山茶花しぐれ

2020-12-31 00:01:50 | 日記
 12月30日深夜、もう31日です。今年もお世話になりました。

 今日は、昼過ぎから雪が舞っています。先週までは、ほんのわずかな初雪があったものの、小春日和が続いていました。その中で、弱い雨の日があり、NHK福岡放送局のお天気解説、吉竹さんによると「山茶花散し」とも「山茶花しぐれ」とも言うそうで、なんとも風流な呼び名でしょう。
 爺さんちは、30年ほど前に建て替えた時に山茶花を垣根に植えて、爺さんの背丈より高くなりましたが、昨年、今年と、チャドクガ(茶毒蛾)が大発生し、頭上から幼虫が降ってくるので、背の高いのはついに伐採してしまいました。寂しいものです。


 年の瀬となると、流石にこんな爺さんでも、我が人生とこの一年を振り返り、哀感を覚えるものであります。このところ、とある必要から与謝蕪村よさぶそん)について書籍をあたっておりましたが、爺さんも、むぅぅ、と感じ入った一句。
 
 老が恋わすれんとすればしぐれかな 蕪村

意)年甲斐もない恋心。われながら気後れもするし、外聞も悪い。もうさっぱり忘れ去ろうと努めるのだが、この初冬に前触れもなく急に降る時雨につれて、われ知らずふと恋心のきざしてくるのは、もうどうしようもない。
(解説)老いさらばえての恋とは厚かましく、人に納得してもらえないものだろうが、心を押し留めることはことはもはやならず、たとえ命尽きても、ただ一夜なりとも逢瀬のかなうことを願う。それにつけても老いの悲しさよ。(藤田真一『蕪村の名句を読む』河出文庫)

 まぁ、いちいち解説は不要でしょうが。蕪村は、本業は絵描き職人で、その作品は現在、国宝、あるいは重要文化財として大切にされています。上の一句、爺さんも、青春、朱夏、白秋と経ていよいよ玄冬に入った感慨を覚えるのであります。雑誌「ランナーズ」は、新年号だけ付録のランナーズダイアりーを手にれるために買うのですが、12月号のテーマは「走る女は美しい」だったようで、誠にそうであります。

 では、コロナの心配の無い良い年になりますように!