再び驚く。何故なら、2人が付けたリンゴの飾りが、本物のリンゴに変わっていたから。そして、2人は本物のリンゴになったかどうか、かじってみることにしたのだった。
翌朝、シュウもユネもリンゴをかじったところまでは覚えていたが、その後のことを覚えていなかった。放課後に2人でクリスマスツリーに行ってみたが、ユネが飾り付けたリンゴもなかった。シュウたちは不思議がるが、身体には特に異常が認められなかったため、調査は一旦お預けとなった。それから普通に皆と学園生活を送っていたシュウだったが、ある日、学園の敷地でフクロウのイラストが描かれた紙を発見する。どこか見覚えのある絵だったが、誰かの落とし物かもしれないと思ったシュウは、寮に戻るとコトハにそのイラストを見せる。すると、コトハは真剣な顔をして、すぐにそれをしまってと言い、その場を言いつくろうように、オンネトーへとシュウを誘い、2人は湖へと向かった。そこでコトハは湖の特性・・・酸性湖であることを説明した後、シュウが拾った紙をその水で溶かしてしまう。そして、シュウに1つだけ警告をする。それは、ドラッグ。シュウは皆から何度かその言葉を聞いたことがあった。コトハはシュウが拾った紙をドラッグだと説明する。服用することで強烈なインスピレーションを得られ、町の人が想像できないような素晴らしい作品を作ることが出来る薬物。しかも、ドラッグで逮捕された中で最も多いのは、聖アレイア学院の生徒であるという。逮捕された人は消されてしまうという噂もある。“知らなくていいことを知ってしまったから”。コトハがそういうが、その言葉にシュウは聞き覚えがあった。それはキリエが言っていた言葉。かつて、黒サンタによって姿を消されたという女子生徒。その消えた生徒がリンカだった。
それからも日常生活を送ったシュウだったが、コトハから教えてもらったドラッグや1年前から発生している壁画事件など、少しずつ町の暗部にも触れていく。授業で映画も鑑賞するが、シュウは100年以上も前の映画がカラーであることにどこか違和感を覚えていた。そんなある日のこと。寮の食堂で学校制度について聞いていると、学長の話題になり、その学長の名前が“ワタラセ”だと知ると、シュウは急に頭痛がして、その名前が“思い出してはいけないパンドラの箱”のように感じられ、そのまま意識を失ってしまう。幸い、すぐに意識を取り戻したが、また倒れられてはかなわないと、それ以降、シュウの前で学長の話題を出すのはタブーとなった。そして、文化祭の準備も進み、いよいよクリスマスを迎える。シュウは写真展を自分の教室で開いたが、シュウが“外”から来た人間という噂は広まっているらしく、意外にも写真展は盛況だった。その後も文化祭を楽しんでいたが、途中、馬が暴れだし、生徒たちに避難命令が出るなどアクシデントも発生していた。そして、後夜祭が始まり、街を1人で歩いていたシュウだったが、様子のおかしい3人組にからまれてしまう。幸い、3人はすぐにどこかに行ってしまったが、その直後に店長から声をかけられ、自分の店に来る生徒たちの様子がおかしかったという話を聞く。シュウはそれを聞いて、ドラッグのことを思い浮かべるが・・・。
その後、シュウはこの日が誕生日のユネを祝うためのサプライズパーティの準備をしている皆の代わりにユネを探しにクリスマスツリーへと向かう。そこでユネを見つけ2人で後夜祭を楽しんでいたが、そのとき突然地震が発生し、周囲の人がざわめく。幸い、揺れが短かったせいか、キャンプファイヤーの火が他に移ることもなく大事には至らなかった。そして、そろそろ時間になったため、シュウはユネを学校へと誘う。その途中、ユネは外から来たシュウのことを大いなる恵み、アメイジング・グレイスではないかと言い、シュウも一緒の今の生活がずっと続けばいいと話す。シュウもそのユネの願いには同意だったが、その願いはかなわなかった。学院に向かう途中、22時のラッパが鳴った瞬間、どこか遠くで大きな音がしたため、耳の良いユネが耳を澄ます。すると、ユネがかつて通っていた第一チヴェッタのある方角から音がしたことが判明したため、様子を見に行こうとすると、再び大きな音がした。しかも、今度は聖アレイア学院の方からだったため、2人は走って学院へと向かう。そして、学院に着いた2人は信じられない光景を目撃する。聖アレイア学院が燃えていたのだ。呆気にとられていた2人だったが、火に溶けない雪が降っていることに気付いたが、その雪はすぐに止んでしまった。更にシュウはどこか嗅いだことのある匂いを感じたが、それがいつどこで嗅いだ匂いだったか思い出せなかった。そこへ、ヨウジが学院から逃げ出してきたが、他の人はいなかった。ユネの誕生日パーティをするためにアトリエに集まって準備をしていたはずだが、学院が火事になったときは、皆が出払っていたときだったとヨウジは話す。次は商店街で大きな音がする。3人が駆けつけると、そこでも同じように雪が降っていた。そして、シュロ寮までも破壊されていた。
今まで大きな災害を経験していない町だったため、こういった事態になっても避難できる場所なんてなかった。シュウは自分の常識が通じない危機管理のまったくないこの町に安全な場所などないことに今更気が付いた。そこへ、ユネがオンネトーなら風上になるから安全だと言ったため、3人はキリエたちを探しつつオンネトーへと向かう。しかし、その途中にあったクリスマスツリーまでもが、今度はシュウたちの目の前で燃え上がってしまう。ツリーの周りには後夜祭で集まっていた人や避難してきた人が多くいたため、地獄絵図のようになっていた。町にいたときは馬を助けようとしたユネも、さすがにその光景には目を背けるしかなく、キャンプファイヤー用に置いてあったバケツの水である程度の人を助けることはできたが、他は見捨てて町に引き返すしかなかった。町に戻ってきたシュウはたまたま足元にあった“ソレ”の存在に気付く。“ソレ”は酷く焼けていたが、キリエがサクヤからプレゼントしてもらったサンタクロースの帽子に間違いなかった。その帽子と町の凄惨な状況を見て、シュウは思った。101年前に起こったという世界の終わり“アポカリプス”を逃れた奇跡の町に、今になってそれが訪れたのではないかと。そして、そんなことを考えているシュウの隣で、絶望し絶叫をあげていたユネがある願い事をした。その瞬間、シュウは白い光に包まれたのであった。
シュウが次に目を覚ますと、そこは美術回廊に似た場所だった。ユネもそこにはいたが、何故か宙に浮いていた。ユネはシュウが目を覚ましたことに気付くと、一瞬でシュウの目の前に移動し、あるものを手渡す。それはかつて2人がクリスマスツリーで齧った双子のリンゴの片割れだった。ユネに勧められるまま青リンゴを齧ったシュウだったが、ユネが勧めた理由がすぐに分かった。このリンゴを齧ることで、ここがどういう場所であるかを把握できたからだ。ここは現実から切り離された空間。時間的にも空間的にも異なる空間。しかし、シュウにはどうして2人がここに来たのかはわからなかった。それはもう片方のリンゴを食べたユネが知っていた。自分たちがここに来た理由。それは“やり直すため”だった。赤リンゴを食べたユネにはタイムリーブが出来るようだった。ただし、時間を巻き戻せるのは、2人が一緒にリンゴを食べた12月2日までだった。つまり、自分たちの意識はそのままに町の状態を過去に戻す。12月2日から25日までの23日間でアポカリプスの原因を突き止めて止めること。町が神様に滅ぼされないようにするために、自分たちがノアの方舟を造る。ユネはそういうが、赤リンゴを食べたわけでもないシュウはいまいち信じられなかった。そこでユネは実際に時間を巻き戻すために力を溜めることにした。少し時間がかかるようだったので、シュウは周囲の作品を見ていたが、ふと自分が皆から“先生”と呼ばれている光景が頭に思い浮かぶ。シュウはそのことをユネに話そうとしたが、ユネのチャージが完了したようだったので、とりあえず空耳だと思うことにした。そして、2人はタイムリープするために手を握り、ユネの一声で過去へと戻っていったのだった。
12月3日。シュウは目を覚まし、タイムリープが成功したことを喜ぶが、肝心のユネが何も覚えていなかった。その理由は不明だが、自分1人だけでも記憶を保持できたことに安堵し、アポカリプスを防ぐために行動を開始する。とはいえ、既に12月25日まで経験しているシュウと、まったく知らないユネ達とでは意識の差がありすぎるため、皆に引かれないよう距離感に気を付ける必要があった。自分さえ同じように行動すれば、皆も同じように行動する。そうやって気を付けて、放課後に以前と同様にユネと2人きりでクリスマスツリーを訪れる。そこで、シュウは協力者を増やすため、一緒にリンゴを齧ったユネなら思い出してくれると思い、何があったかをユネに説明した。しかし、ユネはそれを自分が好きな映画“時を巡るアンナ”と同じような話だったことから、勘違いをしてしまい、結局信じてもらえなかった。結局1人で調べるしかなくなったシュウだったが、かといって、皆との関係も崩したくないことから、以前と同じ行動をせざるをえない状況が続き、思うように調査は進んでいなかった。そのため、夜になってから、あの日のことを思い出し、まずは手掛かりとなるものを探ることにした。爆発とキリエを結びつけることも出来たが、目を付けたのが、あの時、自分とユネ以外で一緒にいたのはヨウジだけという点だった。もしかしたらヨウジでも知らない避難場所があるのかもしれないと思い、コトハに相談してみると、美術回廊なら芸術作品を守るために防災対策がされているという話を聞く。それからも皆との関係性を維持することを優先してしまったため、皆に火の用心を伝えたり、ツリーの近くに消火器を用意する程度しかできなく、結局何も分からないままクリスマスを迎えてしまう。
シュウは2度目だったにもかかわらず、災厄は起こらない・・・勝手にそう思い込んでいた。前回と違うのは、ユネを迎えに行くときに、ヨウジやキリエも一緒だったこと。しかし、現実は非常だった。22時のラッパが鳴った少し後、爆発が起こる。2度目の爆発で学院が燃えることを知っているシュウは、皆と一緒に学院へと向かう。そこで再び雪のようなものを見るが、今回は爆発に詳しいキリエが一緒だったため、聞いてみることにする。すると、キリエは自分がいつも使っているブルーカの匂いがすると答えた。前回、シュウが感じた匂いはソレだったのだ。つまり、この爆発は災厄ではなく人為的な可能性があるということだった。とはいえ、石鹸を使った爆弾にしては火の手が回るのが早すぎるし、手掛かりがない以上は、もう手遅れだった。そのため、シュウは今ここにいる人だけでも守ろうと、以前コトハから聞いた防災対策がされているという美術回廊に行こうと伝える。しかし、美術回廊は既に閉ざされており、開けるには生体認証が必要だったため、入ることが出来なかった。戻ろうにも既に校門は火の海となっており、絶望的な状況に追い込まれた。シュウは自分の甘さを痛感し、再び願った。今度は失敗しないからやり直したいと。すると、再びシュウは光に包まれるのであった。
元の場所に戻ってきたシュウは、そこでずっとシュウの帰りを待っていたユネと再会する。どうやら、赤リンゴを食べた人は時間を巻き戻す力を有すが、食べた本人は過去には戻れないようだった。爆弾が原因ならそれを取り除く、思い切って人間関係を変えてみる・・・次時間を巻き戻ったときにシュウがやれる行動は何かを2人で話し合った後、シュウはユネの力で再び時間を巻き戻された。そして、今度はちゃんと調べる時間を作り、シュウは怪しいところはないかを探る。すると、学院の敷地内に怪しい箱を発見したため、キリエに見せてみると、爆弾であることが判明する。その後も12月25日に爆発が起こった場所を回っていると、同じような物がいくつも仕掛けられていた。そして、爆発した場所を全て周って全ての爆弾を回収することに成功。回収した物は爆弾に詳しいキリエに全て預けた。シュウはこれで町を救える。そう思っていた。しかし、現実はそう甘くはなかった。3度目のクリスマスに再び爆発は起こったのだ。そこで、初めてキリエから爆弾がダミーであったことを知る。しかも、今回は爆発する順番が違っていた。再びユネの下へ戻ってきたシュウは、チャンスは残り7回であることを聞かされる。爆発を防ぐためには、爆弾ではなく犯人を捕まえるしかない。そして、ユネの提案で、キャラ変えをすることに決めた。そうして、3度目のタイムリープをするが、爆弾の場所が違っていたりしてやはり失敗してしまう。シュウは自分のふがいなさを痛感していたが、ユネは違うことを考えていた。シュウは毎回違う行動をしているのに12月25日だけは同じ結末になる。もしかしたら、シュウは今までの行動の中に爆発をするするのに成功していたものがあったかもしれない。それにシュウを12月2日に飛ばすだけにしては自分が力を使い過ぎている。もしかしたら、もう1人飛ばしている可能性があるのではと。つまり、シュウが成功させようとする裏側で、同じように時間を巻き戻っている人間がそれを阻止しているのではということだった。爆弾がダミーにすり替えられていたり、その次には爆弾の隠し場所が違っていたり。それは予めシュウが爆弾を探しているということを知っていなくてはいけない。シュウはこれまでの行動を思い返し、ユネの推察が間違っていないと考えた。
誰が2人の邪魔をしているのか。これからは原因ではなく犯人を探すべき。しかし、シュウの行動を把握できる人物は限られていた。シュウの身近にいる人が犯人ではないか・・・そう考えるが、1回につき1人ずつに密着して調べようということになった。だから、後7回。ユネ以外でシュウの身近にいる人物。キリエ、コトハ、サクヤ、リリィ、ヨウジ、ギドウ、店長。その中に犯人はいるのか、それとも・・・?
アメイジング・グレイス 体験版 感想
第1弾が終わらない間にフルバージョンが公開されちゃったのでフルバージョンの方で続きを見てみたんですが、なんというかアレですね。「ひぐらしのなく頃に」っぽい印象がそこはかとなく感じられました。何も知らない主人公が新天地での生活に居心地の良さを感じていた矢先の日常の終焉とそれを阻止するためのタイムリープ。主人公が状況に流されやすくタイムリープ後も楽観的な考えしか出来てなかった点にイラッとしましたが、推理モノ好きな人には楽しめる内容になっているのではないかと思います。しかし、前作はセンターヒロイン以外のヒロインに関する伏線をほったらかしにした印象があるので、今回は大丈夫なのかなっていう不安が大きいです。とはいえ、四章以降のダイジェスト版を見た限り、かなり気になる内容ではあります。
個人的に前作の印象は、本筋のシナリオは微妙だったけどキャラやイチャラブがすごく良かったなぁっていう感じでした。だから、2作目は明るい方面に傾けてくれるのかなって期待してたけど、やってみたら思いっきりシナリオゲーに偏っていたのが残念でした。前作の1人だけ妙にシナリオが作りこまれてたセンターヒロインの方を取ってしまったかーって感じですかねぇ。キャラは前作ほどではないけど悪くはなかったし、話も面白そうとは思ったけど、自分が期待してたのとは真逆にいってしまったので、買うかどうかはちょっと迷うw
体験版だけでもすごく長いので、そこも気になるところ。終わった後の最初の感想が“疲れた”でしたしw 最近自分は長時間ゲームをやらなくなって、あんまりシナリオゲーを読まなくなってしまっているので、余計に感じました。明るい話だったら別なんですけどね。ダイジェストで見ると、あと十章は最低でもあるみたいだし、体験版の三章まででこの長さだと、面白いかどうかは関係なく途中で限界が来てしまいそうですw あと、個別エンドが無さそうなのも気になる。ループさせることでヒロインをチェンジするタイプみたいですし、そこんところも自分的には微妙かなぁって感じる。まぁ実際にはどうなるか分からないけど、千桃みたいに1本の核となるメインストーリーはあるけど、個別エンドも用意されているという方が好きです。
ヒロインに関しては、見た目的には圧倒的にサクヤちゃん、性格的には割と世話焼き好きなところがあって少し母性を感じたユネちゃんって感じかな。キリエはお漏らし確定だけど貧乳だし、コトハは自分の好みからは外れる黒髪クール系なので、やはりサクヤちゃんとユネちゃんの2人が良いなぁ・・・。特にサクヤちゃんは体験版終了時点ではヒロインの中で唯一主人公に対して好意を抱いている風なのも良かったです。まぁピンク髪巨乳の後輩でこの声だと、某ピンク髪でロリ巨乳な小悪魔系後輩のあの子を思い浮かべてしまいますがw あとね、リリィ先生は攻略できんとですか?(またかw いやー、3番目に好きなのリリィ先生なんですよね。下ネタ聞いたときの反応はニヨニヨが止まらなくなりますw だから、前作の真千さんのリベンジお願いしますよ、今度こそサブヒロインをぉぉぉ!!(爆) まぁでもこの作品、何となくエンディングが1つしかないような気もするので、無理でしょうけどね。
まぁそんな感じで、非常に長そうなシナリオゲーっぽいので買うかどうかは迷っております。ただ、この先の展開は気になるので、どこかネタバレサイトで回答を見るという手もありですね(爆)
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まぁ1番気になるのは、Hシーンでお漏らしがあるかどうかである(爆)