柳田邦男著 新潮社
ーーーゲーム、ネット、テレビなどの
刺激にたえずさらされていると脳の
機能が強い影響を受けることになる。
その具体的なメカニズムはこうだ。ゲ
ームの場合、敵との戦いでやるかやら
れるかという状況に置かれると、交換
神経から心臓をドキドキさせるアドレナ
リンが体内の血液中に大量に放出さ
れる。そして必死の戦いのあとに敵を
倒すと達成感とともに気分を高揚させ
るドーパミンが脳内にドッと放出される。
脳はこのようなドキドキする昂奮と強い
達成感とを経験すると、もう一度その
昂奮と達成感を味わいたいと欲する
ことになる。(中略)
情報の毒性にはさらに、恐るべきことが
ある。物質の毒であれば血液に入って
も、血液脳関門と呼ばれる組織によって
脳内に入るのを防ぎ、脳の神経細胞を
守る仕掛けがある。しかし、情報は信号
であって物質ではないから、眼や耳から
入ったら何のバリアーもなくストレートに
脳を直撃することになる。
脳が情報の毒性に浸されると、その子
どもの心にどのような影響が現れてくるか
その主な変化を挙げると、次のようになる。
○我慢しようという意思がなくなる。
○行動する際に、どちらにしようか
などと迷ったりする緊張感がない。
○他者に対する共感性が欠ける。ーーーー
▼最近の子の行動が昔に比べて何かが
変わったなと、皆が、感じていると思うが、
人生で一番大事な時にゲームに費やす
程無意味な事は無い、大切な時間を取り
返しがつかない。残酷なシーンを何時も
眺めていると神経が麻痺してくるのだろう。
それもこれも大人が日夜ゲーム作りに邁
進している。ゲームを飽きさせないように
心血をそそいでいる。犠牲になる子供が
かわいそうだ。