國落LIVE

國學院大學落語研究会の活動情報などです

農工祭・後編

2009-11-13 00:58:07 | Weblog
あのときのことはよく覚えています。

すっかり腹ごしらえを済ませた僕と八雲さんが、寄席に戻ったんです。

そうすると、なにやら混んでいる様子。

そうか、そろそろトリだからかしらなんて思いながら、適当な席に着きました。

ところがそうじゃなかったんです。

高座に上がっている人を見てすぐにわかりました。

やっぱり違うもんですね。

プロですよ。

一目見ればすぐにわかる。

プロが上がっていたんです。

きっとOBさんなんでしょうね。

それはもう迫力が違うわけです。

オーラがぜんぜん違う。

普通にお金払って寄席にいる気持ちで見ていました。

ネタが終わって、あの人はどういう人なんだろう思い、隣に座っている八雲さんに訊いてみました。

「え?栗坊?読舎栗坊って、確か一年だよ」

確かに、あのときめくりは「読舎栗坊」になっていたんです。

後で聞くと、プロの人のめくりが用意できなかったため、前にやった「読舎栗坊」のままでネタをやっていたようです。

で、八雲さんは僕がめくりのことを訊いたと思った。

そして、僕は今のプロ並みの人が一年の「読舎栗坊」だと解釈してしまった。



ショックでしたよ。

農工さんとウチでは何とか勝負できるほどの実力差だと思っていましたから。

良きライバルだと。

ところがどっこい、あんなスーパールーキーを抱えていただなんて・・・

プロだと思ったんだ・・・

それが一年だったんだ・・・

しかもこの前普通に話したことがある・・・栗坊だったんだ・・・

正直、ぜんぜん違いましたよ?

顔とか体格とか雰囲気とかまったく違いましたよ?

でもね、高座に上がると感じが変わる人っているじゃないですか。

それで、すべての辻褄を合わせてしまったんです。

だからもう次に高座に上がった二年の八亭乱内さんが「夢金」をやっている中、いろいろと考えてしまいましたよ。

本当にいろいろと考えましたが、とりあえず出た結論だけ言うと「もう落語をやめよう」という。

なんだかすべてが嫌になってしまったんでしょうね。

あんな力の差を見せ付けられたら、そりゃあ嫌になりますよ。



さようなら落語という気持ちの中、次に出てきたのがこの日のトリ。会長の晴亭引退さん。その名のとおりこの日で引退のようです。

そういえば「夢金」の後に何をやるんだろうと思ってみていたら、なにやら「大晦日」だとか「亭主が働かない」だとか「借金」だとか言っている。

ま、まさか・・・「芝浜」か!?

「夢金」からの「芝浜」か!?

これはすごいことになった・・・と思ってまたみていると、何か違う。

亭主がなかなかお金を拾ってこない。

餅がどうの話している。

仕舞いには亭主がおかみさんのおしりを「餅つきだァ!」なんて言いながら叩き始めた!

ちょ・・・おま・・・そんなことしてないではやくお金拾ってこいよ!!

え?

え?

なにそれこわい

で、そのままサゲですよ。



どうやら「芝浜」じゃなくて「尻餅」というネタらしいです。

ばかばかしすぎる!

「夢金」の後のトリで、しかも晴れて引退ってときに「尻餅」をやるなんて、素敵です。

笑いました。

あんな絶望的な心理状態だったのに笑いました。

やっぱり落語っていいものですね。

でも僕は今日で落語を・・・



誤解が解けるのはその数分後のこと。

その後男四人で食べに行ったカツどんが美味しいこと美味しいこと。

これからも落語をやっていく決心が着いた一日でした。



目標:来年は鹿汁食べる。

農工祭・中編

2009-11-13 00:57:49 | Weblog
「農工さんの学祭は、美味い」

そのセリフが頭から離れなかったんです。
だから僕は、その日アンパンしか食べずにきたんだ。

ところが僕の目の前に広がるこの光景はどういうことだい・・・?

「売り切れ」
「完売しました」
「片付けはじめるよー」

これは・・・これは・・・一体・・・


「この商店街はむかしはにぎやかだったんじゃ・・・。それはもう毎日お客さんで溢れ、活気づいておったわ。ところがのう、隣町に大型デパートが出来てからというもの、すっかり客足も途絶え、今ではこのとおり・・・立派なシャッター街になってしまった。ごほっごほっ・・・はあ・・はあ・・わしも、もう長くないようじゃ。一度でいいから、またあの頃ような活気があった商店街を見てみたいのう・・・もう一度・・・死ぬ前にもう一度・・・この目で見たいのう・・・」

うわああーーーー!!おじいさぁああーーーーーーん!!!!
よぅし、みんな!おじいさんのためにあの頃の商店街を取り戻すぞ!!


的なやつが始まらざるを得ない光景!!
マズイってこれマズイって!!!
ということで、どこかまだ開いているところをひたすら探す。
そうすると、ジャガイモが何かグルグル巻きになっているやつがまだ食べられるらしい。
早速いただきます。
まぁ、イモがグルグル巻いてありました。
よし、次!ということで、探し回ると、焼き鳥発見!
キタコレってんですかさず注文。

「モツ八本ください」
「すいません、モツ切れちゃってるんですよ・・・タンか砂肝でお願いできますか・・・」
「あ、じゃあタンと砂肝四本ずつください」
「タンと砂肝四本ずつ入りましたー・・・次の方注文どうぞー」
「モツと砂肝二本ずつください」
「モツと砂肝二本ずつ入りましたー・・・次の方注文どうz」

ってなんで俺たちモツ食べれなかったの!?
おじいさん殺す気か!!
でもなんかもう頼んじゃったから泣き寝入りですよ。
もうタンと砂肝をヤケ食いですよ。
まぁ美味かったですよ。うん。

聞くと、どうやら出店は四時までのようで、すでに四時は過ぎているのです。
これは仕方がない、諦めようとしたとき、八雲さんという名のご主人さまがおっしゃられたのです。

「鹿汁食べる?鹿汁は寄席に持ち込めるから」

え?その言い方は、鹿汁は当たり前のようにまだ食べられるという・・・
そうか、鹿汁は農工祭の名物みたいなものだから、ずっとやっているのか!!
なーんだ、それならそうと早く言ってくれたらいいのに
ktkrってんで鹿汁ブースへ直行。
よーし、鹿汁さえ食べてしまえばこっちのもの。
農工祭は食べつくしたようなものだ。
さあ、早く鹿汁を・・・ギブミー鹿汁・・・しかじr

あれ?

普通に片付けているよ・・・?

ん?

あ、普通にやってないじゃんこれ



そのあと、ゴミ捨て場にゴミを捨てて、寄席に戻りましたとさ。

おじいさん・・・ごめんなさい・・・僕にはこの商店街を救うなんて・・・荷が重すぎたようだよ・・・ははh



※イモと焼き鳥食べただけなのにこんなに長くなるとは思いませんでした。
後編に続きます。

農工祭

2009-11-13 00:57:16 | Weblog
はーい、わくわくです。
今日は自主☆休校だったので、戒めのために書きマース。

時は日曜日にさかのぼりますが、東京農工大学さんの学祭に行ってきました。
メンバーは半平太さん、小竜さん、八雲さん(主)、白雪さん、わくわくさん、鏡月さん。
というか、ほぼ前日のキムチ鍋パーチーのメンバーですね。鏡月にいたっては帰宅せずに主の家から直接来たそうです。
ちなみに、弐亀さんはかろうじて人生を優先したとのこと。ナイスチョイスです。


僕は初めての農工祭だったわけですが、率直な感想・・・

学祭ってこーゆうことだよね!

とりあえずテンソン上がりました。だってFF8(エフエフエイト)みたいじゃないか。あんなに自然と「いいなぁー」って言ったの初めてかもしれない。完全敗北ですよ。参りました。

しかーし!それは学祭全体の話。
確かに國學院の学祭はアレですよ。農工さんの学祭はコレですよ。
実力差はまさに月とハナクソですよ。
しかしかーし!オチケン単体ならまだ戦えるはず!!

みんなそんな気持ちだったのか、ただ単にインドア派だったのかわかりませんが、到着とともに寄席へ直行しました。
軽く会釈し、
お酒を渡し、
芳名帳に記名し、
お茶を受け取り、
胸を張り、
いざ、中へ・・・

やられましたよ。高座に上がっていたのは一年生の山茶家ユニ。
え?何にやられたって?
だって、首吊ってんだもの。
席についていきなり「最後にこうやって台を蹴るんだ」って首の吊り方教えたりしてんだもの。
そりゃあ度肝も抜かれるでしょうよ。
あれは何て言うネタなんだろうか。
首吊ってるところからしか見れなかったので、ぜひ最初から見たいです。

ユニのお次は東南舎北。これまた一年生。
めくり台を倒すというハプニングをものともせず「初天神」を披露。
「初天神」は首吊り死体の足に頭ぶつけたりしないので、とてもほのぼの見れました。
声がよく通るので、豪快でそそっかしい父親がとても似合っていて面白かった。

そして次はまたまた一年生。晦家師走。
農工さんの一年生で唯一会ったことが無い気がします。
え?ない・・・よ・・・ね・・?
ネタは「猿御家」でした。
これがまた面白かった。普通に面白かった。
彼は独特の雰囲気とか声を持っていると思うんですが、それが猿顔のおかみさんにぴったし。
まくらを聞いた限りではきっといい人なので、今度話してみたいですね。
え?話したこと・・・ない・・・よ・・・ね・・?

そんでお次はついに二年生の登場。その名も山亭香水さん。
「マウンテイパフュームと読みます」と言ったときの凛としたその顔はすがすがしささえ感じるほどでした。
パフューム好きの鏡月曰く「素直には笑えなかった」そうですが、たぶん一番声出して笑っていました。
ネタのほうは「権助魚」で、さすが二年生ですね。とても落ち着いていて上手でした。面白かったです。

次は再び一年生。伊達亭政。
「まくらが苦手」というまくら。僕も苦手なので共感しつつ、あれ?でもこれちゃんとまくらできてんじゃん・・・と若干の疎外感を抱きつつ。
それにしても、そうして入った噺が「松山鏡」だったのには驚きました。
たぶん一つ目のネタは先輩に選んでもらって、二つ目からは自分で選んでいるんでしょうけれども、二つ目に「松山鏡」をやろうと思えるのがすごい。
で、それがちゃんとできてるからまたすごい。
もう自分の色っていうのが分かっているんですかね。

ただただ感心しながら、僕と八雲さんは一旦腹ごしらえに外の出店へ。
このあと悲劇が起こるとも知らずに・・・


※予想以上に長くなったので、後編に続く